更新日:2021/03/18 16:10
経営
人材育成
サーバントリーダーシップとは?必要なスキルやメリットなどを解説【働き方/離職率低下】
読了まで約2分
リーダーシップと聞くとトップダウン式のマネジメントを連想しがちですが、
近年組織力向上のためにボトムアップのマネジメント手法を導入する企業が増加傾向にあります。
中でもサーバントリーダーシップとは、メンバーが持つ力を最大限に発揮させ、事業に対する貢献力を向上させたり、
メンバー個人の成長にコミットしたりする新しいマネジメント手法です。
今回はサーバントリーダーシップが求められる理由や必要なスキルについてご紹介します。
目次
組織におけるリーダーシップのタイプとは
そもそもリーダーシップとは、指導力や統率力と表現され、目標達成をするために組織に行動を促すことです。
そしてマネジメントにおけるリーダーシップには「サーバントリーダーシップ」と「支配型リーダーシップ」の2つがあります。
ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。
サーバントリーダーシップ
サーバントリーダーシップとはアメリカのロバート・グリーンリーフ博士によって提唱された組織マネジメントの概念で、
「リーダーはまず部下に奉仕し、その後部下を導くものである」という考え方のことです。
この考え方をもとに、サーバントリーダーシップは部下との信頼関係をベースに、上司が部下の能力を肯定し、サポートすることで組織の成長を促していきます。
支配型リーダーシップ
支配型リーダーシップとは従来から続けられてきている、リーダーから部下へのトップダウン式のマネジメント手法です。
支配型リーダーシップでは、リーダーの考え方や価値観を貫き、組織を動かしていきます。
サーバントリーダーシップは部下とのコミュニケーションを重視する一方で、
支配型リーダーシップは上司から部下へ、コミュニケーションが一方通行であることが一般的です。
サーバントリーダーシップが求められる理由
近年日本でも注目されるようになったサーバントリーダーシップ。
従来の支配型マネジメントからサーバントリーダーシップへの移り変わりが増えているのには一体どのような背景があるのでしょうか。
働き方が多様化した
同一労働同一賃金制度の導入やリモートワークの普及などによって、以前よりも働き方の選択肢が増えています。
これによって人材の流動が激しくなり、多くの企業では人材の確保が急務に。
そこで従業員満足度を上げるための一環で、マネジメント手法が見直されているのです。
組織に対してイノベーションを求められるようになった
長引く不況によってリスクを取ることを恐れている組織が増えている一方で、グローバル化が進んでいることによって市場における競争は増しています。
厳しい戦いに勝ち抜いていくためには、市場の流れや顧客ニーズを理解し、画期的なサービスを生み出せるような組織への変革が求められるようになったのです。
バントリーダーシップのメリット
サーバントリーダーシップはリーダーの私利私欲ではなく、メンバーの成長にコミットし、組織全体のレベルを引き上げていく新しいマネジメント手法です。
ここでは、サーバントリーダーシップのメリットについてご紹介します。
組織の心理的安全性が高まる
心理的安全性とは、他人の反応を気にすることなく業務において必要な意見を述べたり、行動したりできる組織の状態のことです。
組織の心理的安全性が高まることによって、組織のメンバーが安心して業務に取り組むことができるようになり、組織の生産性が高まるでしょう。
離職率を下げることができる
サーバントリーダーシップは、マネジメント層とメンバーの信頼関係をベースに組織運営を行い、
組織としての目標を追うだけではなく、メンバー個人の成長にもコミットします。
リーダーは必然的にメンバーとの関わりが増えるため、モチベーションの変化に気づくことができ、
メンバーに対して直接アプローチをすることで離職率を下げることができるのです。
新たなアイデアが生まれやすくなる
サーバントリーダーシップを取り入れることで、メンバーから「自分の考えが他者から否定される不安」を取り除くことができるため、
意見やアイデアをリーダーやメンバーに伝えやすくなります。
誰もが発言しやすい環境を作ることで、組織のコミュニケーションが活発になり、画期的なアイデアが生まれやすくなるでしょう。
サーバントリーダーに求められるスキル
トップダウン式の一方的なマネジメントではなく、メンバーとの信頼関係を重視し、
コーチングやメンタリングによって部下の行動変化を促す新しいマネジメント手法であるサーバントリーダーシップ。
サーバントリーダーシップを正しく発揮するためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
傾聴力
傾聴力とは元々心理学で使われる用語で、相手の話を熱心に聞くことができるスキルのことです。
サーバントリーダーはただ相手の話を聞くだけではなく、話し手の動作から感情を読み取り、気持ちに寄り添いながら話を聞くことが求められます。
リーダーがメンバーの意見に耳を傾け、メンバーが何を望んでいるのか推し量ることで、個人の目標だけでなく、
チームの目標を明文化することが可能になるのです。
先見力
先見力とは物事を先まで見通せるスキルのことで、さまざまな外部要因から組織を取り巻く環境が日々変化している現在においてとても重要になります。
また、組織運営における先見力には、「リーダーとして組織をこういった状態にしたい」と目標を掲げ、
実現するためには何が必要になるのかを考えられる逆算思考も必要です。
コミュニケーション力
コミュニケーション力とは、相手に自分の考えを円滑に伝えるためのスキルのことで、
中でもビジネスにおいては「組織の目標達成のために周囲と協力したり、相手を説得したりするスキル」が求められます。
特にサーバントリーダーシップは組織内の信頼関係が基礎となっているため、コミュニケーション力は必要不可欠といっても過言ではないでしょう。
説得力
サーバントリーダーには、「上司と部下」の立場を利用して部下を服従させるのではなく、部下がきちんと納得した上で行動できるような説得力が必要になります。
古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスは、人を説得するために必要なことは「信頼」「感情」「理論」の3つであると定義しており、
時代背景は異なりますがこの考え方は現在のビジネスにおいても同じ。
このうち「感情」と「理論」は、話し方の工夫や訓練などでクリアできる要素ですが、「信頼」は自分だけではどうにもできません。
コミュニケーションは、相手とのキャッチボールによって成立するもの。
部下からの「信頼」を得るためには、相手の話を肯定しながら聞くことが重要になります。
執事役
サーバントリーダシップの、サーバント(servant)には「奉仕」の意味があり、「メンバーへの奉仕をすることがリーダーシップである」と定義されています。
そのため、サーバントリーダーシップにおける執事役とは、リーダーが中心となって物事を進めていくのではなく、
メンバーの成長を第一に考え、サポートするように物事を進めるスキルのことです。
執事役のスキルを身に着けることによって、リーダーに対する不満が生まれにくくなり、組織内の人間関係が円滑になるといったメリットが生まれます。
サーバントリーダーシップは部下との信頼関係を重視する新しいマネジメント手法
今回はサーバントリーダーシップについてご紹介しました。
従来の組織におけるリーダーには、強い発言力によって組織をけん引することが求められていましたが、
企業を取り巻く環境の変化によってマネジメント手法の見直しが進められています。
近年注目されているサーバントリーダーシップは、部下の目標や自己実現を明確にし、主体的な行動を促すことが求められるため、
部下とのコミュニケーション頻度を高めて、信頼関係を築くことが成功へのカギです。
新たな組織運営の方法を模索されている方は、サーバントリーダーシップを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
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