更新日:2023/12/14 14:28
経営
営業計画の立て方とは?目標達成やマネジメントの秘訣
読了まで約1分
営業活動で確実な成果を出すために、営業計画の作成は欠かせません。
毎月、決まった営業計画を作成しているものの、なかなか計画通りにいかない、作成した計画が正しいのか自信がないとお困りの方は多いのではないでしょうか。
本記事では改めて営業計画の概要をまとめ、適切な営業計画の立て方を解説します。
営業計画を立てたものの、思ったように成果が上がらず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
営業計画とは
営業計画とは、営業活動における売り上げ、粗利、取引社数、継続率といった数値目標をまとめたものを指します。
営業計画で定める項目は、扱う商材・サービスなど企業の営業方針によって異なりますが、立案した数値目標の実現に向け、具体的なアプローチ方法を明確にすることが営業計画作成の目的です。
営業計画を作成し、日々の営業活動の指標を明確に可視化・共有することで、今やるべきことがクリアになり、効率的に営業活動を進めることができます。
営業計画の項目と記載例
営業項目に記載する項目は企業によっても異なりますが、高い成果を上げるには次にあげる9項目は必須です。
ここでは各項目の概要と重要性、具体的な記載例をご紹介します。
1.ミッション
はじめに、営業活動においてもっとも重視すべきことを明確にするため、ミッションを定めます。
ミッションは営業パーソンの行動指針となり、目標に対する意識付けのために重要な項目です。
2.チーム体制
チーム体制とは、営業目標を実現させるために、誰がどの役割を担うのかを整理したものです。
各メンバーの役割を明記することで、より具体性のある営業計画を作ることができ、業務量と人員のバランスも可視化することができます。
例)営業チーム10名・チーム体制
役職:メンバー役割
営業部長:全体の総括、大手案件のクロージング同行
Aさん、Bさん:新規リード獲得、新規顧客担当
Cさん、Dさん、Eさん:既存顧客担当
Fさん:営業アシスタント
また、チーム体制を記載しておくと、トラブル発生など有事対応もスムーズになります。
チーム体制は、組織図をそのまま記載しても問題ありません。
3.ターゲット
営業計画にはターゲットの記載も欠かせません。
ターゲットを決める際は、企業規模・事業領域・ポジショニング・年齢・性別・単価・契約期間など、詳細を細かく決めるようにします。
ターゲットが明確でないと、営業活動が非効率的となり成果に直結しません。
また、取るべき営業手法・施策も曖昧になってしまうため、具体的なターゲットを定めることが重要です。
4.必要なツール・システム
営業活動を効率化し売上を向上させるにはツールやシステムの活用も欠かせません。
具体的にはパソコンやスマートフォンのほか、SFA(Sales Force Automation:営業支援ツール)、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理システム)などが挙げられます。
営業活動に必要なツール・システムを記載する理由は、業務プロセスを明確にし、ツールやシステムがどの業務にどのような効果を発揮するかを把握できるからです。
営業計画へは、自社の業務に必要なツール・システムを可視化させたうえで、それぞれをどの業務に使うのかを記載します。
5.ポジショニング
ポジショニングとは、自社が属する業界における自社の立ち位置を指すものです。
自社商品やサービスの質、価格、独自性、市場動向のほか、競合優位性などを総合的に判断します。
ポジショニングを記載する理由は、ターゲットに対し自社商品・サービスの何をアピールするべきかを明確にするためです。
競合に対する強みや弱み、市場環境を適切に把握すれば、具体的な営業施策も立てやすくなります。
Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」について分析する3C分析。
強み、弱み、機会、脅威の4つを組み合わせて分析するSWOT分析などを実施し、その結果を記載します。
6.マーケティング戦略
営業計画の数値目標を実現させるには、営業パーソンだけではなく、他部署の協力も欠かせません。
中でも重要となるのが、マーケティング部門によるマーケティング戦略です。営業計画に記載することで営業戦略にも生かせるようにします。
マーケティング戦略を記載する理由は、営業活動の数値目標実現にマーケティング戦略が欠かせないためです。
営業計画に記載するには、新商品キャンペーンや無料アップグレードサービスの内容、値上げ・値下げなどサービスごとの戦略を記載します。
7.予算
営業計画における予算とは、人件費、販促費、交際費、IT設備導入・維持管理費、社員研修・教育費などを指します。
常に予算を意識した営業活動を実現させるため、必ず営業計画に落とし込みましょう。
予算に対して、売上の達成率や経費を具体的に把握し、予実管理を徹底します。
8.営業目標(KGI・KPI)
営業目標とは、営業計画の最終的な目標を定量的に評価するための指標であるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)。
そしてKGIを達成させるために必要となる各プロセスごとの目標を数値化したKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)です。
KGIとKPIを明確にすることで、現時点での達成度が把握できるようになるため、営業計画には必ず記載し、定期的に進捗の確認を行います。
設定方法としては、商談数〇件、商談成約率〇%、継続契約率〇%など具体的なKPIを設定し、営業計画に記載します。
9.アクションプラン(行動計画)
アクションプラン(行動計画)とは、営業目標を達成させるために必要となる営業社員の具体的な行動計画を定めたものです。
KGI、KPIを設定しても、それを実現させるために具体的に何をすべきか、どのような行動を取らなくてはならないかを決めないと計画が前に進みません。
そうした意味でもアクションプランは営業計画の根幹を成すものといえるでしょう。
例えば、1か月で商談数10件といったKPIを立てている場合、1か月で60件のアポイントを取る、そのためには1週間で15件のアポイントを取るといった形で設定します。
営業計画が立てられない!適切な計画を作るコツとは
ここまで具体的に営業計画を立てるための手順とポイントを紹介してきました。
正しい手順で計画を立てても成果が出ずにお困りの方は、次の3点を確認してみてください。
目標数値を見直す
まずは、自社の営業計画の目標数値が適切かどうか見直しましょう。
目標数値が高すぎて社員のモチベーションが下がる可能性もあれば、極端に目標が低く、手持ち無沙汰を感じる社員もいるかもしれません。
目標数値以外にも、行動KPIが非現実的な数値になっていたり、クロージングまでの日数が短すぎて無理な営業活動をしていたりするなど、様々な要因が考えられます。
営業計画を一度立てて終わりにせず、実態と照らし合わせながら、適切な目標数値にチューニングしていくとよいでしょう。
スケジュール・営業日から逆算する
目標数値の見直しを行い、適切に設定できてもうまくいかない場合は、スケジュールに無理がないか確認をしましょう。
例えば、営業計画を4週間ぴったりで目標達成するスケジュールを組むのではなく、あえて3週間で達成をして、残り1週間は調整期間と設定する方法もあります。
営業活動は、相手ありきの仕事であり、トラブルはつきものです。
万が一のトラブルに備えて、余裕をもったスケジュールにしておくと、日々の営業活動がスムーズになるかもしれません。
顧客への初回提案から受注までのサイクルを計算し、営業日から逆算して、余裕をもった計画になるよう見直してみてください。
計画表を定期的に振返る
営業計画は一度作成したら終わりではなく、定期的に効果検証を行う必要があります。
企業や計画内容にもよりますが、必ず定期的に振り返り、計画通りに実行できているか見直しをしましょう。
営業計画が上手くいかない理由には、「せっかく立てた行動計画・目標どおりに実行していない」「目標数値と実態に乖離が生まれているにも関わらず、実態に即した現実的な数値に見直しできていない」などが挙げられます。
上記を改善するためには、営業日ごと、または週に一度など決まったサイクルで振返りを実施し、予定通り行動できているか確認を行うことが重要です。
なお、振返りをスムーズに行うためにも、営業管理システムを活用して行動を可視化することをおすすめします。
エクセルやスプレッドシートでは入力漏れが発生し、営業活動の実態把握が困難になるためです。
営業計画を活用して営業戦略を具現化しよう
営業計画とは、営業活動での売り上げや粗利、取引社数、継続率といった数値目標をまとめたものです。
適切な営業計画を立てるためには、営業計画の必須項目を抜け漏れなく作成し、実態にあわせて適切な数値設定を行うことが重要です。
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