更新日:2022/12/27 10:30
経営
人材育成
期待理論とは?ブルームの期待理論やメリットを解説
読了まで約2分
「従業員のやる気やモチベーションが感じられない」「業務生産性の改善や、業績アップに向けた取り組みを行いたいという場合は、モチベーションマネジメントが解決策です。
モチベーションマネジメントの基本的な考え方のひとつが、やる気が生まれる心理的プロセスを解明した「期待理論」です。
期待理論に乗っ取って、従業員の動機づけを行うことで、やる気あふれる活発な会社組織をつくることができます。
この記事では、期待理論の基本知識や、期待理論に基づいてモチベーションマネジメントを行うメリットについて解説していきます。
目次
ブルームの期待理論とは?わかりやすく説明
期待理論とは、目標達成に向けて次々と期待感を連鎖させることで、従業員のやる気を引き出すモチベーションマネジメントです。
期待理論に基づくモチベーションマネジメントは、次の3つのステップから成り立っています。
- 魅力ある報酬を用意する(Reward)
- 報酬を得るための目標を設定する(Goal)
- 目標を達成するための戦略を展開する(Efforts)
目標を達成すれば報酬が得られる、努力することで目標を達成できる、という期待感の連鎖によって、動機づけが生まれると説明するのが期待理論です。
従業員のモチベーションを引き出すには、目標を達成した後の報酬を用意すること、目標を達成するまでのロードマップを企業が用意することの2点が大切です。
また、1964年に発表された「ブルームの期待理論」では、モチベーションを次のように定義しています。
モチベーション=期待×用具性×誘意性
期待 :努力することでどれだけのことが成し遂げられるか
用具性 :それを成し遂げることで、さらにどんなものがもたらされるか
誘意性 :もたらされたものには、どんな値打ちがあるか
つまり、「努力することによってどれだけのことが成し遂げられるか」という期待感、成し遂げることで得られる報酬(誘意性)や自己成長(用具性)が、次々と相乗効果を起こすことで、従業員のモチベーションが生まれます。
期待理論を発展させた「ポーターとローラーの期待理論」
「ブルームの期待理論」を発展させたのが、「ポーターとローラーの期待理論」です。
「ポーターとローラーの期待理論」では、目標達成後の報酬を用意することや、目標達成までの道筋を用意することだけでなく、報酬そのものの満足感がやる気の源になっていると説明しています。
報酬への満足度が高ければ高いほど、従業員のモチベーションが高まり、次の行動(仕事)の成果に影響します。
期待理論に基づき、従業員への日頃の働きかけ方を一度見直してみましょう。
期待理論で社員のやる気を高める2つのメリット
期待理論を活用し、社員のやる気を高めることで、会社組織はどのように変化するのでしょうか。
社員のモチベーションを高めるメリットは次の2点です。
社員のやる気が高まれば、生産性も高まる
ベイン・アンド・カンパニーとプレジデント社の共同調査によると、
やる気のある社員は、そうでない社員と比べて225%の生産性スコアを発揮することがわかっています。[注1]
生産性を高め、業績を改善するための第一歩が、従業員のモチベーション向上です。
期待理論を活用し、魅力的な報酬(ゴール)と、ゴールまでの道筋(努力)の2つを用意して、従業員のやる気を引き出しましょう。
[注1] プレジデント・オンライン:”3人に1人”の不満社員を奮起させるには
社員のメンタルヘルスが改善し、生き生きと働ける職場環境になる
仕事や職場の人間関係のストレスから、メンタルヘルスの不調をきたす社員が増加しています。
厚生労働省の「過労死等の労災補償状況」によると、令和元年度の精神障害の労災請求件数は2,060件であり、平成27年度の調査から535件増加しました。[注2]
従業員が生き生きと働ける職場環境づくりには、ストレスマネジメントだけでなく、従業員のやる気を引き出すモチベーションマネジメントが大切です。
ネガティブ思考を追い払い、前向きな動機づけを行うことで、メンタルヘルスの改善効果も期待できます。
メンタルヘルスの改善によって、従業員の不満やストレスを削減し、離職率の低下や人材の引き止め効果が得られます。
[注2] 厚生労働省:過労死等の労災補償状況
期待理論を活用し、従業員のモチベーションマネジメントを
現場のやる気やモチベーションが低いと感じたら、期待理論を活用し、モチベーションマネジメントに取り組みましょう。
「ポーターとローラーの期待理論」によると、どのような報酬でもよいわけではなく、報酬が従業員にとって魅力的なものであるほど、やる気を引き出す効果が高まります。
目標の達成によって報酬が得られる、努力によって目標を達成できる、という期待感の連鎖により、従業員の動機づけをおこなっていきましょう。
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