更新日:2023/03/27 15:50
経営
会社経営に失敗する原因とは?企業経営者が理解しておきたい対策やポイントを解説
読了まで約4分
「会社経営がうまくいかない」とお悩みの方や、失敗する原因や対策を知り、失敗を防ぎたいという経営者の方は多いのではないでしょうか。
会社経営をするうえでは、魅力的な面に注目するだけでなく、失敗する原因や対策を理解し、失敗のパターンに陥らないことが大切です。
本記事では、会社経営に失敗する主な原因や、失敗する人の特徴、失敗しないための対策などを解説するので参考にしてください。
目次
会社経営で失敗する主な原因とは
会社経営で失敗する主な理由に以下があります。
- 資金計画が難しい
- 営業や集客がうまくいかない
- 人材管理や育成に問題がある
- 経営者に問題がある
それぞれ解説していきます。
資金計画が難しい
会社経営を継続するには資金計画が大切です。
資金確保の必要性が生じた際は、最初に銀行からの融資を検討するのではないでしょうか。
しかし法人設立から数年間は実績に欠けるため、銀行からの融資を受けられず、資金がショートする可能性があります。
また、多額の初期費用による融資の返済、および売上が立たないことで資金不足となり、返済が困難になるという事態も十分に考えられます。
営業や集客がうまくいかない
会社設立後に営業や集客がうまくいかず失敗するケースがあります。
事前に取引先の確保を行わなかったことが原因です。
特に企業同士の取引では信頼性が重視されます。
取引実績がない会社との取引に対して、慎重な姿勢を取る会社も珍しくありません。
営業や集客が機能しなければ売上の見通しが立たないため、必然的に倒産の危機を迎えることになります。
人材管理や育成に問題がある
人材管理や育成に問題があると、顧客への十分なサービスにつながらないだけでなく、社員が問題を起こして会社が訴えられるかもしれません。
訴訟問題の解決が長引けば、会社のイメージダウンにより、事業の継続が難しくなるでしょう。
また、問題がある社員を解雇した場合、不当解雇で訴えられるケースもあるため、人材管理や育成には十分力を入れることが大切です。
経営者自ら積極的に社員とコミュニケーションを取り、風通しの良い職場を作る努力も重要といえます。
経営者に問題がある
経営者自身に問題がある場合も事業の継続が難しくなります。
代表的な事例として、不適切な経営や大ざっぱな経理で資金を私物化する放漫経営が挙げられます。
起業当初は問題がなくても、売上の増加と共に放漫経営に走る経営者もいるので、常に気持ちを引き締めなければなりません。
会社経営の成功も失敗も、経営者の能力によって大きく左右されます。
経営者自身が判断を誤れば、連鎖して会社も倒産するという意識を持つことが重要です。
会社経営に失敗する経営者の特徴については、このあと詳しく解説します。
会社経営に失敗する人の特徴
会社経営に失敗する人の主な特徴は以下です。
- 経営や会計に関する知識不足
- 経営計画やビジネスモデルが曖昧
- 謙虚さや感謝の気持ちが足りない
- 他人を信用しすぎる
それぞれ解説していきます。
経営や会計に関する知識不足
会社を設立するには、経営に必要な知識を身につける必要があります。
たとえば、経営に必要な戦略策定、マーケティング、マネジメント、財務会計、税金や社会保険などの知識です。
経営戦略がなければスムーズな事業活動が難しくなりますし、マーケティングの知識がなければ自社の商品・サービスを広げることができません。
従業員のマネジメントができなければ必要な人材を確保できないだけでなく、採用してもチームワークを築けなかったり、早期に退職されたりといったリスクが起こり得ます。
また、財務会計の知識に欠けていれば資金不足に陥る可能性が高くなります。
税金や社会保険について知らなければ、「いつ、どのタイミングで納める必要があるのか」が分からず、やはり資金が底をつく可能性があります。
このように企業経営ではさまざまな問題が発生するため、経営者は必要な知識を習得し、効果的に対処しなければなりません。
経営計画やビジネスモデルが曖昧
経営計画やビジネスモデルが曖昧なまま、市場規模や収益性を一切考えずに事業をスタートするのは危険です。
特に経営者自身の興味関心を軸にビジネスを始めた場合、「自分が好きな商品だから、他の人も好きに違いない」と誤解しやすいので気をつけてください。
また、無計画な起業や事業拡大にも注意が必要です。「いま世間で流行しているから」「簡単に儲かりそうだから」などの理由でビジネスを始めても難しいものです。
流行している商品やサービスは一過性のブームで終わることが多いですし、簡単に儲かるビジネスはほぼ存在しません。
仮にそのようなビジネスがある場合も、すでに飽和している可能性が高いので、緻密な戦略と差別化が重要になります。
会社経営で成功するには、ミッション、長期的なビジョン、経営理念や目標、ビジネスモデルの明確化が求められます。
謙虚さや感謝の気持ちが足りない
謙虚な経営者は社員や顧客から愛される会社を経営できます。
一方で謙虚さがない経営者は社員や顧客から見放される可能性が高いでしょう。
誰しも傲慢な人間には嫌悪感を抱くものですが、それは経営者に対しても同様です。
また、謙虚な姿勢を忘れない経営者は、奢ることなく学び続けるため、事前に経営上のリスクを見抜いたり、新たなビジネスチャンスをつかむことができます。
感謝の気持ちが足りない経営者は周囲からの信頼を失い、社会からも見放される可能性があるでしょう。
他人を信用しすぎる
他人を信用しすぎて失敗するケースも珍しくありません。
一緒に起業した人やビジネスパートナーと経営方針や利益の配分で意見が対立してトラブルになったり、ビジネスパートナーが会社の現金を持ち出して倒産に追い込まれるケースなども想定しておきましょう。
起業当初は関わる人間が少なくても、経営が安定すれば新規採用を行ったり、取引先や関係先が増えたりするものです。
その際に見極める力がなければ、経営の舵取りは難しくなります。
たとえば、経営者自身が面接して採用した社員に問題があれば、職場の雰囲気は一気に悪化するものです。
会社経営を成功させるには、時に他人を信用することも大切ですが、信用しすぎないように見抜く力も重要です。
会社経営での失敗を避けるための対策
会社経営の失敗を避けるための主な対策に以下があります。
- 経営状況は必ず把握しておく
- 無駄なコストがないか見直す
- 会社の目標や方針を立て社員に共有する
それぞれ具体的に解説します。
経営状況は必ず把握しておく
経営状況を把握すれば今後の対策を立てられ、その後の意思決定を適切な方向に導くことが可能です。
たとえば、売上の拡大スピードに人材が追い付いていなければ積極的に求人募集を行ったり、現在の設備体制で商品の生産が追い付いてなければ、設備投資の計画を立てることができます。
そもそも会社経営では、毎年の損益を計算して決算書にまとめる必要があります。
決算書は株主や金融機関、税務署などに提出するため、経営者はしっかり読めるようにならなければなりません。
無駄なコストがないか見直す
会社経営を行ううえで、無駄なコストを削減できるかどうかを確認することが大切です。
一般的にコストカットしやすい項目には以下があります。
- 通信費:社内連絡や郵送方法の見直し
- 光熱費:LED照明の導入やガス・電気契約の見直し
- 賃料:家賃の安い物件への引っ越し
- 事務用品:ペーパーレス化や中古品の利用
ただし、自社の商品やサービスの品質低下を招いたり、社員の労働効率の低下につながるタイプのコスト削減は避けましょう。
会社の目標や方針を立て社員に共有する
会社経営は「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」に関するさまざまな決定を行います。
しかしこれらの経営資源は膨大なので、完璧な理解は難しいものです。
そのため、会社の具体的な方針や目標(短期目標と長期目標)を掲げたうえで、「どのように経営資源を活用するか」を判断しましょう。
なお、目標や指針は社員と共有し、同じ方向に進むことが大切です。
会社経営に失敗して融資返済が難しい場合の対処方法
会社経営に失敗して融資の返済が難しくなった場合は「返済のリスケジュール」と「追加融資の申し込み」という2つの対処方法があります。
返済計画のリスケジュールを依頼する
融資の返済が困難になった場合、まずはできる限り早期に融資元へ相談しましょう。
その結果、リスケジュール(返済計画の猶予)が可能なケースがあります。
具体的には「今後1年間は元本の返済をストップして利息のみ支払う」などの方法です。
リスケジュールが認められれば、返済負担が軽減している期間に経営の立て直しを考えられます。
追加融資を申し込む
事業計画書を作成して金融機関に相談すると追加融資を受けられるケースがあります。
日本政策金融公庫では「ファクタリング」と呼ばれる方法です。
事業計画書の内容次第ではあるものの、追加融資が決まれば経営の立て直しが期待できます。
ファクタリングとは
会社経営の失敗を防ぐためには経営計画書の活用がおすすめ
会社経営で失敗する主な理由として、資金計画の難しさ、営業や集客の困難さ、人材管理や育成の問題、経営者自身の問題の4つが考えられます。
上記のうち経営者自身の問題としては、経営や会計に関する知識不足と経営計画・ビジネスモデルの曖昧さが挙げられます。
謙虚さや感謝の気持ちに欠けていたり、他人を信用しすぎたりする経営者も注意が必要です。
会社経営の失敗を避ける具体的な方法としては、経営状況を必ず把握し、無駄なコストを省き、会社の目標や方針を立てて社員と共有することが大切といえます。
なお、融資の返済が難しくなった際は、リスケジュールと追加融資の申し込みが可能かどうかを確認してみてください。
会社経営の失敗を防ぐためには、経営状況を把握したうえで目標や方針を掲げ、社員と共有することが大切です。
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