中小企業の業績を最短距離で伸ばすなら株式会社武蔵野の経営コンサルティング

株式会社武蔵野経営サポート事業部

MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/01/27 10:35

人材育成

コミュニケーション

エルダー制度とは?メンター制度との違いやメリット・デメリットを紹介

読了まで約2分

新入社員の方が会社に入社した後、OJTという形でいろいろと指導を受けることは多いです。
そんなOJT制度のひとつに、「エルダー制度」という教育制度があります。

本記事では、エルダー制度とは何か、エルダー制度とメンター制度の違い、エルダー制度のメリット・デメリットについて、解説します。

 

エルダー制度とは?

エルダーとは「先輩・年長者」という意味であり、エルダー制度は企業において新入社員の指導を直属の上司ではなく、先輩社員が行うOJT制度の一種です。

企業によっては、OJTリーダー制度・ブラザー制度・シスター制度などと呼ぶこともあります。

エルダー制度は、主に一般企業において広がっていますが、人手不足が問題とされている介護業界や看護業界においても重要視され、導入が進んでいます。
エルダー制度を導入することで、新入社員が仕事面でいち早く即戦力になれるよう促し、人手不足問題の解決に繋げています。

 

エルダー制度とメンター制度の違い

エルダー制度と似たような制度にメンター制度があります。

メンター制度でもエルダー制度同様に、先輩社員と新入社員が2人1組となり教育を行いますが、エルダー制度では主に業務上のサポートを受けるのが中心です。
これに対してメンター制度では、仕事だけに限らずメンタル面のサポートも先輩社員が行います。

メンター制度のほうが、エルダー制度よりも2人の距離感が近付きやすい制度と考えられるでしょう。

 

エルダー制度のメリット

エルダー制度のメリットとしては、「新人の離職を防ぎやすくなる」「指導する側も管理経験を積むことができる」といったことが挙げられます。

それぞれのメリットについて、説明します。

新人の離職を防ぎやすくなる

新入社員にとって、直属の上司はなかなか気軽に質問や相談等を行える相手ではありませんが、少し年上の先輩社員であれば、まだ比較的質問等を行いやすいものです。
実際の業務で関わる先輩社員に対して質問をし、業務のコツをつかむことで、効率的に業務内容を習得しやすくなります。

また、どんなことでも質問や相談ができる相手がいるということは、新入社員のストレス軽減にもつながるので、離職を防ぐ効果も期待できます。

離職者の退職理由には社内の人間関係などが挙げられる

​​厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概要」では、転職入職者が前職を辞めた理由を発表しています。[注1]

同調査によれば退職理由として、

  • 仕事の内容に興味を持てなかった:男性 4.6% / 女性 5.5%
  • 職場の人間関係が好ましくなかった:男性 7.7% / 女性 11.8%

が挙げられています。

この結果からわかるとおり、エルダー制度によって新入社員の不満や疑問などを早期に解決しておくことで離職率低下につなげられるでしょう。
[注1]​​厚生労働省 平成30年雇用動向調査結果の概要

指導する側も管理経験を積むことができる

エルダー側の先輩社員にとっても、新入社員に対する指導や管理を通して、管理職などにおいて重要とされるマネジメント能力を身に付けられるというメリットがあります。

そのため、エルダー側の社員には、将来的に管理職を担ってもらいたいと考えられている社員が充てられるケースが多いです。
エルダーを経験することで、新入社員だけでなく先輩社員も成長することができます。

 

エルダー制度のデメリット

逆にエルダー制度のデメリットとしては、「エルダーの負担が大きい」「相性が悪いと逆効果になる可能性がある」といったことが挙げられます。
それぞれのデメリットについて、説明します。

エルダーの負担が大きい

エルダーの仕事は新人をサポートするだけではなく、もちろん自分自身でも仕事を抱えています。
つまり、エルダーとしての仕事は、そのまま負担増につながることになります。

基本的にはエルダーと新入社員の2人1組で構成される制度ですが、エルダーの負担が増え過ぎることのないように、会社全体でバランスを整える必要があるでしょう。

相性が悪いと逆効果になる可能性がある

人間関係では相性というものが非常に重要で、エルダーと新入社員の相性次第では、うまくOJTが進まない可能性も考えられます。
そういったことが起きないように、エルダー制度での組み合わせを決める際に、相性がよくなさそうだと感じる相手同士は組ませないようにするなどの、配慮が必要です。

一歩間違えると、新人の離職を防ぎやすくなるはずのエルダー制度が原因で、新人が離職を決めるということになってしまいかねません。

 

エルダー制度を進める上でのポイント

エルダー制度はエルダーを務める先輩社員、指導を受ける新入社員だけに心構えが求められるわけではありません。

会社や部署全体でエルダー制度で新入社員の教育に取り組むという意識を持つことが大切です。
エルダー側の負担が大きくなりすぎることのないように、周囲の人がエルダーのサポートをして気にかけるよう意識しましょう。

たとえば、社歴の浅い社員がエルダーを務める際は、事前に研修機会を設けるといったように、会社や部署全体でエルダーの教育に臨むことが大切です。

 

エルダー制度は新入社員にもエルダーにも効果的

エルダー制度を導入することで、新入社員が仕事のことなどについて気軽に質問しやすくなりますし、エルダー側の社員もマネジメント能力を身に付けることにつながります。

うまく運用することでどちらにもメリットのある制度なので、全社一体となって新入社員を教育していけるよう積極的に導入を検討するとよいでしょう。

武蔵野の『経営計画書』では、750社を超える支援実績から導き出された独自の経営ノウハウを持っています。
社員教育にも力を入れ、会社成長の手助けとなるヒントを公開しています。

750社以上の企業を指導する株式会社武蔵野 代表取締役社長 小山昇の経営哲学が詰まった経営計画書の作成フォーマットは、こちらからダウンロードしてください。

武蔵野のサービスに
ご興味が出てきた方

CONTACT