更新日:2021/08/18 16:52
経営
人材育成
グループ・イニシエーションとは【人間関係/集団】
読了まで約2分
新入社員が新しく勤める会社の集団生活には数多くの問題が存在します。その問題を解消するのが「グループ・イニシエーション」です。
本記事では、グループ・イニシエーションの基礎概要や課題、タスク・イニシエーションの重要性について解説します。
新卒のビジネスパーソンにより良い環境で働いてもらうためにも、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
目次
グループ・イニシエーションとは、集団や人間関係の加入儀礼
グループ・イニシエーションの前に「イニシエーション」について解説します。
イニシエーションとは、「加入儀礼」や「通過儀礼」のことです。
人材開発の分野を例に挙げると、企業社会という新しい環境に入社した新入社員が、組織に適応するための試練や課題といったプロセスのことを指します。
つまり、グループ・イニシエーションとは、
集団や人間関係への加入儀礼として、組織に対し忠誠心や協調性を示すことによって周囲から受け入れてもらう経験のことです。
グループ・イニシエーションは「集団への加入」といわれることもあります。
一方、会社の業務自体に慣れるプロセス、つまり職場の業務上での加入儀礼については「タスク・イニシエーション」と呼ばれます。
米国の産業組織心理学者「D・フェルドマン」はグループ・イニシエーションとタスク・イニシエーションの2つが重要であるとしており、
両立できないと現場では半人前として扱われてしまうと述べています。
このことより、新入社員が職場における集団や人間関係に適応するためには、グループ・イニシエーションが必要であると明らかになっているのです。
グループ・イニシエーションという大きな課題
グループ・イニシエーションを実現するのは容易ではなく、いくつかの課題点があります。
ここでは、新卒のビジネスパーソンを例に挙げて解説します。
新卒のビジネスパーソンは、自分が思い描いていた職場の雰囲気や仕事内容が違った場合、
期待に対する現実とのギャップから精神的なショックを受けることがあります。
入社した本人はひどくショックを受けているものの、新人当初の記憶が薄れている先輩からは理解されないことが多いです。
このことを「リアリティ・ショック」と呼びます。
この深刻なリアリティ・ショックが解消されなければ、新卒のビジネスパーソンは職場に馴染むことができず、多大なるストレスを抱えてしまいます。
社会に出て十分なキャリアを固める必要がある時期に、早期退職をしてしまう理由に多いのがこのリアリティ・ショックです。
そこで解決策となるのが、グループ・イニシエーションとタスク・イニシエーションです。
グループ・イニシエーションを活用することによって、職場環境に適応することができるため、リアリティ・ショックの解消につながります。
つまり、グループ・イニシエーションの成否がその後のキャリアに大きく影響を与えるのです。
タスク・イニシエーションで気をつけるべきポイント
ここでは、タスク・イニシエーションについて解説します。
タスク・イニシエーションは、新入社員が職場において与えられた課題をこなし、仕事に貢献できたかどうかを認められる状態を指します。
このタスク・イニシエーションを実現させるためには、十分に考慮した人員配置が重要となります。
考慮した人員配置とは、新入社員が業務に集中しやすい人員を配置することです。
そのため、新入社員の能力や性格を考慮し、適切な教育係となる人物を配置する必要があります。
とはいえ、タスク・イニシエーションの対象となるのは若手の新入社員だけではありません。
中高年の新入社員の場合、自分のやり方をすぐに変えられないこともあるでしょう。
その場合は教育係ではなく、コミュニケーション能力が高い人材を配置するとスムーズに馴染めます。
上記のように、新入社員の能力や性格を考慮し、タスク・イニシエーションのために適切な人員を配置しましょう。
グループ・イニシエーションを意識して集団生活を成功させよう
本記事では、グループ・イニシエーションの基礎概要や課題、タスク・イニシエーションの重要性について解説しました。
グループ・イニシエーションは、集団や人間関係への加入儀礼として、組織に対し忠誠心や協調性を示すことによって、
周囲から受け入れてもらう経験のことで、「集団への加入」と呼ばれることもあります。
新卒のビジネスパーソンによくあるリアリティ・ショックを乗り越えるためにも、
グループ・イニシエーションと業務上での加入儀礼である「タスク・イニシエーション」の2つが重要です。
なお、タスク・イニシエーションでは柔軟な人員配置がキーポイントとなります。
これらグループ・イニシエーションとタスク・イニシエーションを意識し、会社での集団生活を成功に導きましょう。
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