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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/04/03 15:15

経営

コミュニケーション

バーナード組織の3要素とは?わかりやすく解説

読了まで約3分

ご自身の組織における存続が危うい場合、本記事で解説する「バーナード組織の3要素」を意識してください。
バーナード組織の3要素とは、組織が成立するための3つの条件のことで、「コミュニケーション」「貢献意欲」「共通目的」に分けられます。

本記事を最後まで読むことにより、組織破綻の危機を回避できるでしょう。

バーナード組織の3要素とは?

バーナード組織の3要素とは、アメリカの経営学者であるチェスター・バーナードが提唱した、組織が成立するための3つの条件のことです。
それぞれの条件は、「コミュニケーション」「貢献意欲」「共通目的」の3要素であり、組織を構成する上では必要不可欠となります。

また、チェスター・バーナードは組織を下記のように定義しています。
「意識的に調整された2人以上の人々の活動や諸力のシステム」=「公的組織」

つまり、バーナード組織の3要素がどれか1つでも欠けるとバランスが失われ、組織不全になるとされています。
組織全体の目標が達成されないどころか、組織の解散につながるリスクもあるため注意しなければなりません。

3つの条件をわかりやすく解説していきます。

1.コミュニケーション

組織内のメンバーで情報を共有し、意思疎通を図る「コミュニケーション」。
このコミュニケーションが行われない組織は衰退するとされています。

なぜかというと、コミュニケーション不足は情報の伝達がスムーズではなく、トラブルが発生した場合に対応が遅れてしまうためです。
小さなトラブルが解決されずに積み重なっていくと、いずれは大事故につながりかねません。

また、生産性や業績の低下を招いてしまい、組織としての存続が難しくなります。
そのため組織が成立する上では、コミュニケーションが非常に重要となるのです。

些細なことでも構わないので、メンバー同士のコミュニケーションを常に意識しましょう。
小さなきっかけを作ることができれば、そこからコミュニケーションの輪が広がる可能性もあります。

2.貢献意欲

「貢献意欲」とは、組織のメンバーが「一緒に働いて相手の役に立ちたい」という思いのことです。
こういった思いやりの精神を持たなければ、自分にとっての得利だけを求めるようになってしまい、組織として成り立たなくなります。

仮に外面的には成り立っているようにみえても、システムや業務体制が破綻していることも少なくありません。

なお、この貢献意欲をモチベーションと呼ぶこともあります。
当然メンバーのモチベーションが上がらないと業務の進捗が鈍化し、生産性の低下を招いてしまいます。

結果として会社の売上が上がらず、組織の存続が困難になるでしょう。

達成しやすい目標を設定し成功させることで、メンバーが自信を付け、モチベーションの向上に繋がります。
一人ひとりが自分の役割を理解して行動し、良い習慣を身に付けましょう。

組織のメンバーが思いやりの精神を持ってモチベーションを維持するためには、経営戦略を明確にして共有することもキーポイントとなります。
また、メンバー同士で常にサポートを心がけて良い関係値を築くことも大切です。

3.共通目的

バーナード組織の3要素で重要となる最後の項目は「共通目的です。
経営陣・メンバー・関係者などの組織内で共通の目的を作ることにより、組織の協調性が生まれるとされています。

目的があればお互いに進捗を確認し合い、足並みを揃えて目的達成に向けて協力することが可能です。
また、常に同様の意識を持ってプロジェクトを進められるでしょう。

目的には、2つの側面があります。

1つは協働的側面と言い、企業理念や情報を共有することで、その達成に向けてメンバーが協働していくことを指します。

2つ目が主観的側面です。
これは個人的な目的のことを指し、家族のため、社会のため、といった各個人が抱えている目的のことを指します。

このように、バーナード組織の3要素「共通目的」は、組織を形成する上で非常に重要な項目です。

以上が、チェスター・バーナードが提唱した組織論です。
どれも組織を存続するのに必要不可欠な要素ではあるものの、意外と破綻している組織もあるかもしれません。

いま一度バーナード組織の3要素を確認し、ご自身の組織に反映させましょう。

 

バーナード組織の3要素のポイント

3要素を組織運営に取り入れる際のポイントについて詳しく解説します。

コミュニケーションのポイント

コミュニケーションを円滑にすることは、組織成立のための重要な要素のひとつです。
業務効率化や生産性を向上させるためにも、組織内部におけるコミュニケーションや情報共有を円滑にすることは重要と言えます。

・目的に基づいたコミュニケーションを行う
バーナード組織においては、目的を明確に定義することが非常に重要です。
そのため、コミュニケーションにおいても、目的に基づいたコミュニケーションを行うことが必要です。
すなわち、会話や情報共有などのコミュニケーションは、目的を達成するために必要なものであることを認識し、その目的に沿ったコミュニケーションを行うことが重要です。

・効率的なコミュニケーションを行う
バーナード組織では、効率を重視することが要素の一つです。
そのため、コミュニケーションにおいても、効率的なコミュニケーションを行うことが重要です。
例えば、情報共有においては、適切な情報を正確かつ迅速に伝えることが求められます。

・継続的なコミュニケーションを行う
バーナード組織においては、継続的な改善と変革が求められます。
そのため、コミュニケーションにおいても、継続的なコミュニケーションを行うことが必要です。
これは、進捗状況の報告や意見交換、改善策の検討など、継続的なコミュニケーションを通じて、組織全体で問題解決に取り組むことができるようにするためです。

・相手の立場や意見にも耳を傾ける
バーナード組織においては、組織全体の目的達成が求められますが、そのためには、組織のメンバー一人ひとりが協力し、意見を出し合うことが必要です。
そのため、コミュニケーションにおいても、相手の立場や意見にも耳を傾けることが重要です。

貢献意欲のポイント

社員の「貢献意欲」を高めるために意識すべきポイントを解説します。

 貢献意欲は、社員のモチベーションであり、組織やチームメンバーと互いに協力し合いながら物事を成し遂げるための協働意欲でもあります。
機能する組織を作り上げるためには、社員の「貢献意欲」を高く維持し続けることが大切です。

・目的意識を高める
バーナード組織においては、組織全体の目的達成が求められます。
そのため、メンバー一人ひとりが、組織の目的を理解し、目的達成に向けて貢献することが重要です。
メンバーが自分の役割が目的達成にどのように貢献するかを理解することで、貢献意欲が高まると考えられます。

・役割と責任を明確化する
バーナード組織では、役割と責任を明確化することが重要です。
メンバーが自分の役割と責任を明確に理解し、それに応じた行動を取ることができるようにすることで、貢献意欲が高まると考えられます。
また、自分の役割や責任に関するフィードバックを受け取ることも、貢献意欲を高めるために重要な要素となります。

・成果の共有と評価
バーナード組織においては、成果の共有と評価が重要な役割を果たします。
メンバーが自分の貢献が組織の目的達成にどのように貢献したかを知ることで、自己効力感が高まり、貢献意欲が高まると考えられます。
また、定期的なフィードバックや評価によって、自分の成長や改善につながるため、貢献意欲が高まるとされています。

・報酬やインセンティブの提供
報酬やインセンティブは、貢献意欲を高めるための重要な要素となります。
メンバーが自分の貢献が適切に評価され、報酬やインセンティブが提供されることで、貢献意欲が高まると考えられます。
ただし、報酬やインセンティブだけで貢献意欲を高めることはできず、他のポイントと組み合わせて考える必要があります。

共通目的のポイント

「共通目的」としての組織目標を設定する際のポイントをご紹介します。

共通目的は、組織ビジョンであり会社の方向性を決める大切な要素です。
また、共通目的を組織内部でしっかりと共有することは、ひとつの組織としてまとまりを持って機能するために不可欠です。

・ 目的を明確にする
共通目的を立てる際には、まず目的を明確にすることが必要です。
目的を明確にすることで、メンバーが組織の方向性を理解し、それに向かって行動することができます。
また、目的が明確であることで、メンバー同士の意思疎通がスムーズになり、共通の目標に向かって一丸となって取り組むことができます。

・目的の重要性を共有する
目的を明確にした後は、目的の重要性を共有することが必要です。
メンバーが目的を共有し、その重要性を理解することで、共通目的に向けた意欲が高まります。
また、目的の重要性を共有することで、メンバー同士の連携がスムーズになり、より効率的に目的達成に向けて取り組むことができます。

・目的達成に向けた戦略の共有
目的を明確にし、その重要性を共有した後は、目的達成に向けた戦略を共有することが必要です。
戦略を共有することで、メンバー同士が互いに連携し、共通目的に向かって効果的に取り組むことができます。
また、戦略を共有することで、メンバーの自己効力感が高まり、共通目的に向けた取り組みに積極的に参加することができます。

・目的達成に向けたフィードバックの提供
目的を明確にし、その重要性を共有し、戦略を共有した後は、定期的なフィードバックの提供が必要です。
フィードバックを受けることで、メンバーは自分の取り組みが目的達成にどのように貢献したかを把握し、自己評価ができます。
また、フィードバックを受けることで、目的達成に向けた取り組みの改善点を把握し、より効率的な取り組みを行うことができます。

 

組織存続の2条件

「チェスター・バーナード」は3要素のほかにも、組織存続の2条件を提言しています。
組織存続の2条件は、「内部均衡」と「外部均衡」の2つに分けられます。

内部均衡

組織の参加者が貢献をした際に、それ以上のリターンが得られると考えている状態のことです。

外部均衡

組織の掲げる目標が市場にとって有効である、もしくは市場に与える価値がその費用を上回っている状態を指します。
上記2つを満たせば組織の存続が得られるとチェスター・バーナードは考えています。

 

バーナード組織の3要素を意識して組織を存続させよう

ここまで、バーナード組織の3要素と組織存続の2条件を解説しました。

チェスター・バーナードが提唱する組織存続の3要素は、「コミュニケーション」「貢献意欲」「共通目標」に分けられます。
これらは組織として存続するためには必要不可欠な要素です。
また、組織存続の2条件の「内部均衡」と「外部均衡」も重要なポイントとして解説しました。

ぜひ本記事でお話したバーナード組織の3要素を意識して、ご自身の組織を存続させましょう。

組織の存続には企業の経営理念やビジョンを社員と共有する適切な組織経営が必要です。

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  • バーナード組織論とは?

    アメリカの経営学者である「チェスター・バーナード」が提唱した、組織が成立するための3つの条件のことです。
    詳しくはこちらをご覧ください。

  • バーナード組織の3要素は?

    「コミュニケーション」「貢献意欲」「共通目標」の3要素であり、組織を構成する上では必要不可欠となります。
    詳しくはこちらをご覧ください。

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