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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/04/28 14:20

経営

人材育成

ピグマリオン効果とは【教育/ローゼンタール効果】

読了まで約3分

人に指示を出したり人を教育したりするようなポジションに就いた人にとって、周囲の人にどのように接すべきかは頭を抱える問題のひとつかもしれません。
そのような場合は「ピグマリオン効果」を意識することで、事態が好転する可能性が高いでしょう。

本記事では、ピグマリオン効果とは何か、ピグマリオン効果のビジネスでの実践例について解説します。

 

ピグマリオン効果とは他者の期待によって成長が高まる効果

ピグマリオン効果とは、他者の期待によって学習や作業などの成果を出しやすくなる効果のことで、アメリカの心理学者であるローゼンタールによって発表されました。
ローゼンタールは、教師が期待をかけた生徒とそうでない生徒の成績には大きな違いがあることを、実験によって確認しました。
そのため、教師期待効果やローゼンタール効果と呼ばれることもあります。

真逆の効果は「ゴーレム効果」

ピグマリオン効果は、期待によって相手がよい方向に変わっていく効果ですが、まったく逆の効果に「ゴーレム効果」と呼ばれる効果があります。
つまり、相手に悪い印象をもって接することで、実際にその相手が成果を挙げにくくなったり悪い方向へと変化してしまったりするのです。

自分の対応次第で相手の変化のベクトルが大きく変わってしまうわけですから、
人の上にたったり人を指導したりする人は、周囲の人に対する接し方には十分注意しなければなりません。

「ホーソン効果」「ハロー効果」との違い

ピグマリオン効果と類似性の高い概念として「ホーソン効果」と「ハロー効果」があります。

「ホーソン効果」とは、他者の注目や関心によってパフォーマンスが向上するという心理効果のことです。
アメリカのホーソン工場で行われた実験から名付けられました。

ピグマリオン効果が、他者からの期待によって成果が上がるのに対し、ホーソン効果は、注目や関心によって成果が上がるのが特徴的です。

「ハロー効果」とは、特定部分に対する評価が他の部分への評価にも影響を及ぼす効果のことです。
ハロー効果には、肩書や見た目などの特定部分に対する印象で相手の評価が上がる「ポジティブ・ハロー効果」と、
相手の評価が下がる「ネガティブ・ハロー効果」の2つに分類されます。

ピグマリオン効果は評価される側の行動に影響を及ぼしていき、ハロー効果は評価する側の認識が変化していくという点で異なります。

 

ピグマリオン効果の具体的な活用シーン

実際の生活での活用シーンについてご紹介します。

部下のマネジメント

ピグマリオン効果は、「他者から期待を受けることで、その期待に沿った成果を出すよう促す心理効果」の為、新人教育や人材育成の場面で活用することができます。
部下や後輩と接するときに、期待していることが伝わるような表現をすることで、「自分は良い成果を出すことができる」という意識を持たせることができ、
また上司や先輩の期待に応えようとします。

そのような意識が生まれると、報告、連絡、相談などのコミュニケーションも円滑にできるようになり、互いの業績や能力が向上するという好循環が生まれます。

自分自身のモチベーション維持

ピグマリオン効果は、相手に期待をかけるときだけでなく、自分自身のモチベーション維持にも活用することができます。
「自分ならできる」というようなポジティブな言葉を発信することで、ピグマリオン効果が働き、目標への達成意欲を高めることができます。

何か達成したい目標があるときには、自分の可能性に期待するような言葉を発信したり、
メモをして目につくところに記したりしておくことで、いい結果を出すことができるでしょう。

 

ビジネスの場におけるピグマリオン効果の実践例4つ

ローゼンタールは教育の場でピグマリオン効果を発見しましたが、ピグマリオン効果はビジネスの場においても有用です。

ビジネスの場におけるピグマリオン効果の実践例としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 相手に裁量を与える
  • 少し背伸びした課題を与える
  • 叱責を期待や希望を伝える言葉へと変換する
  • 常に褒める姿勢をくずさない

それぞれについて、説明します。

1. 相手に裁量を与える

裁量を与えるということは、期待しているということを間接的に伝えることにつながるので、相手のやる気も自然と上がって成果を出しやすい状態になるでしょう。

ただし、裁量を与えると言いながら実際にはあれこれ指示を出すようでは、
「裁量を与えるというのは表面的なものか」と捉えられてしまい、逆にモチベーションを下げることにつながってしまいます。

何かあったらサポートするという姿勢を維持しながら、できる限り自由にやらせることを心がけましょう。

2. 少し背伸びした課題を与える

相手の能力を少しだけ上回るような課題を与えて、それをクリアさせることを繰り返すことで、相手も徐々に自信を付けるようになります。
課題のレベルが、自身の能力よりも少し上回ったものであることも実感できるはずなので、「期待してもらっている」と感じ取ってもらいやすいのもポイントです。

クリアすべき課題のハードルの高さを間違えると、自信を喪失させてしまいかねないので、課題の難易度調整には十分注意しましょう。

3. 叱責を期待や希望を伝える言葉へと変換する

相手がミスをした場合はもちろん叱責しなければなりませんが、その際にただ叱責するのではなく、期待や希望を伝える言葉を用いることが重要です。
たとえば同じミスを何度もしてしまうような相手に対して、普通は「何度言ったら分かるんだ」「前も同じことしてなかった?」と叱責してしまいがちです。

しかし「このミスさえなくせれば一皮むけられると思うから期待してるよ」というように伝えることで、相手も前向きな気持ちで対処できるでしょう。

4. 常に褒める姿勢をくずさない

褒められて嫌な気持ちになる人はいません。
上述した内容に少し関わりますが、目標達成に向けて「頑張れ」と言われるよりも、「君ならできる」と言われるほうが、モチベーション向上につながるはずです。
相手に伝える言葉の選び方は、非常に重要です。

 

ビジネスの場でピグマリオン効果を活用する際の注意点

ピグマリオン効果を活用する際、部下の褒め過ぎに注意が必要です。
部下を褒め過ぎると逆に現状に甘えたり、仕事の手を抜く恐れがあり、成長を自ら止めてしまう場合があります。

期待をかけられることでその期待をしっかりと受け止め、自己鍛錬していく部下もいますが、
中には上司のかける期待に褒められたことで、満足してしまう部下もいることを念頭に置いておきましょう。

部下の性格や現在の状況を把握し、課題をクリアできたら新たな課題を与えて、現状に満足しないように導くことが重要です。
ピグマリオン効果活用の際は、部下の性格などを考慮することが大切です。

 

ピグマリオン効果を効果的に活用しよう

人に接するときにピグマリオン効果を意識するかしないかで、その人の変化の方向性や挙げられる成果の質や量は、大きく変わります。
多くの人の上に立って指示を出すようなポジションにいる人は、組織の成果を最大化するためにも、ピグマリオン効果を意識した対応を心がけましょう。

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