更新日:2020/12/16 21:39
評価制度
ノーレイティング導入の組織作り【人事評価制度/モチベーション】
読了まで約2分
「従業員のやる気が感じられない」「人材のリテンションがうまくいかない」場合は、人事評価制度に問題がある可能性があります。
とくに年次評価・相対評価に基づく成果主義を採用している場合は要注意です。
A・B・Cのランク付けは、人事評価の不公平感を生みやすく、かえって従業員のモチベーションを低下させる原因になりかねません。
ランク付けを行わず、社員の人物像や職務姿勢を総合的に評価する「ノーレイティング」なら、会社組織の問題を解決できます。
この記事では、ノーレイティングが注目を集める理由や、ノーレイティングの組織作りのメリットについて解説していきます。
目次
ノーレイティングとは?ランク付けを脱却
ノーレイティングとは、「ランク付け(レイティング)」を行わない新たな人事制度です。
1990年代に日本企業へ浸透した成果主義へのアンチテーゼとして、多くの企業がノーレイティングを導入しています。
ノーレイティングの目的は、成果だけでなく、社員の人物像、職務姿勢、仕事への取り組み方を総合的に評価することです。
ノーレイティングと従来の評価制度の違いを表にまとめました。
一般的なノーレイティング制度では、1週間~1ヵ月の短いスパンで上長がミーティングを開き、社員一人ひとりの目標を設定します。
そして、部下のフィードバックを受け、「目標を達成できたかどうか」「目標達成に向けた姿勢はどうか」を評価します。
年次で業績評価を行い、A・B・Cとランク付けする従来の人事評価システムと違い、社員の目標達成度をきめ細かく評価できます。
ノーレイティングが注目される2つの理由
成果主義を脱却し、ノーレイティングを導入する企業が増えている背景には、2つの理由があります。
1. ランク付けの曖昧さが人事評価制度への不満になっている
アデコ株式会社の調べでは、従業員の62.3%が会社の人事評価制度に不満を持っています。
その理由として、「評価基準が不明確(62.8%)」、「評価者の価値観や経験による不公平感がある(45.2%)」などが挙げられています。[注1]
ランク付けに基づく人事評価制度は、評価基準が曖昧になりがちです。
とくに業務の数値化がしにくい職種では、A・B・Cのランクごとの差が見えにくく、従業員が不満を抱く原因となります。
ノーレイティングなら、従業員一人ひとりの目標達成度が評価対象となるため、明確で透明性のある人事評価が可能です。
[注1] アデコ株式会社:6割以上が勤務先の人事評価制度に不満、約8割が評価制度を見直す必要性を感じている
2. ランク付けは社員のモチベーションを低下させる
従来の人事評価制度では、成績が優秀な社員であっても、相対評価によりランクを落とさねばならないケースが出てきます。
不公平な人事評価制度は、社員のモチベーションを低下させます。
とくに高い業績を上げている優秀な人材ほど、人事評価制度に不満を抱き、離職を決意するリスクが高くなります。
相対評価をしないノーレイティングなら、全員が一定の水準をクリアしていれば、全員にAランクをつけることも可能なため、不公平感が生まれません。
社員のモチベーション低下が気になる場合は、人事評価制度の見直しを検討しましょう。
ノーレイティングの組織作りの2つのメリット
ノーレイティングの組織作りには、2つのメリットがあります。
1. 目標設定が社員の成長をうながす
ノーレイティングでは、1週間~1ヵ月のスパンで上長と部下がミーティングを開き、達成すべき目標の検討を行います。
年次評価を基本とする従来の人事評価制度と違い、短いスパンで目標達成→評価・フィードバックのサイクルが繰り返されることから、
社員一人ひとりの成長につながります。ミーティングの際は、社員の課題や成功点を共有すると、さらに社員の成長を後押しできます。
2. 仕事にやりがいを感じられ、リテンション施策になる
優秀な人材のリテンションには、仕事に「やりがい」を感じてもらうことが大切です。
エン・ジャパン株式会社の調べでは、これまで「退職を考えたことがある」人のうち、
退職を考えるきっかけとなった理由の第1位が「やりがい・達成感を感じない(41%)」でした。[注2]
ノーレイティングは、成果や業績だけでなく、本人の人間性や職務姿勢も評価します。
相対評価ではないため、全員が目標を達成すれば、全員にAランクを与えられます。
ノーレイティング制度を通じ、仕事にやりがいを感じてもらうことで、優れた人材の引き止めが可能です。
[注2] エン・ジャパン株式会社:1万人が回答!「退職のきっかけ」実態調査 ―『エン転職』ユーザーアンケート
組織活性化ならノーレイティング制度の導入を
ノーレイティングはランク付けをせず、従業員一人ひとりの人間性や職務姿勢を評価する人事評価制度です。
1週間~1ヵ月の短いスパンで、目標の設定、フィードバックのサイクルが繰り返されるため、社員の成長につながります。
社員のモチベーションが高まるため、人材のリテンション施策としても効果的です。
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