更新日:2023/10/13 15:50
コミュニケーション
エンカウンターグループとは【コミュニケーション/心理的安全性】
読了まで約2分
便利なコミュニケーションツールの普及や、対人でのコミュニケーション時間の減少により、社内コミュニケーションに問題を抱えている企業が少なくありません。
人間関係の改善を促し、自己理解や他者理解を深めるのに役立つのが、
「エンカウンターグループ」と呼ばれる取り組みです。
この記事では、エンカウンターグループの定義や目的、導入メリットについて解説していきます。
目次
エンカウンターグループとは?合宿生活を通じ、人間関係の改善を促す
エンカウンターグループ(encounter group)とは、メンバーが集まって数日間の合宿生活を行い、自己理解や他者理解を深める取り組みです。
エンカウンターグループは、1960年代に心理学のカウンセリング手法として生まれ、近年ビジネスシーンでも応用が進んでいます。
エンカウンターグループの種類や、よく混同されがちな「トレーニンググループ」との違いを見ていきましょう。
エンカウンターグループは2種類ある
エンカウンターグループの目的は、グループ単位での合宿生活を通じ、人間関係の改善を促す点にあります。
エンカウンターグループの手法は、「構成的エンカウンターグループ」「非構成的エンカウンターグループ」の2種類です。
構成的エンカウンターグループは、リーダーが中心となり、特定の課題を通じて、メンバー間の関係を深化させます。
一方、非構成的エンカウンターグループにリーダーは存在しません。
ファシリテーターが仲介役となり、メンバー同士が自由に本音をぶつけ合いながら、セッションを消化します。
人間関係の円滑化という点で、非構成的エンカウンターグループの方が高い効果が期待できますが、構成的エンカウンターグループの方が実行が容易だという違いがあります。
トレーニンググループと違い「出会い」に重きを置く
エンカウンターグループは、「トレーニンググループ」という心理学の手法から生まれました。
トレーニンググループもエンカウンターグループ同様、グループ単位でのセッションを行いますが、トレーニンググループは「リーダーシップの習得」「マネジメント能力の向上」といった明確な目標を設定するケースがほとんどです。
エンカウンターグループの場合は、「訓練(トレーニング)」や「出会い(エンカウンター)」を重視し、人間関係の円滑化を目指します。
エンカウンターグループのメリット2つ
日本でも、1970年代ごろからエンカウンターグループを取り入れる企業が増加しました。
エンカウンターグループを実施するメリットは2点あります。
コミュニケーションの活発化につながる
さまざまなITサービスの導入により、対面でのコミュニケーションが減少した結果、
多くの企業が社内のコミュニケーションに問題を抱えています。
HR総研の調べによると、「社内のコミュニケーションに課題があると思うか」という問いに対し、全体の74%の企業が「大いにそう思う」「ややそう思う」と回答しています。[注1]
社内のコミュニケーションの活発化には、自己理解や他者理解が深まるエンカウンターグループが有効です。
初めてエンカウンターグループを実施する場合は、まず構成的エンカウンターグループに取り組みましょう。
[注1] HR総研(ProFuture株式会社):「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告
社員が自分の考えや感情を表現できるようになる
社員が自分の考えや感情を表現し、活き活きと働く状態を「心理的安全性」といいます。
エンカウンターグループのセッションを通じて、この心理的安全性を確保することができます。
とくに非構成的エンカウンターグループは、専門的な訓練を受けたファシリテーターがいる場合、自由なコミュニケーションが生まれるため、参加メンバーの自発性・創造性を大きく成長させることが可能です。
エンカウンターグループについて学べる本
エンカウンター・グループについて学べる本をご紹介します。
構成的グループ・エンカウンター
構成的エンカウンターの提唱者、國分康孝が具体的にどう展開すればよいか、
その内容と方法を、小学校・中学校・高等学校・企業などの実践例を用いて解説しています。
エンカウンター・グループ―人間信頼の原点を求めて
来談者中心療法を創始したロジャーズが、次に取り組んだエンカウンター・グループの普及・自己を表現し、真に人と出会うことが個人の成長に与えるその意味と実態を説く本です。
たった5分でクラスがひとつに!学級アイスブレイク
緊張感をほぐし、人と人をつなげ、場を温めるアイスブレイクは、クラスに笑いを起こし、
温かい雰囲気をつくるだけではなく、子どもの中に潜む「伸びる力」「前向きな気持ち」などを無理なく効果的に引き出します。
学校やセミナーで気軽に使える、居心地の良い集団作りに役立つヒントが載っています。
エンカウンターグループを実施し、人間関係を改善しよう
エンカウンターグループとは、数日間の合宿生活を通じ、自己理解や他者理解を深める取り組みです。
エンカウンターグループは、比較的実施が容易な「構成的エンカウンターグループ」と、高い改善効果が期待できる「非構成的エンカウンターグループ」の2種類です。
社内コミュニケーションの活発化や、社員の心理的安全性を高めたい場合は、エンカウンターグループの実施を検討しましょう。
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執筆者情報
佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役
1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。
経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。
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