中小企業の業績を最短距離で伸ばすなら株式会社武蔵野の経営コンサルティング

株式会社武蔵野経営サポート事業部

MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/06/22 14:57

経営

ブルーオーシャン戦略とは?メリットや課題点・企業の成功事例などわかりやすく解説

読了まで約4分

市場の成熟や商品・サービスのコモディティ化が進むなか、競合他社との差別化は以前にも増して難しくなっています。
そこで新たな戦略として検討したいのがブルーオーシャン戦略です。
これまでにない市場を見つけ出すことで先行者優位の立場に付ければ、他社との差別化にもつながり、大きなメリットを得られるようになるでしょう。

本記事では、ブルーオーシャンの概要、レッドオーシャンやニッチ戦略との違い、ブルーオーシャンによって得られるメリットと課題点を成功事例と併せてお伝えします。
新たな経営戦略を模索している企業の代表者、経営者の方はぜひ参考にしてください。

ブルーオーシャン戦略とは

ブルーオーシャン戦略について深く理解していくうえで、まずはブルーオーシャン戦略の概要、レッドオーシャン、ニッチとの違いについて解説します。

ブルーオーシャン戦略の概要

ブルーオーシャン戦略とは、新たな領域に市場を生み出し、その領域でビジネスを展開する戦略を指します。
ビジネススクール、「INSEAD」の教授であり、ブルー・オーシャン戦略研究所の共同ディレクターでもある、W・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が提唱した概念です。

新たな市場の創造により、他社と競合しない事業展開が可能になるため、先行者優位を活かし市場シェアを獲得でき、低リスクで高い収益を確保できます。

レッドオーシャンとの違い

レッドオーシャンとは、すでに多くの競合がひしめき合い、飽和状態になっている市場を指すものです。
競合同士が争っていることで市場が赤く過熱している、もしくは利益を血に例え、血の流し合いになっているなどからレッドオーシャンと呼ばれています。

レッドオーシャンもブルーオーシャンと同様にW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が提唱した概念です。
ブルーオーシャンとの対比として提唱しており、いかにレッドオーシャンから抜け出し、ブルーオーシャンを創造するかが、企業が生き残るための戦略だと説いています。

ニッチ戦略との違い

ブルーオーシャンとレッドオーシャンは、まったく対極に位置する概念ですが、ニッチはブルーオーシャンに極めて近い概念です。
まだ競合が足を踏み入れていない市場で競合との競争を前提としないビジネスを展開する点ではブルーオーシャンもニッチも変わりません。

異なるのは、ブルーオーシャン戦略が誰も知らない新たな市場を創造する戦略なのに対し、ニッチ戦略は誰も気づいていない新たな市場を見つけ出す戦略という点です。

ニッチ戦略の特徴として、大企業が手を出しにくい狭い市場を対象とする点が挙げられます。
市場を独占できても高い利益を上げるのは難しいため、主にベンチャーや中小企業向けの戦略だといえるでしょう。

 

ブルーオーシャン戦略のメリット

ブルーオーシャン戦略を実践することでどのようなメリットが得られるのでしょう。
ここでは、主なメリットとして次の3点を解説します。

  • 他社との差別化が実現できる
  • 低コストでビジネスを展開できる
  • 市場のシェアを獲得できる

他社との差別化が実現できる

ブルーオーシャン戦略は新たな市場の創造により、まだ誰もいない場所でビジネスを展開するため、どこにもない製品、サービスの製造・提供を行えるようになります。
その結果、他社との差別化が可能です。

多くの業種で市場が成熟し、製品やサービスのコモディティ化が進んでいます。
そのため、レッドオーシャンでは、新製品を開発してもすぐに同品質で低価格の製品が世に出てきてしまい、差別化は困難です。

しかし、ブルーオーシャンであればまだ競合がいないため、他社にはない自社独自の製品やサービス開発が行えるため、他社との差別化が実現できます。

低コストでビジネスを展開できる

ブルーオーシャンは簡単に創造できるものではなく、ビジネスを始めるまでには時間がかかるケースが少なくありません。
しかし、レッドオーシャンでは、どれだけ良い製品・サービスを開発しても、競合との価格競争によりコストをかけても利益が取れない可能性があります。

ブルーオーシャン戦略により、時間をかけてでも新たな市場を創造できれば、競合との価格競争にかかるコストを抑え、顧客ニーズに忠実な製品・サービスの提供が可能です。

市場のシェアを獲得できる

通常、市場のシェアを獲得するには多くの競合のなかで差別化を図り、顧客に自社もしくは自社製品・サービスを最初に思い浮かべてもらえるようにしなくてはなりません。
しかしブルーオーシャン戦略では先行者優位を活かせるため、顧客に覚えてもらいやすく、後から競合が参入しても自社が顧客の第一想起になり、市場シェアを獲得できます。

ただしその後も競合にシェアを奪われないようにするには、さらなるシェア拡大を目指し、戦略やターゲット、価格設定の見直しや改善を定期的に行っていくことが重要です。

 

ブルーオーシャン戦略の課題点

ブルーオーシャン戦略で成果を上げるには、いくつかの課題点を克服しなければなりません。
ここでは、具体的な課題点を挙げたうえで、どのように克服すべきかについて解説します。

マーケティング力がないと利益につながらない

レッドオーシャンは競合が多く参入していることから顧客の認知度が高く、市場自体の認知度を高めるためのマーケティングは必要ありません。
しかし、ブルーオーシャンは顧客に認知されていないため、自社製品・サービスの認知を得る以前に、市場の認知度向上が求められます。

また、市場の認知度を得られたとしても、次は自社製品・サービスに興味を持ってもらう必要があり、マーケティング力がないと利益につなげるのは難しいでしょう。

そのためブルーオーシャン戦略を成功させるには、製品・サービスの質向上はもちろん、マーケティング力の向上も必須です。

他社の参入により模倣される可能性がある

ブルーオーシャン戦略は、競合がいない市場でのビジネス展開が可能ですが、成功すれば他社が参入し、競合が増える可能性があります。
もしその時点で顧客の信頼を獲得できていないと、すぐに製品・サービスを模倣され、市場シェアを奪われてしまうでしょう。

そのためブルーオーシャン戦略では、競合が参入する前に簡単には模倣されない独自のノウハウや仕組みをつくっておくことが重要です。
市場の変化や動向を常に把握し、それを踏まえた戦略策定が必要となります。

レッドオーシャンよりも利益につながらない可能性がある

ブルーオーシャン戦略により、新たな市場を創造できたとしても、場合によっては競合も多いが顧客も多いレッドオーシャンのほうが利益を得られる可能性は少なくありません。

ブルーオーシャン戦略で重要なポイントは短期での成果を求めるのではなく、長期的な視点で市場を育てていくことが求められます。
開発費や人件費などのコストと利益を常に把握しつつ、戦略を改善しながら進めていくことが重要です。

 

ブルーオーシャン戦略に活用できる2つのフレームワーク

ブルーオーシャン戦略を成功に導くためには、さまざまな施策が求められますが、施策を立案するには問題点や具体的な行動の可視化が欠かせません。
ここでは、ブルーオーシャン戦略を実施していくうえでよく使われるフレームワークを解説します。

1.戦略キャンバス

戦略キャンバスとは、顧客に提供している価値とその価値を顧客がどれだけ享受しているかを可視化させ、顧客が十分に得られていない価値を見つけ出すフレームワークです。

競合のデータを戦略キャンバスに当てはめ、顧客ニーズがありつつ、競合が提供できていない価値がブルーオーシャンとなります。
ブルーオーシャン戦略を策定するための第一歩となるフレームワークです。

2.アクションマトリクス

アクションマトリクスとは、戦略キャンバスによって可視化された市場の現状、競合の投資先を見つつ、次の4つのアクションで自社が取る戦略を明確にするフレームワークです。

  1. 顧客ニーズのないものを見出し、「取り除く」
  2. それほど必要とされていない価値を「減らす」
  3. 顧客ニーズがあるにも関わらず提供しきれていない価値を「殖やす」
  4. 未知の価値を「付け加える」の4つでブルーオーシャンの市場を創造します。

 

ブルーオーシャン戦略の成功事例

ブルーオーシャン戦略の実施をより具体的に把握するために、ここでは実際にブルーオーシャン戦略を行って成功した事例について解説します。

【Netflix】店舗を持たないDVDレンタルサービスを開発

従来ビデオやDVDのレンタルサービスで市場を獲得するには、価格や品揃えが重視されていました。
しかし、品揃えを充実させるには店舗の増床が必要となり、それが価格にも反映されてしまいます。
また、返却期限までに返されないケースが多いのも利益向上を妨げる課題となっていました。

そこで、Netflixは郵送によるサービスに加え、サブスクリプションサービスの導入により店舗を持たず固定で利益を生み出せるモデルを創造したのです。
現在はストリーミングサービスが主流になり、競合も増えていますが、オリジナルのドラマや映画を増やすことで差別化を進め、さらなるシェアの拡大を続けています。

【任天堂】幅広い世代をターゲットとした家庭用ゲーム機を開発

2000年代初頭、家庭用ゲーム市場はハードの技術進化に合わせて高画質、高機能化が重視されていました。
任天堂はその争いに遅れを取ってしまい、一時は大きく市場シェアを失っていましたが、その打開策として登場したのが「Wii」です。

Wiiはゲームが好きな層をターゲットにするのではなく、それまでゲームをあまりやらない層をターゲットにしました。
高齢層や小さなお子さんなど家族が揃って楽しめるゲームを中心にすることで市場を創造し、新たな顧客の獲得に成功したのです。

【ユニクロ】機能性を加えた衣服を開発

ユニクロがアパレル業界のなかでブルーオーシャン戦略を成功させたポイントは大きく3つあります。
1つ目は、企画から製造、販売までを一貫して行う製造小売業(SPA)というモデルの確立です。
これにより、高品質の製品を低価格で販売することに成功しています。

2つ目は、ヒートテックやエアリズムなど衣服に機能性を加えた点です。
これまでにないコンセプトの製品開発により、競合他社との差別化を実現しました。

そして3つ目は、機能性衣服の進化です。
常に見直しと改善を継続し、顧客に新たな価値を提供し続けることで競合の模倣にも負けず、ブルーオーシャン戦略の成功につなげています。

 

ブルーオーシャン戦略を参考に自社の利益につなげよう

ブルーオーシャン戦略とは新たな領域に市場を生み出し、その領域でビジネスを展開していく戦略を指します。
先行者優位の立場になれることで、一気に市場シェアを獲得し、低コストでもビジネスを展開することが可能です。

しかし新たな領域に足を踏み入れるため、すぐに成果を上げるのは難しいうえ、しっかりと足場を整えておかなければ競合他社に模倣され、すぐに市場を奪われかねません。
そこで重要となるのが経営戦略の明確化です。

経営計画書の作成により、自社のビジョンや方向性を明確にし、全社員で共有することで、ぶれることなく新たな領域に踏み込んでいけるようになるでしょう。

株式会社武蔵野では、経営戦略を明確にするための経営計画書の書き方について無料お試しを実施しています。
ぜひご利用ください。

武蔵野のサービスに
ご興味が出てきた方

CONTACT