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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2020/11/25 13:44

人材育成

ロールモデルとは【人材/キャリアアップ】

読了まで約2分

「平成生まれの退職理由ランキング」によると、
新卒採用から3年以内に退職した若手社員の25.5%は、「キャリア成長が望めない」ことを苦にしています。[注1]
若手人材を確保し、企業の将来のためにリテンションしていくためには、若手のキャリアアップを支える仕組みづくりが欠かせません。

本記事では、若手のキャリアパスのサポートに役立つ「ロールモデル」の基礎知識や活用方法を解説します。
ロールモデルの活用は、多額の教育研修費用がかけられない中小企業にも適した方法です。

[注1] openwork:平成生まれの退職理由って?

ロールモデルとは?組織の見本となる人物のこと

ロールモデル(Role model)とは、1940年代のアメリカで提唱された概念で、組織においてお手本となるような人物を意味します。
組織の構成員がロールモデルを模倣すれば、スキルや技能を直接学ぶことができ、組織全体のパフォーマンスが向上します。
ロールモデルに選ばれる人は、リーダーシップに優れ、豊富な経験やスキルを持っているのが一般的です。

とはいえ、ロールモデルはすべての面で社員のお手本である必要はありません。
特定の知識やマネジメント能力に秀でた人をロールモデルに選定し、社内に周知するのが、一般的なロールモデルの活用方法です。
複数の人をロールモデルに選定する企業も少なくありません。

 

ロールモデルがもたらす3つの効果

ロールモデルを社内に周知すると、どのような効果が得られるのでしょうか。
とくに若手のキャリア形成に与える影響が大きいことがわかっています。

1. 若手のキャリア形成をサポートできる

ロールモデルを導入する最大のメリットは、若手社員のキャリア開発に良い影響をもたらす点です。
初期キャリアにおいて、社内での自分の立ち位置がわからず、キャリア形成に悩む若手は少なくありません。

全国求人情報協会の調査では、現在の仕事に「活躍実感がない」と回答した若年層の割合は37.7%であり、
「活躍実感がある」と回答した25.1%を大きく上回っています。[注2]

若年層がお手本にできるロールモデルがいれば、自己理解を深め、自分の仕事やキャリアへの納得感を深められます。
メンターから若手時代の努力や苦しみについて直接聞ければ、早期退職を希望する若手も考えを変えるかもしれません。

若手人材を確保し、企業の将来のためにリテンションしたい企業は、ロールモデルを活用しましょう。

[注2] 若者の就職・転職の在り方に関する研究会:若者にとって望ましい初期キャリアとは

2. ロールモデルは組織を活性化させる

ロールモデル制度を導入すると、2つの理由で組織が活性化します。
まず、社員とロールモデルの1対1のコミュニケーションが生まれます。
ロールモデルからスキルを学ぼうとし、社員1人ひとりに能動性や積極性が生まれます。

また、自分がロールモデルになろうとする社員が増えるのもポイントです。
後輩社員にとってのロールモデルを目指すことで、仕事への取り組み方が変化したり、
さらに下の世代へのサポート意識が生まれたりして、組織全体の活性化につながります。

3. マイノリティ人材が活躍できるようになる

ロールモデルの導入はマイノリティ人材の活躍にもつながります。
とくに女性は妊娠・出産・育児を契機に退職し、キャリア継続が困難になる人もいます。

しかし、身近に仕事との両立に成功した女性のロールモデルがいれば、経験者のアドバイスを直接受け、自身のキャリア形成に活かせます。
女性をはじめとしたマイノリティ人材の活躍を推進したい企業は、ロールモデルの導入がおすすめです。

 

ロールモデルを活用するための3つの手順

若手やマイノリティ人材のキャリア形成を支援したい企業は、次の3つの手順でロールモデルを活用しましょう。

1. まずはロールモデルを選定する

まずは、企業としてどのようなロールモデルを提示したいか決定し、人選を行います。

たとえば、女性の活躍を推進したい場合、育児と仕事の両立に成功した女性社員や、女性管理職をロールモデルとします。
可能な限り、年代別にロールモデルを用意することで、若手人材がキャリア開発の参考にしやすくなります。

2. ロールモデルを育成する

人選を終えたら、職場内研修(OJT)や集合研修(Off-JT)を行い、ロールモデルを育成します。
モチベーション、リーダーシップ、マネジメント能力、特定の技能やスキルなど、ロールモデルに求める要素を中心に教育訓練を行います。

3. ロールモデルを模倣してもらう

最後に、ロールモデルの存在を社内に広く知らせましょう。

たとえば、社内報への掲載や、イントラネットでの情報公開といった手段で周知徹底を行い、ロールモデルを身近な存在として感じてもらえるようにします。
また、新卒採用を強く意識する企業は、採用活動にロールモデルを起用するケースもあります。

 

ロールモデルを活用して若手のキャリア形成をサポートしよう

新卒入社から3年以内に退職した若手人材の多くは、「キャリア成長が望めない」ことを理由に挙げています。
若手のキャリア形成は、とくに人材確保に苦労しがちな中小企業にとって悩みのタネです。

若手社員のキャリアアップを支援したい企業は、ロールモデルの導入を検討しましょう。
ぜひロールモデルの選定・育成・周知の3つのステップで、社内のコミュニケーションを活発化し、若手社員やマイノリティ人材のキャリアアップにつなげてください。

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