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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/06/22 15:05

経営

CMOの役職とは?求められるスキルや役割・日本企業で定着しにくい理由を解説

読了まで約4分

「CMOとは何かを知りたい」と考えている経営者や会社代表者は多いのではないでしょうか。
CMOというポジションを置くことにより、マーケティング活動がスムーズに回る可能性があります。

本記事では、CMOの概念や求められるスキル、役割、業務内容などを紹介します。
日本企業でCMOが定着しづらい理由についても解説するので参考にしてください。

CMO(最高マーケティング責任者)の役職とは

CMOとは、マーケティングにおける最高責任者を指します。
英語で「Chief Marketing Officer(チーフ・マーケティング・オフィサー)」の意味があり、直訳すると「最高マーケティング責任者」です。

主にマーケティング活動と企業経営を結び付けるポジションを担うのがCMOです。
部長職よりも上位の経営層として設置されるのが一般的であり、マーケティング活動の責任者として会社全体の戦略策定にも携わります。

 

CMOに求められるスキル

CMOに求められる主なスキルとして、リソースの活用、意思決定、組織作り、関係性の構築の4つを紹介します。

時間や人的・物的リソースを最大限に活用できる能力

CMOは経営戦略をマーケティングに落とし込む必要があるため、リソース(経営資源)を最大限活用する能力が求められます。
主なリソースには人的(正社員、派遣社員、アルバイトなど)と物的(備品、機械、車両、建物、土地など)があります。
情報・知識、ブランドも経営資源に含まれるでしょう。

現場で働く従業員の方向性を統一するためにも、CMOはリソースを理解したうえでマーケティングに反映することが大切です。

データを駆使して意思決定できる能力

デジタルマーケティングの発展と共にCRMやBIのようなツールの重要性が高くなっています。
CRMは顧客関係管理ツール、BIは大量のデータから必要な情報を取り出し、意思決定をサポートするツールです。
そのためCMOには、これらのツールを理解し、自社のマーケティングに必要なデータを抽出・分析したうえで、意思決定できる能力が求められます。

高いチーム力を持つ組織を作る力

強固なチーム力を持つ組織を作ることによりマーケティング活動がスムーズになります。
逆にチームワークが築かれていなければ、方向性がばらばらで意思統一されていないため、マーケティング活動が難しくなるでしょう。
そのためCMOには、社員1人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮するための組織構築力(リーダーシップ力)が求められます。

顧客やステークホルダーと良好な関係を築く能力

SNSが普及した現代において、消費者行動モデルは「共感→確認→参加→共有・拡散」のSIPSモデルへと変化しています。
特に顧客が商品・サービスを購入した後、「共有・拡散」してもらうには良好な関係性の構築が大切です。
CMOには顧客の気持ちを理解する能力が求められます。

企業はパートナー会社、PR会社、株主、金融機関などのステークホルダー(利害関係者)とも関わっています。
CMOはマーケティング活動を代表する存在と認識されているため、そのようなステークホルダーとのコミュニケーションも重要です。

 

CMOの役職が生まれた背景

インターネットの普及により、消費者行動モデルは「認知→興味→検索→購入→共有」というAISASモデルが一般化しました。
しかし顧客の購買行動や生活様式の変化に伴って、前述したSIPSモデルへの変化が進んでいます。

このような時代では、物づくりだけではなく、共感されるブランドイメージが大切です。
その一環として、ファーストコンタクトからアフターフォローに至る購買体験を提供する企業が増えています。

購買体験を実施するには企業のあらゆる部署が一体となり、顧客目線のマーケティング戦略を実行しなければなりません。
そのような背景から部署の垣根を超えたマーケティングに対する責任者として、CMOという役職が生まれたと考えられています。

 

CEO・COO・CFO・CMOとの違い

CMOと混同しやすい役職にCEO、COO、CFOがあります。
それぞれどのように違うのかについて解説していきます。

CEO(最高経営責任者)

CEO(Chief Executive Officer)には「最高経営責任者」という意味があります。
日本の場合、社長や会長がCEOを兼任するケースが多く、最終的な経営判断を行う役割があります。
実質的な企業のトップですが会社法上の権限はありません。

CEOが企業全体を統括して経営判断を行う一方、CMOはマーケティング部門のみを統括したうえで企業経営に結び付けるという違いがあります。

COO(最高執行責任者)

COO(Chief Operating Officer)には「最高執行責任者」という意味があります。
CEOが意思決定した経営戦略を理解して実行する役割です。
役職としてはCEOに次いで2番目のポジションとなります。

COOが経営戦略のためにマーケティング、製品開発、人材採用など業務全体をまとめる一方、CMOはマーケティング業務をまとめるという違いがあります。

CFO(最高財務責任者)

CFO(Chief Financial Officer)には「最高財務責任者」という意味があります。
CEOが意思決定した経営戦略に沿って、資金調達、運用、予算管理といった財務業務を実行する役割です。
COOと同じく、CEOに次いで2番目のポジションになります。

CFOとCMOには経営戦略を踏まえた戦略策定という部分に共通性がありますが、CFOは財務戦略、CMOはマーケティング戦略という違いがあります。

 

CMOの役割と業務内容

CMOの主な役割と業務内容は以下の4つです。

  • マーケティング戦略を立案する
  • マーケティング戦略を主導する
  • 自社のマーケティングの強みを策定し実行する
  • 社内外のステークホルダーとの関係を築く

それぞれ詳しく解説します。

マーケティング戦略を立案する

CMOはマーケティングの最高責任者という側面と共に、経営層の一員としての役割を併せ持っています。
そのため経営戦略をマーケティングに落とし込んだ後、人的リソースと物的リソースを活用して最適化する必要があります。

基本的に現場で働く社員は日常業務に追われていて余裕がありません。
社員が同じ方向を目指して業務を進められるように、CMOは経営戦略を理解したうえで、俯瞰的なマーケティング戦略を立案する必要があります。

マーケティング戦略を主導する

CMOはマーケティング部門だけでなく、部門間の垣根を越えた一貫性のあるマーケティング戦略を行う必要があります。
企業のブランド力を向上させながら、顧客に提供する商品・サービスの価値を最大化するためです。

たとえば、「営業部門が顧客から聞いた商品への要望をもとに、開発部門が新商品を開発し、マーケティング部門が積極的にプロモーションを行う」などの連携を指します。

自社のマーケティングの強みを策定し実行する

CMOには、マーケティングの解決策や技術の進歩、新たな解決策に関する動向を素早く正確にチェックしながら自社に導入し、マーケティング面の強みを策定、実行していく役割があります。

特にデジタルマーケティングの領域では、使用するツールのみでの差別化は難しい状況です。
人気が高いツールに関しては、すでに競合他社も導入していることが多いと考えられるためです。
そのため、自社の問題を明確にしたうえで新しいツールを積極的に試し、実際に効果を得られたものを選んで差別化を図ることが重要になります。

また、CMOは技術開発だけでなく、人材開発や育成における役割もあります。

社内外のステークホルダーとの関係を築く

CMOの役割の一つとして社内外のステークホルダー(利害関係者)との良好な関係性の構築が挙げられます。
経営戦略を踏まえたマーケティング活動は社内の一部門だけでは完結しないからです。

物的・人的リソースと資金の調達をマーケティングに活用するには、社内の各部門の協力以外にも社外のステークホルダーとも円滑な関係を築かなければなりません。

 

日本企業でCMOが定着しにくい理由とは

欧米諸国におけるCMOは、企業の役職として定着している傾向があります。
一方で日本の場合、CMOを設けている企業はまだまだ少ない状況です。定着しにくい理由を解説します。

ジョブローテーション制度を採用する企業が多い

ジョブローテーション制度とは、社員の能力向上を目的に戦略的な部署・職務異動を行うことです。

多くの日本企業ではジョブローテーション制度を採用していますが、ジョブ(仕事)をローテーション(循環)するため、マーケティングの専門的な知識や技術を持った人材を輩出しづらいといわれています。
特定分野の専門性が身に付く前に再び配置転換を命じられるからです。

企業にCMOを定着させるためには、職務内容を明確化して採用する「ジョブ型人事制度」の導入がポイントになるでしょう。

経営視点を持ったマーケターが育ちにくい

CMOはマーケティング戦略の策定が不可欠です。
しかし日本企業におけるマーケターの主な業務は、広告出稿先の選定、運用、効果測定など、プロジェクト単位が主流となっています。
そのため、経営者視点を意識したマーケターが育ちづらい環境になっていると考えられています。

 

CMOは今後の日本企業に求められる役職

CMOはマーケティング活動と企業経営を結び付けるポジションを担います。

CMOに求められる主なスキルはリソースの活用、意思決定、組織作り、関係性の構築です。
主な役割にはマーケティング戦略の立案、主導、強みの策定と実行、ステークホルダーとの関係性の構築があります。

日本ではまだまだCMOが少ないといわれており、その原因に「マーケターが育ちにくい土壌」があります。
マーケターを育成するには、自社の全社員に経営者視点を意識させることが重要です。
ただし経営者視点は何もせず自然に身につくものではありません。

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