更新日:2020/12/03 21:42
コミュニケーション
アサーティブコミュニケーションとは【人間関係/コミュニケーション】
読了まで約2分
相手の感情や気持ちを慮りながら、自分の考えや主張をしっかり伝える自己表現の仕方を「アサーティブコミュニケーション」といいます。
アサーティブコミュニケーションには60年以上の歴史があり、さまざまな企業で取り入れられてきました。
若手人材の早期退職や従業員のメンタルヘルス不調が増加するなか、改めて職場のコミュニケーションを考える時期がきています。
本記事では、アサーティブコミュニケーションの特徴や必要性について、わかりやすく解説します。
目次
アサーティブコミュニケーションとは?相手に配慮した自己主張の仕方
アサーティブコミュニケーション(Assertive Communication)とは、相手の感情や気持ちに配慮しつつ、
しっかりと自分の意見や考えを主張するコミュニケーション方法を指します。
アサーティブコミュニケーションという言葉が初めて使われたのは、1940年代に書かれた「条件反射療法(Conditioned Reflex Therapy)」という本が最初です。
条件反射療法では、人間が生まれつきの活動性や積極性を取り戻すため、適切な「自己主張(Assertiveness)」の必要性が説かれました。
現代のビジネスシーンでも、相手に配慮しながら「自己主張」することの重要性が改めて注目されています。
アサーティブコミュニケーションには4つの柱がある
アサーティブコミュニケーションには、「対等」「誠実」「率直」「責任」の4つの柱があります。
上司と部下、先輩と後輩といった上下関係にとらわれず、人間として「対等」な立場をとるのが、アサーティブコミュニケーションの基本原則です。
また、コミュニケーションをとる際は、嘘や虚飾のない「誠実」な態度をとり、保身や逃げに走らず、
自分の意見や主張を「率直」に話さなければなりません。そして、対話や会話に「責任」を持ち、
コミュニケーションの結果を真摯に受け止めるのも、アサーティブコミュニケーションの重要な特徴です。
「アサーティブ=攻撃的」ではない
よく見かけるのが、「アサーティブ=攻撃的」なコミュニケーションだという誤解です。
たしかに、英語の「アサーティブ(Assertive)」には、「断言的な」「独断的な」「言い張る」といった意味があります。
しかし、アサーティブコミュニケーションは相手の感情や気持ちを無視し、
攻撃的な表現をする「アグレッシブ」なコミュニケーションではありません。
また、相手の感情や気持ちを慮るあまり、曖昧な表現を使ったり、
自己主張を控えてしまうのもノンアサーティブなコミュニケーションです。
その場のTPOや相手の感情・気持ちに配慮しつつ、率直に自己主張するのが、本来のアサーティブコミュニケーションです。
DESC法でアサーティブコミュニケーションを実践しよう
アサーティブコミュニケーションの実践方法として、「DESC(デスク)法」が有名です。
DESC法とは、「事実を客観的に描写する(Desribe)」、「感情や気持ちを説明する(Explain)」、
「求めるものを相手に伝える(Specify)」、「相手の反応に応じ、対案を選ぶ(Choose)」の4つのステップから成るフレームワークです。
自己主張が苦手な方(ノンアサーティブ型)や、相手の感情や気持ちを理解するのが不得意な方(アグレッシブ型)は、
対話や会話の際にDESC法を意識することで、アサーティブコミュニケーションにより近づけます。
アサーティブコミュニケーションが必要な2つの理由
なぜアサーティブコミュニケーションが注目を集めるのでしょうか。
ここでは、アサーティブコミュニケーションを推進する2つのメリットを紹介します。
社内の人間関係が向上し、若手人材の早期退職を防ぐ
アサーティブコミュニケーションを取り入れると、社内の風通しが良くなり、お互い率直に腹を割って話せる社風が実現します。
結果として、若手人材の早期退職を防ぐことが可能です。
労働政策研究・研修機構の調べによると、新卒3年以内に離職した若手人材のうち、
離職理由として「人間関係がよくなかったため」と回答した人の割合は、女性社員で25.9%、男性社員で24.8%です。[注1]
4人に1人の社員が、コミュニケーション上の問題を理由に早期退職しています。
アサーティブコミュニケーションを取り入れ、社内の人間関係を向上させることが、優れた若手人材の引き止めにつながります。
[注1] 労働政策研究・研修機構:若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ
メンタルヘルス不調の原因をとりのぞく
また、職場での人間関係の悪化やコミュニケーション不足は、従業員のメンタルヘルス不調の原因の1つでもあります。
労働政策研究・研修機構の調べでは、メンタルヘルス不調者が現れる原因として、「職場の人間関係(58.4%)」や
「上司・部下のコミュニケーション不足(29.1%)」が上位に挙げられています。[注2]
年齢や性別の垣根を超えて、率直に自己主張できる企業文化をつくることで、従業員のメンタルヘルス対策にもつながります。
[注2] 労働政策研究・研修機構:「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果
アサーティブコミュニケーションを取り入れ、職場の人間関係の改善を
相手の感情や気持ちに配慮しながら、はっきりと自己主張するのが、アサーティブコミュニケーションの特徴です。
アサーティブコミュニケーションを取り入れれば、社内の風通しがよくなり、職場の人間関係を改善できます。
結果として、若手人材の早期退職の防止や従業員のメンタルヘルス対策にもつながります。
年齢や性別の垣根を超えて、自由に意見を言い合える社風を実現しましょう。
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