更新日:2021/08/31 20:38
経営
ホールシステム・アプローチについて【組織/効率化】
読了まで約2分
変化を繰り返している現代において、組織内の情報を一部の人間だけが把握しているのは効率的ではありません。
そこで活用すべき概念が「ホールシステム・アプローチ」です。
本記事では、ホールシステム・アプローチの基礎概要や手法、有効的な活用方法を解説します。
ホールシステム・アプローチを活用することにより、組織全体の理想に一歩近づくことができるはずです。
目次
ホールシステム・アプローチとは、多くの関係者が大規模な話し合いを行う総称
ホールシステム・アプローチとは、特定の課題やテーマに関わる多くの関係者が一箇所に集まって行われる、大規模な話し合いの総称のことです。
大規模な話し合いでは全体の文脈を共有しながら、創造的な意思決定やアクションプランを新たに生み出します。
現代においては変化のスピードが非常に早いことから、一部の人間だけが情報を把握していては組織全体の効率化につながりません。
そこでホールシステム・アプローチでは、組織の上下関係や横の垣根、分野、部署間の壁を取り払うことにより、
組織の文化を柔軟に変化させ、未来に向けた大規模な変革を起こすことが可能です。
このホールシステム・アプローチは新たな組織マネジメントの手法として、各方面から重要視されています。
ほか手法とホールシステム・アプローチの相違点
ホールシステム・アプローチの手法を紹介している「The Change Handbook」では60以上の手法が掲載されています。
これら膨大の手法は、1980年代の「グループ・ダイナミック」や「参加型アプローチ」といった研究成果を踏まえて開発されたものがほとんどです。
60を超えるホールシステム・アプローチの手法にはいくつかの共通点があり、ほかの手法とは異なる点が多数あります。
相違点については以下の要素があげられます。
- ダイアログをもとにしている
- 一部の人間だけでなく幅広い参加者を集める
- 参加者の自主性や自律性を活用する
- 知識が生み出される考えを大切にする
- 発想がポジティブである
- 片方の脳だけでなく全体脳を使う
ホールシステム・アプローチで得られる3つの効果
ホールシステム・アプローチを活用することで得られる効果は大きく分けて3つ存在します。
価値観の共通
ホールシステム・アプローチでは、一部の人間だけでなく大多数の関係者が話し合うことで「価値観の共通」を図れます。
組織全体の一体感を高め、共通のビジョンを持って取り組むことが可能です。
システムの把握
ステークホルダーの情報をすべて開示することで、組織全体が「システムの把握」を行えます。
全体のシステムを一度に把握できるため、問題になりやすい業務のブラックボックス化を防ぐことが可能です。
自律的な問題解決
一部の人間が情報を抱える事態を回避できるため、従業員各々の「自律的な問題解決」を可能にします。
組織全体で共有できるホールシステム・アプローチだからこその利点であり、変化に適応したタイムリーな意思決定が行えます。
ホールシステム・アプローチの活用手法4つ
ホールシステム・アプローチを有効的に活用するための手法が4つ考えられます。
ワールド・カフェ
少人数のテーブルに分かれて、カフェのようなリラックス状態で特定のテーマについて対話します。
一定時間ごとにテーブルメンバーをチェンジさせ、話し合いの内容を発展させます。
この「ワールド・カフェ」では、新しい発想を創造させるための落ち着いた空間を構築するのが主な目的です。
オープンスペース・テクノロジー(OST)
特定のテーマに対して興味関心を持つ関係者同士が、自主的に話し合える機会を設けることによって、立場や建前に縛られない自由な話し合いが行えます。
この「オープンスペース・テクノロジー」では、個人の主体性が重要視されており、課題の提示やスケジュール設定などは参加者が自主的に取り組みます。
アプリシエイティブ・ インクワイアリー(AI)
「アプリシエイティブ・ インクワイアリー」においては、組織の価値や強みを肯定的な質問によって見つけ出し、
組織全体でその可能性を最大限に拡大させるプロセスです。
米国で開発された組織活性化におけるアプローチの1つであり、肯定的な言葉遣いやイメージなどを重要視します。
フューチャー・サーチ
利害の異なるステークホルダーを集めて行われることが前提です。
過去と現在の状況を共有した上で、組織全体が理想とするアクションプランを構築する組織変革手法です。
「フューチャー・サーチ」では参加者全員が責任感を持って取り組みます。
ホールシステム・アプローチは組織全体の理想を創造する
ここまで、ホールシステム・アプローチの基礎概要や手法、有効的な活用方法について解説しました。
ホールシステム・アプローチには、ほかの手法では実現できない多くのメリットがあります。
有効的にホールシステム・アプローチを活用することにより、組織全体の理想を創造できるはずです。
組織全体で団結するためにも、ホールシステム・アプローチを自発的に取り入れることをおすすめします。
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