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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2020/11/04 21:21

経営

人材育成

会社主導 キャリアデザインについて【働き方/社員教育】

読了まで約2分

自分らしい働き方とは何か、企業の中でどのようなキャリアを歩むか、を考えることを「キャリアデザイン」と呼びます。
若手のキャリアプランをサポートし、従業員とエンゲージメントを築くには、会社主導のキャリアデザインが欠かせません。

本記事では、企業がキャリアデザインを支援する方法やメリットを解説します。

キャリアデザインとは自らのキャリアを主体的に設計する試み

キャリアデザインとは、自分にとって理想の働き方について考え、主体的に自分の将来を設計する試みです。
理想のキャリアを実現するための行動計画のことを「キャリアプラン」、目標とする仕事・職業・働き方にたどり着くまでの具体的な道筋のことを「キャリアパス」と呼びます。

キャリアデザインが明確な社員は主体性が高く、目標達成に向けて高いモチベーションを持ち、企業と良好な信頼関係を築けることがわかっています。
終身雇用制度をはじめとした「日本型雇用システム」の崩壊により、従業員が自らキャリアデザインを描く必要性が増しています。

大企業においても、昔ながらの年功序列や新卒一括採用を見直すケースが増加する一方で、特定の技能や職能を持つ人材を優遇する動きが出てきました。
なかには、「新卒でも年収1,000万円以上」をスローガンに掲げる企業も存在します。

労働者にとっても、市場での競争力を高めたい企業にとっても、「具体的なキャリア形成を行っているかどうか」
「キャリアデザインを通じてどのようなスキルを身につけたか」が高い付加価値を獲得しつつあります。

 

キャリアデザインを支援する3つのメリット

それでは、企業が従業員のキャリアデザインを支援する利点は何でしょうか。3つのメリットを紹介します。

1. 若手のキャリアアップにつながる

会社主導でキャリアデザインを支援すれば、若手のキャリアアップを促せます。とくに初期キャリアにおいて、
キャリアパスのイメージがうまくつかめず、早期退職に至る若手社員が少なくありません。

「平成生まれの退職理由ランキング」によると、
新卒採用された社員の25.5%が、「キャリア成長が望めない」ため3年以内に退職しています。[注1]

企業主導でキャリアアップを支援すると、若手を教育・コーチングし、企業にとって理想的な人材に育てられるだけでなく、
将来有望な若手人材のリテンションにもつながります。

[注1] openwork:平成生まれの退職理由って?

 

2. 従業員とエンゲージメントを構築できる

従業員のキャリアプランを支援すれば、1人ひとりと信頼関係を結び、エンプロイー・エンゲージメントを構築できます。
自分のキャリアに自覚的な社員が増えれば、自社ではなく他社でのキャリアアップを選択するケースが増えるのではないか、という考え方もありますが、
近年は「出戻り社員」も珍しくありません。

従業員のキャリア形成を支援し、エンゲージメントを構築すれば、長期的に見ると優れた人材の引き止めにつながるでしょう。

3. 主体的に考えて動く従業員を育成できる

キャリアデザイン研修を実施し、従業員1人ひとりに自分のキャリアについて考えてもらうことで、「主体的に考えて動く」人材を育成できます。
キャリアデザインを支援するといっても、本人のキャリアは最終的に本人で決めなければなりません。
自身のキャリアについて自己分析する機会を提供すれば、自分の強みや専門性、社内での立ち位置やあるべき姿について自分の頭で考え抜くスタンスが生まれます。
市場の変化が激しく、不透明性が増すなかで企業競争力を維持するには、主体的に判断・行動できる人材が欠かせません。

 

会社主導でキャリアデザインを支援する2つの方法

会社主導でキャリアデザインをサポートする方法は、大きく2つに分けられます。

1. コーチングやキャリアカウンセリングを実施する

コーチングやキャリアカウンセリングの実施には、上司や先輩社員が担当する場合と、外部の講師が担当する場合の2つのケースがあります。

上司や先輩社員をメンター(助言者)にする場合、キャリアカウンセリングを通じて本人のキャリア形成が加速するだけでなく、
上司や先輩社員が社員の個性を把握するきっかけにもなります。

外部の講師を招いてメンターを依頼する方法では、最新のコーチング論に基づき、社員1人ひとりの潜在能力の発見が可能です。

2. フレキシブルな人事制度を導入する

フレキシブルな人事制度を導入するのも効果的です。
代表的な例として、社内FA(フリーエージェント)制度と自己申告制度の2つがあります。
社内FA制度とは、社員自身が希望部署に自らを売り込み、主体的に異動・転籍できる制度です。
自己申告制度は年に1~3回、企業が自己申告書を配布し、異動・転籍や将来のキャリアの希望を申告させる制度です。

どちらも従業員の主体的なキャリア形成が可能で、キャリアデザインの支援を目的に導入する企業が増えています。

 

会社主導でキャリアデザインを支援し企業競争力を高めよう

会社主導でキャリアデザインを支援することで、従業員とのエンゲージメントを高め、若手人材のリテンションにつながります。
キャリアデザイン研修の実施企業はまだまだ多くありません。

コーチングやキャリアカウンセリングの実施や、社内FA制度、自己申告制度をはじめとしたフレキシブルな人事制度の採用により、
主体的に考えて動く従業員を育てましょう。

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