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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/02/24 13:00

経営

ネゴシエーションとは【働き方/組織】

読了まで約3分

複数の人が意見を出し合う場合、意見がすんなりまとまることは非常に稀であり、たいていの場合何らかの衝突が生じます。
そのような際に重要なのが、「ネゴシエーション」です。

本記事では、ネゴシエーションとは何か、ネゴシエーションを成功させるためのポイントやスキルなどについて、解説します。

 

ネゴシエーションとは議論によって合意や調整を目指すこと

ネゴシエーションとは、意見や方向性が合致しなかった場合に議論によって合意や調整を目指すことを指します。
一般的に「ネゴシエーション」と聞くと、「相手に自分の主張や意見を呑ませる」というようなイメージを持たれる方も多いでしょう。

しかし、ビジネスの場においては、「お互いの意見や立場を考慮しながら納得できる着地点を探す」というような意味合いを持っています。
営業担当が顧客に対して行うのはもちろんのこと、同じ組織の中で業務プロセスを調整する必要があるような場合にも、ネゴシエーションは役立ちます。

 

ネゴシエーションを成功させるための4つのポイント

ネゴシエーションは組織運営や組織開発・組織活性化においても役立ちますが、うまくネゴシエーションを行うためにはいくつかのポイントがあります。

ネゴシエーションを成功させるためのポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 相手との信頼関係を構築する
  • 合意ラインを事前に設定しておく
  • 自分の意見や望みを的確に伝えたうえで相手の意見も傾聴する
  • 交渉が決裂したケースを想定する

それぞれについて、説明します。

1. 相手との信頼関係を構築する

ネゴシエーションでは、お互いに議論を重ねたうえで双方にとって納得できるプランや解決方法を目指しますが、
それは相手との信頼関係が構築できていなければできないことです。

お互いのことをよく知らない、お互いのことを信用できないというのであれば、それはネゴシエーション以前の問題です。

2. 合意ラインを事前に設定しておく

ネゴシエーションの結果は、自分が想定していたよりもよいものになることもあれば、その逆の場合もあります。
ただし、一度ネゴシエーションで合意してしまうと、それを覆すのは容易ではありません。
とても呑めない条件で合意してしまうことのないように、「最低限ここまでの条件は勝ち取る」という合意ラインに関しては、あらかじめ設定しておきましょう。

3. 自分の意見や望みを的確に伝えたうえで相手の意見も傾聴する

ネゴシエーションを効率的に進めるために重要となるのが、自分の要求と相手の要求の両方が対等に取り上げられていることです。
そのため、自分の意見や要求に関しては的確に伝え、相手がどのようなことを望んでいるかに関しても耳を傾けなければなりません。
どちらか一方だけでもできていなければ、ネゴシエーションにおいて納得のいく結果を残すことは難しいでしょう。

4.交渉が決裂したケースを想定する

交渉が決裂する場合の対応を、事前に決めておくことも必要です。
交渉が決裂した場合の対応を決めていない場合、対応者の勝手な判断でさらに事態が悪化する恐れもあります。
社内で事前に協議しておくことで、重要な判断を独断でしなくて済み、担当者は安心して交渉にのぞむことができます。

 

ネゴシエーションにおいて重要な2つのスキル

ネゴシエーションを円滑に効率的に行えるかどうかは、実施者のスキルにも大きく依存します。
ネゴシエーションにおいて重要である、「全体を俯瞰で見られる力」と「落としどころを見つけられる力」について、それぞれ以下で説明します。

1. 全体を俯瞰で見られる力

議論は今どのあたりまで進んでいるか、自分および相手の要求がどの程度通りそうかといったことについて、しっかり俯瞰でとらえられなければなりません。
そういった力があることで、このあとどのように話を進めてまとめればよいのかが分かります。

2. 落としどころを見つけられる力

双方の意見や主張が100%通るのが難しそうな場合は、お互いにとってベターとなる落としどころを見つけられるかどうかが、非常に重要です。
納得できる落としどころを見つけられなければ、ネゴシエーションで満足のいく成果を得ることは難しいでしょう。

 

ネゴシエーションに役立つ心理的アプローチ

アメリカを代表する社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニ氏は、心理学に基づいたアプローチ方法として6つの『影響力の武器』を提唱しています。

返報性

返報性とは、受けた恩に対してお礼をしたくなるという心理的感情です。
ネゴシエーションにおいて相手側の利益についても真剣に考えているという姿勢を示し、具体的な譲歩案を提示することによって、
相手もこちら側に対して誠意的な態度を示してくれるという事象が返報性にあたります。

権威

人は肩書きなどの権威を持つ人物に対し、厚い信頼を寄せる傾向があります。
自分の肩書きの弱さの影響により、良い提案を用意しても話に耳を傾けてもらえない場合は、その感情を逆手に取って所属する部署の責任者の協力を仰ぎましょう。
交渉相手に大きな影響を与えることのできるキーパーソンとの繋がりがあり、交渉の場へ同席を実現させる力があるならば、交渉成立に向けて大きく前進することができるでしょう。

希少性

希少性とは、限られたものほど欲しくなるという心理的感情です。
当初より提示していた案にプレミアムな付加価値を持たせることにより、その他の条件に関して一切妥協することなく相手の満足度を高める事ができます。

社会的証明

世の中のあらゆる物事において多数派は大きな影響力を持っています。
プレミアムな付加価値を提案しながらもマストな部分はしっかりと押さえることにより、交渉相手の心を少しずつ揺さぶることができるでしょう。

好意

相手の意見をしっかりと聞き入れることにより受容と共感の姿勢を示し、両者が利益を得られる提案を行うことで仲間意識が芽生えます。
エンゲージメントを高めることは信頼関係の構築にも繋がるため、自分に対する相手の好感度を高める数々の努力は最優先で行うべき基礎戦略といえるでしょう。

コミットメントと一貫性

人は一度決定した事項について守り通そうとする意思を持ち、コミットした内容に類似する要望であれば自然と受け入れやすい特性を持っています。
交渉を何段階かに区切り、ステップアップさせながら一つ一つの交渉を行います。
交渉成立を積み重ねることによって信頼関係もより強固なものとなり、本命の交渉に対して前向きに向き合ってもらえるようになるのです。

 

ネゴシエーションについて学習できる本

 プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中 「決まる!」7つの交渉術

M&Aアドバイザーやネゴシエーターとして活躍する、
インテグループ株式会社 代表取締役社長の藤井一郎氏の著書『プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中 「決まる!」7つの交渉術』は、
全てのビジネス交渉に活用することのできるネゴシエーションスキルやテクニックが余すことなく綴られた一冊です。 

「素質がなくても、正しく学べば誰もが交渉の達人になれます。」という謳い文句の通り、
とても分かりやすくまとめられているため、読み進めていくだけで自然にスキルアップを図ることができます。

ハーバード流交渉術 イエスを言わせる方法

ネゴシエーションを適用するべきかどうか判断する3つの客観的基準を説いた、
ハーバード大学交渉学研究所所長のロジャー・フィッシャー氏と副所長のウィリアム・ユーリー氏による共著です。 

論理的な対決方法と感情的な解決方法を対比させながら展開しているため、ネゴシエーションの効果がとても分かりやすく、汎用性の高い内容となっています。

 

ネゴシエーションによって議論などをうまくまとめよう

ネゴシエーションは、さまざまな意見をうまくまとめて着地させなければならないときに、非常に重要です。

関係者全員が納得できる成果を持ち帰れるように、うまく意見を調整しながら落としどころを見つけましょう。

株式会社武蔵野では、経営コンサルティング事業や経営サポート事業、社長のサポート事業などを展開しています。
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