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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2020/09/28 21:15

業務効率

AI活用と生産性向上の関係性とは【業務効率/生産性向上】

読了まで約2分

AIとは「Artificial Intelligence」の略で「人工知能」を意味します。
人間の代わりに考えたり判断したりして作業をしてくれるプログラムのことです。
このAIを業務に活用することで生産性が向上するというのは、簡単にイメージできるでしょう。

しかし、実はAIを導入しても必ずしも生産性が向上するとは限りません。
AIを活用するためには、それなりの整備が必要となるからです。

この記事では、AI活用と生産性向上について、AI活用を成功させる3つのカギとともにご紹介します。

AI活用の目的

総務省の調査研究によると、企業がAIを活用する目的として以下のことが挙げられています。

・業務効率・生産性の向上
・省力化・無人化
・不足している労働力の補完

[注1]総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(2017年)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc142300.html

それぞれについて考えてみましょう。

1. 単純作業から開放され業務効率・生産性が向上する

もともとコンピューター(プログラム)は決められた作業を正確にやり続ける仕事に適しています。
毎日のように単純作業に追われて、本来やるべき仕事ができないといった現場でAIを活用すれば、単純作業から解放され、生産性が向上します。

また、工場のラインでのコンピューター導入は、必要不可欠なものとなっています。
ここにAIが加わることにより、たとえばライン上のあちこちに設置されたセンサーから情報を収集し、
さらに効率の良い製造プロセスを自動的に構築していくことが可能となります。

2. コンピューターに一定の業務を任せて省力化・無人化できる

24時間365日休むことなく作業させることができるコンピューターの導入により、作業人員の削減が可能になっています。
AIを活用すれば、ある程度のトラブルにも自動的に対応できるなど、より省力化・無人化に貢献します。

また、従来職人や技術者の腕やカンを頼って作られていた製品も、AIを活用することで、
そのときの気温・湿度など現場の環境や材料の具合などさまざまな情報を瞬時に判断して、最適な製造工程を再現することが可能になります。
職人・技術者の高齢化や後継者不足に悩む現場にも、AIの導入は最善策だと言えるでしょう。さらに言えば、技術レベルの個人差に悩む必要もなくなります。

3. 不足している労働力の補完

近年の少子高齢化に伴い、労働者数の絶対的な不足が深刻な問題となっています。
とくに、製造業は肉体的にきつい業務が多いため、就業者数の減少がとどまりません。
また、人件費をまかなうのが困難であるため、人手を増やしたくても増やせないという中小企業も数多くあります。
そのようなさまざまな問題についても、AIを活用することによって解決できると言えるでしょう。

 

AI活用を成功させる3つのカギ

前述したように、AIを活用すれば生産性向上に大きく貢献します。
しかし、だからといって「今すぐ導入しよう」とやみくもに進めては失敗しかねません。
マイクロソフトとIDC Asia/Pacificが共同で実施したAIに関する調査によると、AI活用を成功させるカギは次の3つであることがわかりました[注2]。

・従業員のスキル
・インサイトを得るためのツール
・組織文化

[注2] マイクロソフト・IDC Asia/Pacific「Future Ready Business:AIによるビジネスの可能性について」(2019年)
https://news.microsoft.com/wp-content/uploads/prod/sites/47/2019/02/190301_AI_report_Japan.pdf

それぞれについて解説しましょう。

 

1. 従業員がAIを活用するためのスキルを身につける

AIが作業をしてくれるとは言っても、まったく何もせずにAIに丸投げできるわけではありません。
初期データの入力作業や処理内容の分析、機器の操作、トラブル時の初期対応など、AIを活用するためにはある程度のスキルが必要となります。

これらのスキルを身につけるためのリソースや継続的な学習プログラムを整備しておくことが、AI活用においては重要です。

2. インサイトを得るためのツールを導入する

AIをどのように活用して次のアクションにつなげるのかを分析するツールも導入しておくと、よりAI活用の効果が高まります。
このインサイト(洞察)を得るためのツールを含め、AIを活用するためには十分なインフラストラクチャとツールが必要不可欠です。

3. 風通しのよい組織文化をつくる

従来から存続する企業組織では、部門間の連携がうまく働かず、連携することに抵抗感を抱く管理職も少なくありません。
このようにサイロ化している組織では、AIを導入してもうまく活かすことができません。
なぜなら、ほとんどの場合において、AIは全社共通の業務に関係したり、複数の工程にまたがって機能したりすることが多いからです。

AI活用を成功させるためには、部門を越えた情報共有や連携などが重要となってきます。

 

AI活用で生産性を向上させるには環境の整備が重要

AIを活用すれば、業務効率や生産性を向上させるだけでなく、昨今深刻な問題となっている労働力・職人・技術者不足にも対応できます。
しかし、そのためには、AIを活用できるだけの従業員のスキルや、ツール・インフラストラクチャなどの整備、旧態依然とした組織文化の刷新が必要です。

初期投資は簡単ではありませんが、長い目で見ればAI活用による生産性向上は大いに期待できるでしょう。

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