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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/12/14 14:33

経営

業務効率

アイデアソンのやり方とは?新規事業を推進するイベント

読了まで約1分

アイデアとマラソンを掛け合わせた造語であるアイデアソンは、1990年頃にアメリカで新たなアイデアの創出を目的としたイベントとして生まれました。
1つのテーマに対し、グループごとに制限時間を決めてアイデアを出し合って成果を競い合うものですが、近年では新たな事業創出の手段としても活用されています。

本記事では、アイデアソンの概要や目的、ハッカソンとの違い、具体的な実施方法をお伝えします。アイデアソンを取り入れ、既存事業の拡大や新規事業を創出したいと考える事業担当者や経営者の方はぜひ参考にしてください。

アイデアソンとは

アイデアソンとは、特定のテーマに興味を持つ人が集まり、事業開発や事業の課題解決につながるアイデアを、制限時間の中で出し合って競うワークショップ形式のイベントです。
誰でも参加できるオープンな状態で行われるのが一般的ですが、企業内だけで行うクローズドなものもあり、用途に応じてさまざまな形式で実施されています。

アイデアソンの起源

アイデアソンは1990年頃にIT系ベンチャー企業を中心に始まったもので、後述するハッカソンの準備として行われるものでした。
その後、2000年代に入ってからはIT系以外の業種にも拡大し、ハッカソンよりも参加の敷居が低いこともあり、アイデアソンだけで独立して開催されるのが一般的となりました。

ハッカソンとは?アイデアソンとの違い

ハッカソンとはハックとマラソンの造語です。
ハックとはコンピューターのプログラムを書く、取り組むといった意味を持つ言葉で、エンジニアがグループをつくり、制限時間内にプログラム開発を行うイベントを指します。

「グループをつくる」「制限時間がある」「成果を競う」という点ではアイデアソンと同じであり、オープンな形式で行われる場合と、クローズドで実施される場合があるのも同様です。
異なるのは、ハッカソンはIT系ベンチャー発祥のイベントであり、参加できるのは技術者だけという敷居の高いイベントという点でしょう。

そもそもアイデアソンはハッカソンの事前準備として生まれたものです。
ただその後、プログラム開発だけではなく、業種を問わず技術者以外の誰もが参加できるようになったため、アイデアソンが大きく注目を集めるようになっています。

 

アイデアソンの目的

アイデアソンの主目的は、新たなアイデアを出し合って、既存事業拡大や新規事業創出といったイノベーションを生み出すことです。
また、業務効率化や生産性向上を実現させるための課題解決につながるアイデアの創出も重要な目的といえます。

ほかにもオープンなものであれば多様な業種との交流、クローズドのものであれば、部署間の交流によるコミュニケーション活性化も目的といえるでしょう。
さらに社員向け研修における思考訓練の一つとしても高い効果を発揮します。

イノベーションについて詳しくは、「イノベーションとは?定義や使い方・必要性をわかりやすく解説」をご覧ください。

 

アイデアソンを実施するメリット

アイデアソンを実施する主なメリットは、「参加の敷居が低い」「多様なアイデアの創出が期待できる」「ディスカッションの経験を積める」の3点です。
それぞれ詳しく解説します。

誰でも参加できる

ハッカソンの参加者は技術者に限定されますが、アイデアソンは特別な技術や知識がなくても参加可能です。

与えられたテーマに対する興味さえあれば、むしろ異業種、異職種の人を集めたほうが斬新なアイデアを生み出せる可能性が高まります。
参加の敷居が低いことは、アイデアソンの大きなメリットといえるでしょう。

多くのアイデアを創出できる

アイデアソンは参加の敷居が低く、誰でも参加できることから、より多くのアイデア創出が期待できます。
参加者が限定的になると多様な意見を抽出するのが難しくなるでしょう。

多様な知識、経験を持つユニークな参加者を集めることで、枠にとらわれずに議論できるため、今までにない斬新なアイデアが生まれる可能性も高まります。

ディスカッション経験を積める

アイデアソンはオープン、クローズドに関わらず、グループを組んでワークショップ形式で行わるのが一般的です。
そのため、グループの中で異なる考えを持つものと議論し、創出された多様なアイデアをまとめる工程が必須となります。

互いのアイデアを否定せずに調整していくために、ディスカッション能力が求められます。
アイデアソンを繰り返し実施していくことで、ディスカッション能力の向上も期待できるでしょう。

 

アイデアソンの進め方

アイデアソンの具体的な進め方や、参加者の募集方法と役割などについて、順を追って解説します。

1.テーマを決める

アイデアソンを実施する際、最初にテーマを決定します。
多くの参加者を集めるためのポイントはテーマを絞りすぎないことです。
例えば、「営業部署の人手不足を解決する」というテーマでは、営業部署内で実現可能な範囲でしかアイデアを考えられなくなり、参加者の幅も狭まってしまう可能性があります。

そのため、テーマ設定の際には前提条件を狭めすぎず、かつ抽象的すぎないよう注意するとよいでしょう。

2.参加者を募集する

テーマを決めたら次は参加者を募集します。
より多くの参加者を集めることでアイデアソンの成果は上がりやすくなるでしょう。
なお、スムーズな進行を実現するには、運営事務局やファシリテーターなど、役割分担も欠かせません。

参加者の集客方法は、社内のクローズド開催であれば社内SNSやメールでの告知、または朝礼やミーティング時に口頭で伝える方法が一般的です。

運営事務局

運営事務局が担う主な役割は、テーマの設定や参加者の募集、会場の選定や準備、開催当日の雑務などです。

運営事務局に関しては、テーマを設定する前に決めておかなくてはなりません。
募集はアイデアソンの開催を決めた時点で各部署に伝達し、運営側として参加を募ります。また運営に関しては上司が直接、選択してもよいでしょう。

専門家

誰でも参加できる敷居の低さがメリットのアイデアソンですが、設定したテーマによっては、まったく知見のないメンバーを集めると進行が難しい場合があります。
そのため、テーマに合わせて専門的な知識を有したものに参加してもらうのがポイントです。

例えば、社内で「既存商品の売上向上」というテーマでアイデアソンを実施するならば、販売部の社員をグループごとに1名配置したり、外部の販売コンサルタントを招いたりするとよいでしょう。

ファシリテーター

ファシリテーターの役割は、アイデアソンの司会進行に加え、参加者の意見を引き出し、論点を整理しながら複数の意見の合意形成をフォローすることです。
スムーズに進行するようファシリテーションすることはもちろんですが、参加者の間に立ち、対話を促進させる重要なポジションとなります。

メンター(アクセラレータ)

メンター(アクセラレータ)とは、アイデアソンをスムーズに進めるための講師です。
ファシリテーターは司会進行として先頭に立って進める役割であるのに対し、メンターは裏から支える役割となります。

メンターはアイデアソンの経験が豊富な者をアサインするとよいでしょう。
参加者のアイデアが出ない場合に、対話をしながら意見を引き出すようリードしなくてはなりません。
メンターは、参加者をサポートしつつ、全体の流れをファシリテーターと共につかさどる重要なポジションといえます。

審査員

アイデアソンは、アイデアを出すだけではなく、出されたアイデアを精査して実際にビジネスに活かしていく必要があります。
そこで、各グループが出したアイデアを採取的に審査するのが審査員です。

最終的にどのアイデアがもっとも実現性があるのか、自社ビジネスに活かせるかを判断するため、審査員は経営層もしくは外部の専門家が適任といえるでしょう。

3.テーマ説明とアイスブレイク

アイデアソンを開始する際は、テーマ説明に十分な時間を割く必要があります。
専門家に協力してもらいテーマと合わせ、そのテーマについての知識や情報を事前に共有し、参加者全員が同じスタートラインから始められるようにすることが重要です。

テーマの説明を終えたら5~6名を目安にグループ分けを行い、自己紹介や簡単なゲームなどでアイスブレイクを実施します。
緊張した状態では柔軟な発想がしづらいため、リラックスしてアイデアソンを開始できるようにしましょう。

4.ディスカッション(アイデア出し)

アイスブレイクを終えたらディスカッションによりアイデア出しを開始します。
数多くのアイデアを出すためのポイントは、ブレインストーミング形式で出されたアイデアは否定せず、自由なタイミングで発言できるようにすることです。

アイデアの絞り込みやブラッシュアップは次の段階で行うため、まずは実現可能かどうかは考えず、できる限りのアイデアを出していきます。

5.アイデアの絞り込み・ブラッシュアップ

数多く出されたアイデアの中から、もっとも良いと思われるものを絞り込んで選択します。
絞り込みの際は、グループ内での多数決で決めるのが基本ですが、あらかじめ「実現可能性が高い」「オリジナリティがある」など絞り込みの基準を決めておくとよいでしょう。

なお、選択するアイデアは複数になっても構いません。
ただし、あまり多過ぎるとアイデアをブラッシュアップする時間が足りなくなるので注意が必要です。

アイデアを選択したら、より質の高いアイデアになるようブラッシュアップを行い、最終的にプレゼンテーションを行える状態にします。

6.審査とプレゼンテーション

グループごとにアイデアをプレゼンテーション形式で発表し、審査結果を参加者全員で共有しましょう。

もっとも優秀なアイデアは、さらなるブラッシュアップを行いながら既存ビジネスの改善や新規事業創出のヒントにして活用していきます。

 

アイデアソンで新規事業やイノベーションを加速しよう

アイデアソンとは、特定のテーマに対するアイデアを決められた時間内で出しあう、ワークショップ形式のイベントです。
元々は技術者が行っていたハッカソンの事前準備として行われていたものですが、さまざまなビジネスに活用できるとして大きな注目を集めています。

アイデアソンを成功させるポイントは、「テーマを限定し過ぎないこと」「参加者の役割を明確にすること」「ディスカッションをしっかり行うこと」の3点です。
そのため、社内で行う場合でも、内容によっては外部の専門家を上手く活用することが重要なポイントになります。

アイデアソンで生まれたアイデアをビジネスに活かす際、必ずしもスムーズに進むとは限りません。
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に関する問題を感じている場合には、外部のコンサルティングを活用するのも一手です。

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