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武蔵野コラム

更新日:2024/09/13 10:30

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リーダーシップとは?優秀なリーダーの条件とスキルを発揮するための3つの方法【人材育成/スキルアップ】

読了まで約5分

社会情勢の不確実性が増し、市場の将来や行末が予測困難になる「VUCA時代」では、これまでよりもリーダーシップのある人材が求められています。

激しい企業競争に生き残るには、チームと意思疎通を図り、モチベートし、多様なメンバーの専門性や持ち味を引き出せる人材が必要です。適切なトレーニングを積み、リーダーシップを身につけましょう。

本記事では、リーダーシップの条件やスキルを高める方法について解説します。

 

リーダーシップとは

リーダーシップとは、目標やビジョンを達成するために、メンバーに行動を促したり、メンバーのモチベーションの維持、問題解決などを行うことです。

リーダーシップには様々なスタイルやアプローチがあり、状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。また、リーダーシップは特定のポジションに限らず、誰でも発揮できる能力です。

マネジメントとの違い

リーダーシップと混同しやすい言葉に「マネジメント」があります。

マネジメントとは、会社の資源である人や資金、モノ、情報などを管理し、組織として成長させたり利益を生み出したりするために必要な役割のことです。

組織が取り組む方向性を示しメンバーを導いていくのがリーダーシップであり、そのための現実的な方法を検討し組織を管理するのがマネジメントという違いがあるのです。

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リーダーシップの6つの形態

古代ギリシアから現代まで、時代と共に組織のリーダーのあり方は多様化し、様々なリーダーシップ論が提唱されてきました。
1990年代以降の現代的なリーダーシップの形態は、次の6種類に分類できます。

1. ビジョン型:チームが進むべき方向性を示す

「ビジョン型」のリーダーシップの持ち主は、組織に対して目標やビジョンを示し、周囲の人を動かしていきます。
組織構成員をモチベートしたり、帰属意識を高めたりするのに長けたリーダーです。
不安定な変革期にある企業や、急成長を遂げつつある企業において重宝され、組織の進むべき方向性を示します。

2. コーチング型:メンバーのポテンシャルを引き出す

司令塔としてメンバーのサポートに徹するのが、「コーチング型」のリーダーです。
メンバーと1対1の関係を築き、個々の強みや持ち味が活きるようサポートして、チーム全体のパフォーマンスを高めます。

このタイプのリーダーは、とくに洞察力やコミュニケーション能力に優れます。
豊富な経験とスキルがあり、高いモチベーションを持つメンバーが多い組織に適したリーダー像です。

3. 関係重視型:メンバーとの信頼関係を築く

人間関係を調整するのがうまく、居心地のよい組織を作り出すのに長けているのが、「関係重視型」のリーダーです。
「関係重視型」のリーダーは、メンバー1人ひとりと信頼関係を築き、メンバーと同じ目線でプロジェクトに参画します。
コミュニケーションにコストが集中するため、急進的な改革や目標達成には向いておらず、プロジェクトが失敗した際のリーダーの責任も曖昧です。

良好な人間関係を構築することが得意な「関係重視型」のリーダーシップは、ほかの形態のリーダーシップと併用するケースが多いでしょう。

4. 民主型:メンバーから広く意見やアイデアを集める

メンバー1人ひとりの意見に耳を貸し、プロジェクトへの積極的な参画を求めるのが、「民主型」のリーダーです。
多種多様な考えやアイデアを拾い上げ、新事業の創出やイノベーションを起こすのに長けたリーダー像です。
雑多な意見が集まるため、組織全体の意思決定に時間がかかる傾向があるでしょう。
メンバー間の意見の衝突も起こりやすく、人間関係を調整する能力も求められます。

5. ペースセッター型:リーダーが率先してハードワークする

リーダーが組織のペースセッター(先導者:pacesetter)となり、
自ら率先してハードワークしてフォロワーにお手本を示すのが、「ペースセッター型」のリーダーです。

いわゆる「自分でなんでもやる」タイプのリーダーで、リーダー自身の経験やスキルが豊富なら、短期間で大きな成果を挙げられます。
組織全体に成功イメージを植え付け、構成員を引っ張っていくカリスマ性にも優れています。

しかし、メンバーのモチベーションが低く、1人ひとりの経験やスキルが不足している場合はリーダーシップが機能せず、空回りしがちです。

6. 指示命令型:リーダーに強大な権力が集中する

「指示命令型」のリーダーには、大きな権限や決定権が集中しています。各メンバーを命令に従わせることで、短期間での目標達成を目指します。
「指示命令型」はオールドスタイルのリーダーシップですが、危機的状態に陥った組織や、急進的な改革が必要な組織では今でも有効です。

しかし、「フォロワーの強みや持ち味を活かしづらい」「優秀なNo.2や後継者が育たない」など、長期的に見るとデメリットも多いリーダー像といえるでしょう。

 

リーダーシップを効果的に発揮するための条件

リーダーは仕事に集中しながら、部署の目標と組織の目標に耳を傾けなければいけません。また、従業員や部下をコーチングし、彼らの職務から不要な障害を取り除く努力をする必要があります。

優秀なリーダーがチームに焦点を合わせるとき、リーダーはチーム内の調整に尽力し、チームの成功を祝うべきです。友好的で社会的な環境を構築し、促進しなければなりません。リーダーはチームとして従業員の間でチーム精神と達成感を開発する必要があります。

そこでリーダーシップを効果的に発揮するために、条件を5つ解説します。

1. 他人任せにしない当事者意識、誠実さ

リーダーシップの必須要件のひとつが「当事者意識」です。目の前の課題やタスクに対して、他人任せにするのではなく「リーダーとして自分が率先してやる」という意識がある人が、リーダーシップを発揮できます。

言い換えれば、リーダーには使命感や責任感がなければなりません。

利益や売上高のような数値目標をはじめとして、企業には様々なビジョンがあります。組織としての目標達成のため、自ら能動的に行動できる人材こそが真のリーダーです。

2. 部下の心をつかむカリスマ性

リーダーはワンマン体制ではなく、チームメンバーと協力して問題解決にあたらなければなりません。

リーダーシップ=チームマネジメントではありません。

チームマネジメントの考え方では、解決すべき問題を細分化し、個々のチームメンバーに割り振ることを優先します。リーダーシップで大切なのは、チームメンバーをモチベートし、自発的な取り組みを促すカリスマ性です。

チームマネジメントがチームの機能面に着目したハード寄りの考え方なら、リーダーシップは組織構成員の心理面に着目したソフト寄りの考え方といえるでしょう。

3. チームと意思疎通できるコミュニケーション能力

チームメンバーと意思疎通し、良好な関係を築くコミュニケーション能力も欠かせません。チームリーダーには、会社の目標やビジョンを具体的に表現し、チームメンバーに伝達する役割があるからです。

また、一方的な伝達ではなく、チームメンバーの意見をヒアリング(傾聴)する能力も欠かせません。チームの現状への貴重なフィードバックが得られるだけでなく、組織構成員のモチベーションアップや、人員配置の最適化のためのヒントが得られます。

4. フットワークが軽い行動力

立ち止まって熟考するよりも、とにかく行動してみる姿勢がリーダーシップには欠かせません。組織のダイナミズムの源泉は、リーダーのフットワークの軽さから生まれます。

ぐずぐず迷ったり、他人にやらせてばかりいるのではなく、自ら率先して行動するリーダーこそ、多くの部下の心をつかみ、組織内部を感化させていくのです。

5.決断力がある

考え出したいくつものアイデアの中から1つを選択して決断する能力は、リーダーシップの発揮に必要不可欠な能力といえます。また、リーダーシップを行使していく過程においても、決断力はさまざまな場面で求められます。

リーダーはチームとして従業員の間でチーム精神と達成感を開発する必要があります。

 

リーダーシップのスキルを高める3つの方法

リーダーとしてのスキルを高める3つの方法を解説します。

1. チームビルディングを取り入れる

チームビルディングとは、メンバーとの共同作業を通じ、共通の課題に立ち向かう結束力を高める組織づくりのことです。

代表的な例としては、社員旅行やレクリエーションが挙げられます。チーム単位でのミーティングの定期開催や、チームビルディングを前提としたプロジェクトを企画するケースもあります。

チームビルディングはリーダーの育成に欠かせません。

問題解決に向けて当事者である自分は何をすべきか、チームとどのようにコミュニケーションをとるかを1人ひとりが考え抜く必要があるため、リーダーシップのある人材が自然と生まれます。

2. 社内のコミュニケーションを活発化する

社員参加型のイベントの開催や、グループウェアの導入、コワーキングスペースの活用など、社内のコミュニケーションを活発化する試みも有効です。日常的にコミュニケーションの機会が生まれるため、リーダーとしての意思疎通力に長けた人材が生まれやすくなります。

ただコミュニケーションをとるのではなく、「ポジション・チェンジ」のテクニックを実践すると効果的です。ポジション・チェンジとは、単一の視点ではなく、自分・相手・第三者の3つの視点で俯瞰的に考えるテクニックを意味します。

ときにはメンバーとして、ときにはリーダーとして、あるいは第三者として物事を見つめましょう。他者の異なる意見や考えを客観的に分析し、個々の持ち味を活かせるリーダーとして成長できます。

3. 理想のリーダー像を示す

リーダーシップ研修でしばしば使われるのが「モデリング」というトレーニングです。理想とするリーダーの思考や行動を文字通り模倣することを指します。

身近なリーダーの存在や人材育成プログラムを活用して、将来のリーダー候補がモデリングを行える機会をつくりましょう。

 

リーダーシップは誰でも発揮できる能力

リーダーシップは特定のポジションに限らず、誰でも発揮できる能力です。

目標やビジョンを達成するために、周囲に与える影響力であることを意識して、指示を出すだけでなく、見本になったりメンバーの主体性とやる気を高めていきましょう。

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執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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