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株式会社武蔵野経営サポート事業部

MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2021/11/14 11:35

働き方

サステナビリティの課題への取り組みのポイント【SDGs/企業戦略】

読了まで約3分

1.サステナビリティとは何か

全世界的な課題として取り上げられているサステナビリティの課題についてまずは理解を深めることが経営者には欠かせません。

漠然としたイメージだけで取り組み方を考えていては本質を逃してしまうことになりかねないからです。

サステナビリティとは字義的には持続可能性のことです。

特に現代社会では持続可能な社会を築き上げるという観点でサステナビリティという言葉を使うことが多くなっています。

ただ、本来の意味はもっと広く、人間社会だけでなく地球環境や世界経済、

そしてそれを支える企業の持続可能性についても示しているのがサステナビリティです。

 

サステナビリティに関する取り組みはCSR活動としてよくまとめられています。

CSRは企業の社会的責任とも訳されるもので、

企業として利益を目的とした事業を展開していく中で社会に対して貢献もすべきだという考え方に基づいて生まれてきました。

環境に配慮した製品を作るべき、生活に苦しんでいる人たちを支援すべき、

地域活動を活発にするためにサポートすべきといった色々な考え方があるでしょう。

CSR活動というレベルでは実はサステナビリティとは類似性があるものの、かけ離れてしまっている部分もあります。

CSR活動の場合、基本的には社会に対しての貢献になっている活動が全般的に含まれます。

その中でも社会や経済、環境などの持続性についての寄与があるものがサステナビリティに貢献していると考えると良いでしょう。

 

つまり、今までは社会の人が喜んでくれれば良いというスタンスでCSR活動を行ってきたケースも多く、それが高く評価されてきました。

それは今後もCSR活動としては高い評価を得られる可能性がありますが、サステナビリティという点ではマイナス評価になる可能性すらあります。

社会や環境の課題に取り組み、今後もずっと営みを続けられるようにするためにする努力が求められていると認識しましょう。

最近では企業によってはCSR活動とは別にサステナビリティ活動という項目を設けて情報発信をするケースも多くなっています。

あくまで持続可能性を高めるための取り組みとして分けるのが本質を見失わないためには欠かせないでしょう。

 

2.サステナビリティ活動とは

企業ではサステナビリティ活動に積極的に取り組んでいくことが求められていますが、サステナビリティ活動とは一体どのようなものなのでしょうか。

実はサステナビリティ活動は具体的に定義されているわけではなく、

漠然とした目標として社会や経済、環境や企業が持続できるようにすることが掲げられ、その実現のための取り組みを全般的に指しています。

ただ、指針としては持続可能な開発目標がよく話題に上げられています。

持続可能な開発目標とはSDGsとも呼ばれているもので、2015年の国連サミットで採択されたサステナビリティ活動に関する2030年までの国際目標です。

 

SDGsでは目標を17種類に大別し、細かく169のターゲットを挙げてどのような取り組みをすべきかを明確にしています。

どのような活動がサステナビリティ活動になるかを判断するにはSDGsで掲げられている17の目標を理解しておくことは必要でしょう。

貧困を終わらせること、持続可能な農業を促進すること、年齢を問わずに健康と福祉を重視すること、

生涯学習を促すことといった内容から始まっています。

ジェンダーの平等性、水と衛生の持続可能性、持続可能なエネルギーの確保、雇用の充実といった形で思想やインフラに関わる部分にも触れています。

産業化の促進、国家間の平等、安全で持続可能な居住の確保、生産消費形態の持続性の獲得、気候変動への対策も重要な観点です。

海洋保全、陸域生態系の保護回復、平和で公平な開発の実現、そしてグローバルパートナーシップの活性化が挙げられています。

 

多岐にわたる目標の中で、事業と関連付けられるものは何かを考えて取り組むべきサステナビリティの課題を見つけ出すことが企業にとって欠かせません。

例えば、工場で製品生産をしている場合を考えてみましょう。

その工場で排出されているCO2を減らすことで気候変動への悪影響を軽減できます。

使用している水の回収と再利用をすれば貴重な水資源の確保や海洋汚染の防止ができるでしょう。

雇用を促進して工場で働く従業員を増やし、男女のバランスを整えていくのもサステナビリティ活動になります。

この他にも製品の原料を持続可能な資源から獲得したり、環境汚染の心配がなく自然に分解される資材で製品を製造するのも重要な取り組みです。

 

環境保全などに関わる技術開発のために、企業内で研究開発費に投資をすることもサステナビリティ活動に含まれます。

また、マーケティングや営業も重要なもので、環境負荷が少ない製品を開発したら一般消費者に積極的に使ってもらえるようにしていくのは、

持続可能な生産消費形態の確保に直結します。

このように幅広い角度からサステナビリティ活動に取り組むことができます。

 

ただ、それが本当にサステナビリティ活動なのかどうかを明確にし、

世の中に発信しなければサステナビリティのために努力をしている企業だと認めてもらうことはできません。

現代では、投資家が資金を投入する企業を選ぶときや、

銀行などの金融機関が融資の審査をするときなどにもサステナビリティへの取り組みについて評価をしていることが多くなりました。

消費者の中にもブランドを意識し、サステナビリティ活動を活発に展開している企業のものを選ぶ傾向が生まれてきています。

そのため、企業が持続可能な体制を整えるためには、サステナビリティ活動をただ実行するだけではなく、

社会にわかりやすく発信して認識を深めてもらうことが必要になっています。

 

3.企業としての取り組みを社会に発信しよう

このようにして見てみると、サステナビリティ活動では二つの大きな課題があることがわかります。

一つ目は何をするか、二つ目はどのようにして発信するかです。

何をすべきかは、事業を見直すことで自然に見えてくる場合が多いでしょう。

今後の事業継続性を考える上で欠かせないのが発信方法の検討です。

何をするかを決めて取り組みを始めたら、プレスリリースや広報誌などで新しいサステナビリティ活動について社会に伝えることはできるでしょう。

しかし、それによって注目を浴びて高い評価を受けられるのはほんのわずかな期間だけです。

場合によっては取り組みの価値がわからず、話題にはなっても高い評価を受けられずに終わってしまうこともあります。

 

また画期的な一つの取り組みをするのは難しいけれど、一つだけ見たら取るに足らないようなことをいくつも行っていくことで、

全体で見るとサステナビリティに大きな貢献ができるという場合もあります。

その価値は専門家には理解できたとしても、一般の人にわかりやすく説明するのは困難なことも少なくありません。

このような課題点を考慮し、いかにして企業やブランドとして積極的にサステナビリティ活動を展開し、

その成果も上がっていることを示せるようにするかが重要になります。

そのためのアプローチとして有用なのが数値化です。

 

例えば、工場で製品の製造をして販売している事業の場合にCO2排出量を削減する取り組みをしていく方針を立てたとしましょう。

やり方としてはエネルギーコストを下げるために設備を入れ替えたり、排気に含まれるCO2を吸収させて回収し、

社内で別の用途で利用するといったアプローチがあるでしょう。

その成果を数値化して評価することにより、取り組みの価値がわかりやすくなります。

年間のCO2排出量がいくつからいくつに下がった、あるいは製品生産量あたりのCO2排出量がいくつになったといった形で数値化して評価することは可能でしょう。

指標の取り方によって見た人に与えられるインパクトも異なるため、取り組む内容に応じて変化がはっきりとわかる表を選ぶのが大切です。

 

また、数値化することにより継続的な取り組みの評価を定期的に発表して認知してもらうことが可能になります。

毎年どのくらいになったかを示し、数値が好ましい方向に動いていればサステナビリティ活動を適切に行っている企業だという評価を受けられます。

特に成果が大きかった部分を取り上げて、ブランドのプロモーション活動も行えばイメージが向上し、

全般的な売り上げの拡大にもつながると考えられるでしょう。

このような評価は、多数の指標を用いるのがさらに効果的です。

設備投資によって消費する電力が減ったなら、年間消費電力量も計測して数値を発表すると減少した様子を理解してもらえます。

指標の作り方は自由なので、社会や環境に貢献したことを示せるように工夫をしましょう。

 

CO2排出量のように、一般的に用いられている指標を使うと人々から受け入れてもらいやすく、取り組みの価値も正しく把握してもらえるので理想的です。

一方、他社の指標を参考にして同じものを用いると比較評価されるようになります。

自社の取り組みの方が優れていると知って欲しい場合には効果的ですが、

独自性があってわかりにくい指標の場合には一般の人が混乱する恐れもあるので注意が必要です。

指標の取り方と数値化の方法が与える影響は大きいので、サステナビリティ活動を展開するときには慎重に検討しましょう。

 

4.サステナビリティ活動を実施して成果を発信しよう

企業の責任としてサステナビリティへの貢献が求められるようになりました。

社会や環境、経済や企業が持続可能な状況を維持できるような取り組みをSDGsを参考にして行っていくのが大切です。

サステナビリティ活動では何をするかを事業内容に合わせて考え、さらに結果を発信する必要があります。

指標を選んで数値化し、誰でも評価しやすいように発信して活動の価値を高く評価してもらいましょう。

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