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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2021/02/16 22:14

コミュニケーション

コミュニティシップとは【コミュニケーション/組織活性化】

読了まで約2分

「社内のコミュニケーションがほとんどない」「社員の帰属意識が低い」といった悩みを抱えている場合は、コミュニティシップの強化が解決策です。
コミュニティシップは昭和の日本型経営から生まれた考え方で、現場のまとまりを高め、組織の活性化を目指します。
当時の日本型経営そのままではなく、現代のビジネス環境に合わせてアップデートしていくことが大切です。

この記事では、コミュニティシップの基本的な考え方や、リーダーシップとの違い、コミュニティシップを強化する際の注意点について、わかりやすく解説していきます。

コミュニティシップとは?組織のまとまりを高める力

コミュニティシップ(Communityship)とは、現場のまとまりを高め、組織を活性化させるためのマネジメントです。
実は、コミュニティシップは昭和の日本型経営の分析から生まれました。

当時の日本企業は「社員は家族」の信念を持ち、従業員の帰属意識を高め、刻苦勉励を推奨するマネジメントで大きな成果を挙げました。
昭和の日本型経営の「コミュニティ」を大事にする部分を取り出し、現代のビジネス環境に合わせてアップデートしたのがコミュニティシップです。

リーダーシップとの違いは?トップダウンではなく現場重視

リーダーシップにはさまざまな類型がありますが、コミュニティシップはトップダウン型のリーダーシップの対局にあるマネジメント手法です。
トップダウン方式のリーダーシップでは、カリスマ性のあるリーダーが中心となって、上意下達で会社組織を牽引していきます。
現場の声が省みられないことも多く、トップ層と現場が乖離するケースも少なくありません。

一方、コミュニティシップでは、現場のリーダーやミドルマネジャーが中心となって、組織全体を巻き込んで「ひとつのコミュニティ」にまとめあげます。
いいかえれば、コミュニティシップは組織構成員が全員で参加するハンズオン型(参加型)のリーダーシップです。

なぜコミュニティシップが必要?現場の社員は「孤独」を感じている

なぜ、ふたたびコミュニティシップが注目を集めているのでしょうか。
行き過ぎた成果主義の蔓延や、対面のコミュニケーションを減らすデジタルツールの導入により、現場の社員は「孤独」を感じるようになりました。

産業能率大学の調べによると、日本の職場で働く人のうち、実に6割近くが孤独を感じていると回答しています。
その原因として、「職場内の関係が希薄(34%)」「助け合う雰囲気がない(20%)」「IT化による対話の減少(11%)」といった点が挙げられています。[注1]

コミュニティシップを育むことで、人と人のつながりを取り戻し、孤独感を和らげることが可能です。
ひいては、社内のコミュニケーションを促進し、組織全体の活性化にもつながります。

[注1] 日経BP総研:職場では社員の半分以上が「孤独」を感じている

 

コミュニティシップを育む2つのポイント

コミュニティシップを醸成するうえで、次の2点に注意しましょう。

「中間グループ」がコミュニティのまとまりを育む

コミュニティシップを形成するためには、経営層と現場の橋渡し役となる「中間グループ」が重要です。

たとえば、会社の意思決定に関わりながらプレイヤーとしても働く中間管理職(ミドルマネジャー)や、
現場の社員を日々まとめあげるリーダーが「中間グループ」です。

コミュニティシップの醸成には、現場の人員の気持ちに配慮しつつ、周囲を巻き込んでいくリーダーの育成が欠かせません。
上意下達のトップダウン型のリーダーではなく、現場を巻き込むハンズオン型のリーダーの存在が、コミュニティシップを築くポイントです。

新しい考え方を取り入れ、ワークライフバランスへの配慮を

コミュニティシップは、昭和の日本型経営の再評価によって生まれたマネジメント論です。
しかし、だからといって当時の日本型経営をすべて鵜呑みにするのではなく、現代のビジネス環境に合わせてアップデートする必要があります。

昭和の日本型経営は、社員に帰属意識を求めすぎた結果、慢性的な長時間労働が発生するという負の側面もありました。
昨今は働き方改革への関心の高まりもあり、従業員のワークライフバランスに配慮した経営感覚が求められます。

新しい考え方を取り入れながら、コミュニティシップの醸成に取り組むことが大切です。

 

コミュニティシップを強化し、組織活性化に取り組もう

組織活性化に取り組むうえで、コミュニティシップの強化は必要不可欠です。
コミュニティシップを根付かせるには、経営層と現場の橋渡しをする「中間グループ」が重要な役割を果たします。

現場を巻き込むハンズオン型のリーダーの育成により、コミュニティのまとまりを育みましょう。
コミュニティシップは昭和の日本型経営の再評価を通じて生まれた考え方ですが、当時の手法には問題点もありました。

現代のビジネス環境に合わせ、アップデートすることが大切です。

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