更新日:2024/01/09 10:58
経営
ビジネスアイデアの考え方とは?起業・新規事業のヒント
読了まで約4分
新しい事業や商品を開発したくても「斬新なビジネスアイデアがない」と行き詰ってしまった経験がある経営者は少なくないでしょう。
本記事ではビジネスアイデアをテーマに掲げ、身近なところからビジネスアイデアを見つける方法や、既存の商品からヒントを得て起業や事業立ち上げにつなげるポイントを事例とともに紹介します。
目次
ビジネスアイデアとは
ビジネスアイデアとは、新規事業や新商品・新サービスを生み出すもととなるアイデアです。
単なる思いつきや奇抜な発想のことではなく、明確なゴールと達成までの論理的な道筋が描けているものをビジネスアイデアといいます。
例えば、なんのアイデアもなしに新商品を開発しても、類似品の多い凡庸な品になってしまい大きな利益を得ることは難しいでしょう。
一方で、どんなに斬新な発想であっても、ビジネスとして行う以上は一定の収益性がなければ事業を継続できません。
競合と差別化を図りつつ、収益性や継続性を持ったビジネスアイデアは、事業において必要不可欠といえます。
ビジネスアイデアからビジネスモデルを構築する流れ
ビジネスアイデアを事業に生かしたい場合、まずは思いつく限りアイデアを書き出してみるのがおすすめです。
ビジネスとして成立させるのが難しそうなアイデアでも、他のアイデアと組み合わせることで新しい事業が生まれるかもしれません。
アイデアを書き出したら、発想が近いアイデアをグループ分けすると、具体的な事業につなげやすくなります。
同じグループ内で解決策が近しいものをまとめたり、違うグループのアイデアを組み合わせたりして、さまざまな可能性を模索してみましょう。
アイデアを具体化できたら、類似の商品やサービスがないか必ず調査してください。
類似品が見つかってもそのアイデアは放棄せずに、さらに他のアイデアの要素を取り込んで、差別化できないか考えてブラッシュアップしていきます。
ビジネスアイデアの見つけ方
ビジネスアイデアはできるだけたくさん書き出すと解説しましたが、そもそも新しいアイデアがまったく思い浮かばず、手が止まってしまう人もいるでしょう。
ここでは、アイデアを見つけるための7つの方法を紹介します。
自分の経験や不満・ニーズから探る
まずは、何かの商品やサービスを使用して不満や不便さを感じた経験をアイデアにつなげる方法があげられます。
「この商品にはこういう機能が足りていない」「この機能に特化したサービスがあれば使いたい」といった体験を思い出し、書き出してみましょう。
自分以外にも同じ不満を抱いている人がいれば、事業化できる可能性が高いです。
日常的にアンテナを張り巡らせて、常に物事を洞察しながらサービスの改善点を探す視点を持つことが大切です。
何か新しく商品やサービスを使うときは自分がどのような感想を抱くか、注意しておくといいでしょう。
既存商品・サービスを分析・改良する
既存の人気商品やサービスからヒントを得たり、改良したりして新しいアイデアを創出する方法もあります。
例えば、現代人にとって生活に欠かせないものとなっているスマートフォンは、パソコンと携帯電話を組み合わせることで誕生したといわれています。
一から新しい商品を創出しなくても、既存の商品やサービス、技術を組み合わせてヒット商品を生み出したケースもあるのです。
海外・世界に目を向ける
海外や世界に目を向け、日本にまだ普及していないビジネスモデルを探してみてもいいでしょう。
昨今はITの進歩によって海外との差異が少なくなっていますが、それでも国内に導入されていないビジネスモデルや技術はまだたくさんあります。
国内の起業家に先駆けて新しいビジネスを展開できれば、大きな利益が期待できます。
反対に、国内で流行っていて海外に輸出されていない商品もあるでしょう。
国内と海外の市場を見比べてみると、海外でもヒットする可能性が高い商品を発見できるかもしれません。
先輩起業家やビジネスパートナーに相談する
1人ではなかなかアイデアが広がらない場合、人の手を借りてみるのもおすすめです。
先輩起業家やビジネスパートナーにアイデアの創出方法や失敗談を聞いたり、自分のアイデアに対してフィードバックをもらったりすると、大きなヒントを得られます。
周りに頼れる事業仲間がいない場合は、異業種交流会などの起業家向けイベントやSNS上のサークルなどに参加するといいでしょう。
起業初期から支え合える仲間がいると、モチベーション維持にもつながります。
起業家・新規事業をサポートするコミュニティを頼る
周囲に頼れるビジネス仲間がいない場合は、起業家や新規事業者をサポートする公的な施設を頼る方法もあります。
例えば、地域の商工会議所や中小企業支援センターでは、企業仲間との交流会や専門家への相談会、起業に関するさまざまなセミナーなどを開催しています。
無料で利用できるサービスがほとんどですので、アイデアに困ったときに利用してみるといいでしょう。
社会課題・ニーズを調査する
事業や商品単位でリサーチしてもアイデアが浮かばなければ、メディアで取り上げられるような社会課題や周囲の人の困り事をテーマにしてみましょう。
例えば、食品ロスを解消をテーマにしたサービスでは、廃棄予定の商品を生産者から譲り受け、消費者とつなぐことでロスされる食品の有効活用に成功しています。
気になる社会課題があれば、どのようなニーズがあるのか徹底的にリサーチしてみると、ビジネスアイデアにつながるかもしれません。
自分の得意分野・好きなことを追求する
自分の得意分野や好きなことを徹底的に突き詰めてみるのも、起業につながる可能性があります。
例えば、イラストやライティングなど得意なことをとにかく極める、税務や法令知識など周りが持っていない知識を突き詰めて専門家を目指すなどです。
一方で、趣味に走りすぎるとビジネスとして成立しなくなる場合もあるため、注意が必要です。
ある程度の知識やスキルを追求できたら、本当にビジネスとして成り立つのか検証しながら進めるといいでしょう。
複数のビジネスアイデアを生み出すコツ
アイデアをたくさん見つけることも大切ですが、実際のビジネスでは短時間でスピーディにアイデアを出すことも求められます。
ここでは、スムーズにアイデアを生み出すポイントを紹介します。
お客様に聞いてみる
色んな手法を試したけどなかなかアイデアを思いつかない、何がアイデアになるのかわからないなど行き詰まってしまったら、シンプルに目の前の顧客に困り事や要望を聞くという方法も有効です。
サービスを利用していて不便に感じることはないか、サービス以外にも困っていることや「こんなサービスがほしい」といった要望はないかなど聞いてみると、ユーザーの生のニーズを把握できます。
実際に困っている人がいるということは、市場開拓につなげやすいということですので、ビジネスとしても展開しやすいかもしれません。
アイデアを掛け合わせる・捨てる・限定する
「いくつかアイデアを書き出したけど、目新しいものがない」と感じた時には、アイデアを掛け合わせられないか考えてみましょう。
例えば、既存のアイデアと他の業種を組み合わせてみる、ターゲットを変えてみる、販売手法を変えるなど、無数の組み合わせが考えられます。
反対に、ターゲットや機能を制限してみる方法もあります。
ひとり焼き肉やペット専用ホテル、機能を限定した高齢者向けスマートフォンなどが代表例です。
考えたアイデアから何かを削ったり、1つの領域に特化してみたりすると、新たな価値発見につながります。
SNSを活用する
X(Twitter)やInstagramなどのSNSには消費者の生の声が投稿されており、貴重な情報源です。
トレンドのキーワードがランキング化されており、今世間で何が話題になっているのか、若者の間でどのようなことが流行しているのか、時間単位で把握できます。
SNS上で人との繋がりがあれば、自分のアイデアを投稿して、人々の反応を見てみるのもいいでしょう。
消費者のリアルな反応が得られ、事業において重要なヒントになるかもしれません。
ビジネスアイデア一覧!
ビジネスアイデアの事例を一覧化し、ご紹介します。起業や新規事業の創設のヒントとしてご活用ください。
・軒先ビジネス
空き地やマンションの空き部屋を借りて飲食店などを営む。スイーツや野菜の販売など、商材によって多様なビジネスが展開できる。
・レンタル○○
レンタル彼氏/彼女、レンタル友達など、人を貸し出すレンタル業。店舗や機材が必要なく、1人でも起業可能。
・高齢者向け代行サービス
家事や墓参り、雪かきなど、高齢者が不便に感じていることを代行する。少子高齢化が進む日本では、安定して依頼が期待できる。
・ペットの老後施設
専門家が常駐し、年老いたペットの介護を担う施設。高齢者が増え、ペットを飼いきれなくなる家庭が増えるものと予想され、一定の需要が期待できる。
・履歴書作成代行
履歴書や職歴書、ポートフォリオの作成を代行する。
・オンライン販売
自作の雑貨や陶器、これまで収集したコレクショングッズなど、ニッチな商材をネット販売すると顧客を得やすい。
・無人販売機の設置
冷凍食品やコーヒー豆、和菓子など、他では見ない商品を販売すると差別化を図りやすい。
・出張洗車代行
忙しくて洗車の時間がない人の自宅まで出張し、洗車を代行するサービス。
・オンラインセミナー
オンライン上でセミナーを実施する方法。トレーニングやヨガ、投資や節税に関する講義など、多様なテーマに応用できる。
・ベビーシッターのマッチングサービス
シッターを探している共働き世帯と、信頼できるシッターをマッチングするプラットフォームの提供。
幅広い手法でビジネスアイデアを出してみよう
日常生活の中にも、ビジネスアイデアにつながるさまざまなヒントが隠されています。
自分の経験や周囲の人の困り事、社会的な課題などを深掘りしてみると、新しいアイデアが湧いてくるかもしれません。
また、目新しいアイデアでなくても、既存のアイデアを組み合わせたり、反対にターゲットや機能を限定したりして事業につながるケースもあります。
まずは自分の書き出したアイデアを整理し、別のアイデアにつながらないか模索してみるといいでしょう。
アイデアがあってもどのように事業化すればいいのかわからない場合には、外部のコンサルティングを頼るのも一手です。
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執筆者情報
佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役
1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。
経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。
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