更新日:2021/10/27 07:30
武蔵野社員の奮闘記
小山から褒めてもらった唯一のボイスメール【セールス研修/経験】
全社管理本部 管財課課長 水野和隆
私が武蔵野の正社員になったのは2013年4月、50歳のときでした。
正社員採用に当たっては、乗り越えなければならない壁が一つありました。
それは「セールス研修」です。
新卒採用の社員は、内定者時代に必ずセールス研修を受けます。
中途採用の社員は、契約雇用ののちにセールス研修に合格して晴れて正社員になれます。
もとから武蔵野にいた社員の中には未経験の人もいますが、小山は「いずれ全員に受けてもらう」と言っています。
つまりセールス研修は、武蔵野の社員なら誰もが経験しなければいけない通過儀礼といえます。
これまでお話してきたように、私はシステムエンジニアとしてキャリアを積み上げてきました。
一時的な気の迷いで保険のセールスマンになったこともありましたが、営業はとても苦手で、一年と続かずに武蔵野に転職した経緯があります。
保険のセールスは、知人や知人に紹介してもらった人が相手です。
それでさえうまくいかなかったのだから、一般家庭に飛び込み営業でハンディモップを売れるはずがありません。
私にとって、セールス研修は高くそびえる壁でした。
私が受けたのは2月でした。
スタート前、上司の部長の斉木(現本部長)が激励に来てくれて、こう言いました。
「武蔵野が強いのは、みんながセールス研修を受けているから。水野さんも合格して武蔵野の一員になろう」
期待よりも不安のほうが大きかった私は、この一言で気合が入りました。
(後日、斉木に聞いたら、「そんなことは言ってない」とのこと。記憶違いかもしれませんが、気合が入ったので結果オーライです!)
ただ、気合だけで合格できるほどセールス研修は甘くありません。
その日はあいにくの空模様でした。
雨が降ると一般家庭の方は外出を控えて在宅率が高まるため、営業には有利だと言われています。
しかし、その日は寒すぎて雪になってしまいました。
雪になると、お客様はインターホン越しに応対するだけで、玄関まで出てきてくれません。
いくら在宅率が高くても、玄関を開けてもらえなければどうしようもない。
朝から連戦連敗で、昼頃にはもう心が折れかけていました。
半ば諦めた状態で、最後に目の前に建っていたアパートにアタックすることにしました。
一軒ずつピンポンを押していくと、一軒だけ玄関をあけてくれた方がいました。
必死の思いでモップのご説明をすると、「寒いのにかわいそうに」とご契約してくださいました。
この方は本当に親切でした。
お渡しする伝票にお客様の名前を書かなければいけないのですが、私は手がかじかんでまともに書けませんでした。
その様子を見て書くのを手伝ってくれて、さらに「風邪ひきますよ」といって暖かい飲み物とカステラまで出してくださった。
契約が取れたことはもちろん、人の親切に触れることが本当にうれしくて、涙が出そうになりました。
実はこの日はもう一つ、うれしいことがありました。
中途採用でセールス研修を受けた社員は、契約が取れると小山にボイスメールで報告します。
私もガラガラになった声で「1件取ることができました」と報告を入れました。
するとその日の夜に、小山から直々の返信がありました。
小山はいつも、社員からの報告については内容を確認するのみで、指示があるとき以外はスルーです。
しかし、その日小山は大阪にいて、私を武蔵野に紹介してくれた佐藤(元I社、現在武蔵野IT顧問)と飲んでいたとか。
佐藤と一緒にいるときに報告を聞いて、自然に私の話題になったのでしょう。
ほろ酔いかげんのテンション高めの声で、「水野さん、よかったなあ。よく頑張った!」と返信をくれたのです。
苦手だったセールスで結果を出したこと、紹介者のメンツをつぶさずに済んだこと、社長から直々に声をかけてもらったこと……。
さまざまなことが積み重なって、返信を聞いたときはその日二度目の涙がこぼれそうになりました。
ちなみにこのときのボイスメールは何気なく消去してしまいました。
当時は「またいつか褒めてもらえるかも」と甘く考えていたのです。
セールス研修から9年経ちますが、小山からお褒めの言葉をもらったのはあのときだけ。
以降は、ボイスメールだけでなく対面も含めて叱られてばかりです。
そうなるとは思い至らずに消去してしまい、本当にもったいないことをしました。
これをお読みのみなさんは私より優秀かもしれません。
しかし、何度も褒めてくれるほど小山は優しくありません。
もし小山からボイスメールで褒められることがあったら、消さずに保存しておくことをおすすめします(笑)
次回は“システムはスピードが命”
次回もお楽しみに!
-----------------
【無料オンラインライブ配信のご案内】
-----------------
■99%の社長が知らない会社の数字の使い方■
経営者の皆さん!!
直感で経営判断をされていませんか?
減収からV字復活を果たした数字による経営の極意から
データ経営を支える人材教育にも焦点をあててお届けします!
株式会社北の達人コーポレーション 代表取締役社長 木下勝寿氏をゲストに迎え
小山昇が即実践に移せる数字の使い方を伝授致します。
お申込み・詳細はこちら
この記事を読んでいただいている方におススメのセミナー