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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/01/09 13:48

経営

ファミリービジネスとは?メリット・デメリットや成功させるポイントなど詳しく解説

読了まで約3分

家業を継いでファミリービジネスを行う場合、経営者として多くの決断が求められるため困難な面があるものの、多くのメリットもあります。
特に日本のファミリービジネスは世界から注目を集めているビジネスモデルです。

そこで本記事では、ファミリービジネスの概要を説明した後、ファミリービジネスのメリット、デメリット、成功させる4つのポイントについて解説していきます。

ファミリービジネス(家族経営・同族経営)とは

ファミリービジネスは3つのサブシステムによって構成されています。
経営(ビジネス)・所有(オーナーシップ)・家族(ファミリー)です。

本章では、ファミリービジネスの意味・特徴と、日本企業のファミリービジネスが抱える問題・課題点について解説します。

ファミリービジネスの意味・特徴

ファミリービジネスには、特定の一族が経営を行うという意味があり、他の呼び方として「ファミリー企業」「家族経営」「オーナー系企業」「同族会社」「同族経営」などがあります。
法律上の定義は、「持ち株比率の合計が上位3株主のグループによって50%を超えている会社」です。

日本のファミリービジネスは、創業100年以上の老舗企業の割合が世界的にトップクラスということから世界中の関心を集めています。

日本企業のファミリービジネスが抱える問題・課題点

日本企業のファミリービジネスの課題点として、家族面と経営面の問題が挙げられます。

家族面の問題・課題点は、後継者不足、問題の隠蔽や利益相反のような不透明な経営、家族関係の悪化、家族の資産運用の難しさなどです。
経営面の問題・課題点としては、新規事業開拓(新規顧客開拓)不足、売り上げと利益の減少、経営上の問題を把握する難しさ、不十分な社員育成などが挙げられます。

また、ファミリービジネスはコーポレートガバナンスが脆弱な傾向があります。
コーポレートガバナンスとは、企業の透明性と健全さを確保する仕組みのことです。
コーポレートガバナンスは、不祥事や不正防止のために重要な役割を果たします。

不祥事を防ぐ対策として考えられるのは、社外取締役や監査役の設置です。
その理由は第三者が適切に経営を監視することにより事前に不祥事を防ぎやすくなるからです。

 

ファミリービジネスのメリット

ファミリービジネスの主なメリットは以下の5つです。

  • 経営改革を行いやすい
  • 長期的な経営計画や戦略を立てやすい
  • 経営に関する迅速な意思決定が可能
  • 早期から経営者としての育成を行える
  • 経営に対する意識が高い

それぞれ詳しく解説します。

経営改革を行いやすい

ファミリービジネスは経営改革をしやすいというメリットがあります。
事業活動を行う経営陣と自社の株式を所有する株主が同じなので、外部の株主の存在を考慮する必要がないからです。
したがって、現場の声を反映した大胆な経営改革が実現できます。

また、経営陣と株主が一致していることで事業の成果が直接経営陣の資産に結びつきます。
経営陣は自身の資産を守りたいという理由から、真剣に経営改革に取り組む可能性が高いからです。

長期的な経営計画や戦略を立てやすい

ファミリービジネスは経営者の任期が長く、ビジョンの一貫性を保ちやすいため、長期的な視点で経営計画・戦略を立てやすいビジネス形態といえます。
取引先との付き合いが長く、信頼関係も深いため、安定した取引を続けやすいでしょう。

身内を意識した経営スタイルが前提としてあるため、目先の売り上げに惑わされることなく、将来を見据えた長いスパンで経営計画を立案できます。

経営に関する迅速な意思決定が可能

ファミリービジネスは経営に関する意思決定を迅速に行えます。
身内によるスピーディかつ率直な意見交換により、経営課題や方向性などを決められるからです。

また、基本的にファミリービジネスは家族・親族間で経営陣が交代するため、人事に関しても時間を取られないというメリットがあります。

早期から経営者としての育成を行える

経営者に跡継ぎがいるケースでは、幼少期から将来の経営者としての育成・教育が可能です。
その結果、強固で結束力のある組織が形成され、企業の持続的な成功を見込めます。

また、ファミリービジネスはアットホームな社風が多く、身内以外の社員も大切に扱う傾向があります。
働きやすい環境が整っていることも多いため、社員のモチベーションの向上につながり積極的に業務に取り組むことが期待できます。

経営に対する意識が高い

ファミリービジネスは社員だけでなく、経営者のモチベーションも高い傾向があります。
代々受け継がれてきた自社を守り、発展させ、次世代に残したいという思いがあるからです。

また、経営陣以外の社員も身内が多いため、団結して事業や経営に取り組むことにより、全社的なモチベーションの向上が見込めます。

 

ファミリービジネスのデメリット

ファミリービジネスにはメリットがある一方、以下のようなデメリットも挙げられます。

  • ワンマン経営に陥りやすい
  • 保守的で閉鎖的な経営になりやすい
  • 後継者や相続問題が発生しやすい

それぞれ解説するので参考にしてください。

ワンマン経営に陥りやすい

ファミリービジネスはワンマン経営に陥る可能性があります。
ワンマン経営とは、強い権力を持つ経営者が独断で意思決定する経営スタイルのことです。

前述したようにファミリービジネスは所有と経営が分離されておらず、第三者の監視も行き届かないため、公私混同が起きやすくなります。
仮に経営者が経費で私物を購入していても経営者の身内以外の一般社員は、遠慮や保身という理由から止められないケースが考えられます。

また、ファミリービジネスには待遇の格差という問題もあります。
優秀な一般社員よりも、経営者の身内である社員を優遇するといった問題です。
その結果、一般社員の定着率が悪化する懸念があります。

保守的で閉鎖的な経営になりやすい

ファミリービジネスは経営陣が頻繁に交代しないことや、外部からの指摘を受けづらいという理由から、閉鎖的な経営になりやすいこともデメリットの一つです。
経営陣の距離が近いからこそ、一度意見が衝突すると大きなトラブルに発展する可能性が考えられます。

また、ファミリービジネスはイノベーションが起きづらいといわれています。
「古い経営理念を維持したい。今までの経営方針のままでいい」と保守的に考える傾向があるからです。

後継者や相続問題が発生しやすい

ファミリービジネスでは後継者問題・相続問題が起きやすい傾向があります。
経営者に跡継ぎがいない場合は、次の経営者候補が見つからない可能性があるでしょう。
跡継ぎの候補が複数いる場合は、誰が継ぐかで争いが起きる、またはトップにふさわしくない人物が継いでしまい、トラブルに発展する可能性が考えられます。

また、スムーズな世代交代が実現しなければ、不安定な経営状況により業績が悪化する懸念があります。
相続問題が長引けば会社の評判が落ちるかもしれません。

 

ファミリービジネスを成功させる4つのポイント

ファミリービジネスを成功させるポイントとして以下の4つがあります。

  1. ガバナンス体制を強める
  2. 新しいことに挑戦する意欲を持つ
  3. 公平な評価ができる仕組みを取り入れる
  4. 経営理念やビジョンに対する共感を社員に深めてもらう

それぞれ詳しく説明します。

1.ガバナンス体制を強める

ガバナンス体制の強化により、経営者は客観的な視点を持って経営できます。
ガバナンス体制とは、健全な企業経営を行うための管理体制のことです。

具体的にガバナンス体制を強化する方法として、社外取締役と監査役の設置があります。
社外取締役とは、社外から招いた取締役のことを指します。
社外取締役を設置すれば客観的な視点により経営面やコンプライアンスに関するアドバイスを得られるでしょう。

役員の業務を監督する監査役もガバナンス体制を強化するには欠かせない役職です。
監査役の設置により、会計や財産に関するチェックが行われるため、健全な企業経営の実現につながります。

他にも、会社の私物化を防ぐために経営者が意識改革を行い、公私の区別を付けることが大切です。
「自社の資金を私物と考えない」「人事評価で経営者の家族や親族である社員と一般社員に差を付けない」といった基本的な姿勢が重要です。

2.新しいことに挑戦する意欲を持つ

ファミリービジネスは、昔ながらの手法や過去の成功に執着する傾向があります。
しかし新たなチャレンジへの意欲がなければ、柔軟な発想は難しいでしょう。そのためには幅広く情報収集し、可能性を模索することが大切です。

具体的な挑戦としてWeb集客が挙げられます。
自社のホームページだけでなく、SNSを活用して情報発信を行ったり、ショート動画やロング動画を投稿して集客したりという方法が有効です。

また、今まで一般社員からのアイデアを軽視していた場合は、社員の意見やアイデアを積極的に取り入れることで新たな視点を得られるかもしれません。

3.公平な評価ができる仕組みを取り入れる

ファミリービジネスに起こり得る事態として、経営者が独断と偏見で社員を評価することが挙げられます。
経営者の独断と偏見による評価は社員の反発につながるため、透明性が高い評価システムの導入が大切です。

例えば、MBO(目標管理制度)を導入するという選択肢があります。
MBOとは、社員に組織目標と連動した個人目標を設定してもらい、達成度合いに基づいて評価する仕組みです。
客観性が高い方法のため社員の納得を得やすいでしょう。

4.経営理念やビジョンに対する共感を社員にも深めてもらう

ファミリービジネスは経営理念(ミッション)やビジョンの浸透を図りやすいものの、必ずしも社員から共感を得られるとは限りません。
場合によっては一方的な押しつけと感じ、社員のモチベーションが低下する懸念があります。

社員の共感を得るには、社内報を作成して理念やビジョンを伝えることも一つの方法です。
他にも、経営者が理念やビジョンを語る場を定期的に設けるという方法があります。

 

ファミリービジネスの成功にはコンサルティング活用が有効

日本のファミリービジネスには世界から注目を集めていますが、メリットとデメリットがあります。

主なメリットは経営改革を行いやすい、長期的な経営計画や戦略を立てやすい、経営に関する迅速な意思決定ができることです。

一方のデメリットは、保守的で閉鎖的な経営になりやすい、後継者や相続問題が発生しやすいことなどが挙げられます。
ファミリービジネスのデメリットを解決し、成功に導くにはコンサルティングの活用がおすすめです。

株式会社武蔵野では、社員教育や業績アップ、組織力向上などさまざまなコンサルティングサービスを行なっています。
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また、ガバナンス体制の強化や新しいことへのチャレンジ、公平な評価制度の導入、経営理念やビジョンを社員に共感してもらうことも重要です。
経営者の理念やビジョンを社員に浸透させるには、武蔵野の「経営計画書」の導入をおすすめします。

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執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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