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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/08/03 16:30

コミュニケーション

朝礼で組織活性化させるやり方とは【モチベーション/コミュニケーション】

読了まで約4分

産労総合研究所の調べによると、組織力向上の一環として、82.4%の企業が朝礼を実施しています。[注1]
ウィズコロナ時代にあっても、WEB会議システムを利用して「オンライン朝礼」を実施するなど、多くの企業が工夫して朝礼に取り組んでいます。

しかし、朝礼が単なる業務連絡の場になっていたり、従業員の大半が下を向いてしまっていたり、
朝礼が組織活性化につながっていない企業が少なくありません。朝礼は学びの場・コミュニケーションの場です。

この記事では、朝礼を実施するメリットや、朝礼で組織活性化するポイントについて解説します。

[注1] 産労総合研究所:人事制度等に関する総合調査

朝礼を実施する目的

朝礼を実施する目的として、一緒に働く従業員同士の業務連絡や、情報共有を行うことが一般的ですが、朝礼は単なる業務連絡の場にはとどまらない役割があります。

例えば「朝礼が終わったら本格的に今日の仕事に取り掛かろう」と、 従業員が気持ちを切り替える仕事のリズムづくりが出来たり、全員が顔を合わせて社内コミュニケーションを活性化する役割も果たしています。

また忙しい職場では、社員教育の時間を取るのも容易ではありません。
その点、一日のルーティーンに組み込まれている朝礼の時間を使えば、「社員全員で」「習慣的に」「費用をかけず」に社員教育を行うことが出来ます。

 

朝礼を実施する4つのメリット

始業の際の朝礼は、会議やミーティングと違い、単なる業務連絡の場ではありません。
朝礼は、1日の業務がスタートする場であり、社員のモチベーションに大きな影響を与えます。

ここでは、朝礼を実施する4つのメリットを紹介します。

1. 社員のモチベーションアップにつながる

朝礼の場は、社員のモチベーションアップの機会です。
1日のはじまりを気持ちよい挨拶や唱和で迎えるだけでも、その日のパフォーマンスに影響します。
企業によっては、成績優秀な社員の表彰を行い、経営者自らモチベーションアップに向けて働きかけているケースもあります。

朝礼の場を利用して社員への叱咤激励を行うことで、会社への帰属意識を高められ、組織活性化につながります。

2. 社員が学ぶ場としても活用できる

企業にもよりますが、朝礼の実施時間は5~15分が一般的です。1回の時間としては短いですが、月単位で見ると相当長い時間です。
この時間を無駄にせず、社員の学びの場として有効活用しましょう。

たとえば、企業理念の唱和や、営業力の強化を目的としたフリートークなどを実施している企業があります。

3. 社内のコミュニケーションが活性化する

朝礼は社員全員が集まるコミュニケーションの場です。
日頃から顔を合わせるメンバーはもちろん、部署やチームが違う社員とも、顔を合わせる機会が生まれます。
組織を活性化するためには、経営者・上司・部下の垣根を超えた社内コミュニケーションが重要です。

朝礼という場を通じて、全社員が顔を合わせることで、社内コミュニケーションを活発化するきっかけが生まれます。

4. 重要事項のすみやかな情報共有も可能

もちろん、朝礼には情報共有の場としての側面もあります。
その日の最初にどうしても伝えなければならない重要事項は、会議やミーティングだけでなく、朝礼の場で伝達するとスムーズです。

朝礼は全社員が集まる場ですから、朝礼の場で重要事項をシェアすることで、社員間の情報格差の解消にもつながります。

 

朝礼を実施するデメリット

 朝礼にはデメリットがあることも認識しておく必要があります。

全社員の時間を使う

全社員の一定時間を確保しなければならず、朝礼が長引けば業務時間が短くなり、その分だけ機会損失が大きくなります。
長引きそうな場合は、全て朝礼の場で伝えるのではなく、あとから情報共有ツールで連絡をするなどの工夫をしましょう。

マンネリ化しやすい

朝礼のやり方を工夫していかないとマンネリ化が起こり、目的を明確にして朝礼を行っていかないと、やればやるほど逆効果になる場合もあります。

スピーチが苦手な社員の不満のタネになる

朝礼でスピーチすることを半強制的にさせてしまうと、スピーチが苦手な社員や、スピーチの準備等の大変さから、不満が生まれやすくなってしまいます。

 

成功する朝礼の特徴

全員が朝礼の意義を理解している

「なぜ、朝礼をしているのか?」「全員の時間を取ってまでも朝礼する理由は?」を全員が理解・共感されていれば、参加者が自発的に「もっと朝礼をよくするために」意欲的に参加してくれます。

ポジティブな発言が多い

従業員の気持ちが上がったり、朝から効率アップできている会社は、発言がポジティブになります。
むしろ朝礼を通して、どこかにポジティブな内容はないだろうかと日々探すようになるから、気持ちが自然と上がっていきます。

スピーチを持ち回りで行っている

成功している朝礼は必ず当番を持ち回りで行ったり、全員が必ず参加できるコンテンツを用意したりしています。

 

失敗する朝礼の特徴

責任者の文句が多い

クレームの共有はとても大切ですが、朝に共有してしまうとネガティブな気持ちで1日が始まります。
クレーム共有などは、前日のうちに終わらせて、翌朝はリフレッシュした状態で仕事を始めてもらった方がよいでしょう。

従業員が朝礼の目的を理解していない

従業員が朝礼の目的を理解せず、経営陣が強引に始めてしまうと、一方的にやらされている状況になってしまいます。
朝礼を取り入れる前に、まずは「なぜやるのか」「どんな効果があるのか」などを説明し、目的を理解してもらいましょう。

時間が守られていない

タイムキーパーがいない場合、スピーチの時間が長くなり朝礼参加者から不満の声が上がってきてしまいます。
まずはタイムキーパーを決めて、時間を計っていくことが大切です。

 

朝礼で組織活性化させる3つのポイント

朝礼によって組織活性化を実現するためには、3つのポイントがあります。

1. ポジティブな言葉で1日をスタートしよう

朝礼は社員のモチベーションを高め、活き活きと仕事に取り組んでもらうための機会です。
朝礼は明るく朗らかな挨拶からスタートし、原則としてポジティブな言葉を使うようにしましょう。

従業員に前向きな言葉をかけ、成果や業績を褒めることを「ポジティブフィードバック」といいます。
ポジティブフィードバックは、社員のやる気を引き出し、仕事や企業に対する当事者意識を高める手段です。

朝礼の実施にあたっては、なるべくポジティブなワードを使いましょう。

2. 一方通行ではなく、対話を心がける

社内コミュニケーションを活性化させるためには、一方通行ではなく、双方向の対話が必要です。
「朝礼で共有すべき重要事項はなるべく本人の口から説明してもらう」「輪番制で1人ずつフリートークを実施してもらう」など、
朝礼をコミュニケーションの場として活用しましょう。

経営者・上司・部下が顔を合わせる朝礼の場は、社内コミュニケーションの壁を打ち破る絶好の機会です。

3. 企業理念の「習慣化」を目指す

組織を活性化させるためには、企業理念を隅々まで浸透させ、自分で考えて動く社員をつくる必要があります。
朝礼での企業理念の唱和は、経営者の考えやビジョンを伝えるチャンスです。

しかし、企業理念を唱和してもらうだけでは、マンネリ化が進行し、従業員がただ文字を読み上げるだけの場になってしまいます。
企業理念を「自分事」として捉えてもらうため、企業理念についての自分の考えや、企業理念に沿って行動した事例について、定期的に発表する場を設けましょう。

企業理念が「習慣化」し、当事者意識の高い社員を育成できます。

 

朝礼のスピーチネタの探し方

朝礼でのスピーチを求められた際、どんなテーマでスピーチをすれば良いのかネタ探しに困る人も多いのではないでしょうか。
せっかく社内で意見を交換するのですから、話題は厳選したいものです。

例えば仕事に役立つ内容や成長につながる内容で意見を述べ合うことは、コミュニケーションに役立つだけでなく、一人一人の成長にもつながります。
道徳的なテーマを取り上げることで、職場のモラル向上・維持が実現できます。

あとは名言やことわざ、時事ネタ、趣味などで話すことを探してみるのも良いでしょう。
ただし、宗教に関することについては人によってさまざまな考え方、捉え方があるので避けましょう。

 

始業前の朝礼は組織活性化の鍵

始業前の朝礼は、会社組織を活性化させ、当事者意識の高い社員を育成するための貴重な機会です。
朝礼の場で心がけるべきポイントは、
「ポジティブな言葉を使う」「対話を心がける」「企業理念を浸透させる」の3つです。

朝礼は1回5分~15分ほどと短いですが、月単位で見ると相当長い時間になります。
朝礼を学びの場・コミュニケーションの場として有効活用することが、組織活性化の鍵です。

もちろん、業種・業界によって朝礼のスタイルは異なります。従業員の反応を見ながら、自社に合った朝礼のスタイルを模索していくことも大切です。

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