更新日:2021/08/18 16:54
経営
人材育成
パフォーマティブ・ラーニングとは【人材育成/組織改革】
読了まで約2分
実演や表現を用いた学習手法である「パフォーマティブ・ラーニング」
身体を使ったパフォーマンスで実演することにより、自身の考えや行動について発見を促すことができます。
本記事では、パフォーマティブ・ラーニングの重要性、インプロビゼーションの基礎概要を解説します。
パフォーマティブ・ラーニングを理解することで、組織全体を活性化できるはずです。
目次
パフォーマティブ・ラーニングとは、実演や表現を用いた学習手法
パフォーマティブ・ラーニングとは、身体を使った実演や表現をもとにして、
自己の振る舞いや他者との関係性に対する気付きや発見を促す学習手法のことです。
このパフォーマティブ・ラーニングを用いることにより、自身の考えや行動について深く思考することができます。
そのことから、人材育成や組織改革の分野で期待されており、シナリオを作らない即興的な演劇(インプロビゼーション)で多用されています。
また、企業の研修などでパフォーマティブ・ラーニングが活用される事例も増加しています。
インプロビゼーション(即興的な演劇)の重要性
インプロビゼーション(即興的な演劇)を通してパフォーマティブ・ラーニングが多用されています。
このインプロビゼーションとは、脚本や設定、各々の役割といった細かい設定を一切決めずに行われる演劇のことを指します。
演者同士がその場で湧いてきた自然なアイデアだけをもとにし、物語を紡いで膨らませていきます。
組織内の各従業員がインプロビゼーションを体験することにより、参加者1人ひとりが責任感を持って自発的に思考することが可能です。
個人だけでなく組織全体がインプロビゼーションによって変化するため、新しい企業の研修ツールとして各方面から注目されています。
時代に適応したパフォーマティブ・ラーニングの多様性
パフォーマティブ・ラーニングを活用する研修では、従来の教育とはまったく異なる学習が展開されます。
これまでは座学を中心とした受け身の研修が展開されており、参加者は一方的に提供される情報を吸収するだけでした。
そのため参加者が自発的に思考することは少なく、用意された回答を丸暗記するのが正解でした。
確固たる正解が存在していた以前までの時代であれば、その研修を実施する意味は大いにあります。
しかし、2021年の現在では従来の研修は通用しません。
なぜなら時代とともにニーズや回答が変化していることから、自身で深く考え社会に適合していく必要があるためです。
そこには確固たる正解は存在せず、既存の知識や研修ではたどり着くことは到底できません。
だからこそ、自身で新たな回答を創造するパフォーマティブ・ラーニングが各方面で利用されています。
まさにパフォーマティブ・ラーニングは時代に適応した学習手法です。
パフォーマティブ・ラーニングを提唱している「高尾隆准教授」
東京学芸大学の准教授である「高尾隆」さんは、共著書の「インプロする組織」のなかで
パフォーマティブ・ラーニングについて以下のように定義しています。
「パフォーマンスすることで自分を崩し、そして再びつくっていくこと」
その言葉からは、新しい思考を生み出している手法であることがわかります。
また、学習手法についてはこのように述べています。
「知識を詰め込むだけではなく、からだを動かして表現する、それが何かを表現し、それが周りの人に影響を与え、
そのことによって当たり前になってしまっていることを批判的に考え直して、変化を引き起こし、また新しい行動を生み出していく」
上記のことから、パフォーマティブ・ラーニングの価値や重要性が浮き彫りになっています。
また、本書では「身体と言語、内省のメカニズム」について語られており、インプロビゼーションにおいて
「言葉と身体を相互補完的に考えている」と提言しています。
個人と組織を活性化させるにはこのパフォーマティブ・ラーニングが必要不可欠であり、
これから訪れるであろう時代の変革に伴いさらに必要性が増していくでしょう。
これからの時代にはパフォーマティブ・ラーニングが必要
本記事では、パフォーマティブ・ラーニングの重要性、インプロビゼーションの基礎概要を解説しました。
パフォーマティブ・ラーニングは身体を用いたパフォーマンスによる新しい学習手法です。
時代の変化に適応できる学習手法であるため、企業の研修などで活用される事例が増加傾向にあります。
また、インプロビゼーションとパフォーマティブ・ラーニングを併用することにより、組織全体のパフォーマンスを活性化することが可能です。
これからの時代はこのパフォーマティブ・ラーニングが必要とされるため、いまのうちから組織内に取り入れることをおすすめします。
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