更新日:2024/03/26 16:00
経営
人材育成
チームビルディングとは【組織づくり/スキルアップ】
読了まで約4分
昨今のビジネスシーンでは、個人プレーに頼るのではなく、強力なチームを組んで問題解決にあたる企業が増えています。
チーム一丸となってゴールを目指す手法を「チームビルディング」と呼びます。
チームビルディングにおける「チーム」とは、社員が寄り集まっただけの「集団」とは別物です。
この記事では、チームビルディングの基本的な考え方や、チームビルディングのチームの意味、
チームビルディングを実施する目的について、わかりやすく解説します。
目次
チームビルディングとは?個人プレーを脱却し、チームで動く組織づくりを
チームビルディング(Team Building)とは、個人プレーを脱却し、チーム一丸となって問題解決を目指すための組織づくりのことです。
ここでは、チームビルディングという言葉を初めて知った方向けに、基本的な定義を解説します。
チームビルディングは、組織のパフォーマンスを最大化するための手法
チームビルディングの「チーム(team)」は、会社の同期や友達など、ただ寄り集まっただけの集団とは区別されます。
チームとは、共通の目的達成のために団結し、メンバー一人ひとりが主体的に自らの能力を発揮していく機能的な集団のことです。
チームビルディングの目的は、人材の再配置や社員への働きかけを通じて、高いパフォーマンスを発揮できる「チーム」を作り上げることです。
チームビルディングと「チームワーク」の2つの違い
チームビルディングはチームワークと次の2点で異なります。
- 必要に応じてリスクを取り、大きな目標の達成を目指す
- ただ協力するだけでなく、メンバー一人ひとりが成長することを目指す
チームビルディングはチームワークと違い、大きな変化やイノベーションが求められる業種でよく採用される組織開発手法です。
また、チームメンバーの成長が強く意識され、人材開発としての意味合いもあります。
チームビルディングの対象者は、新入社員・中堅社員から企業経営に関わるトップマネジメント層まで、会社組織に所属する全員です。
企業によっては、内定者のオンボーディング(受け入れ)の一環として、チームビルディングを採用するケースがあります。
なぜチームづくりが必要なのか?チームビルディングの3つの目的
なぜ、昨今のビジネスシーンでチームビルディングが注目を集めているのでしょうか。
ここでは、若手社員・中堅社員・管理者の3者の視点から、チームビルディングを行う目的を解説します。
1. 若手社員:主体性や当事者意識を育てられる
社会人になったばかりの若手社員のスキルアップの一環として、チームビルディングは大いに役立ちます。
チームビルディングでは、チーム一丸となって目標を達成する過程で、メンバー一人ひとりが主体性を持って行動することが求められます。
チームビルディングの取り組みを通じて、会社の将来を担う若手社員の主体性や当事者意識を育てることが可能です。
2. 中堅社員:マネジメントスキルやリーダーシップの養成につながる
入社3年目以降の中堅社員は、現場監督やチームリーダーといったロワーマネジメント層(現場で直接指示を出す人)としての役割があります。
チームビルディングにおいても、中堅社員はチームを機能させ、メンバーのポテンシャルを発揮させるための重要な働きをします。
中堅社員は将来のリーダーやマネージャー候補となる大切な人材です。
チームビルディングを通じて、メンバーを取りまとめていく経験を積むことで、
次世代のリーダーとしてのマネジメントスキルやリーダーシップを養成することが可能です。
3. 管理者:企業のビジョンを浸透させ、組織のパフォーマンスを最大化する
ミドルマネジメント層の人材は、チームビルディングを通じて「企業のビジョンを浸透させ、組織を牽引していく力」や
「部下を育成し、組織のパフォーマンスを最大化していく力」など、未来の経営陣として必要な資質を学べます。
チームビルディングは、新入社員から管理者まですべての人材が部門横断的に関わり、共通の目的に向かって協働する取り組みです。
チームビルディングを実施すれば、若手社員・中堅社員・管理者それぞれのスキルアップにつながるでしょう。
チームビルディングに取り組むメリット
チームビルディングを行うことで、実際にどのようなメリットが生まれるのか。メリットを3つご紹介します。
メンバーのモチベーションが高まる
メンバー同士の信頼関係を築くことで、仕事へのモチベーションが向上します。
一人では成し遂げられなかったことも、チームでなら達成できることがわかると、自ずとモチベーションも高まっていきます。
コミュニケーションが活性化してアイデアが生まれやすくなる
コミュニケーションが活性化すると、新しいアイデアが出やすくなります。
チームビルディングでは、メンバーの異なったそれぞれの意見をまとめ、自分では考えもしないアイデアに触れられ、各自の創造力を磨くことができます。
生産性が向上する
チーム内のコミュニケーションが円滑になり、情報共有がしやすくなることで、一人一人の生産性がアップします。
また、メンバー同士のノウハウ共有などが活発になることで、チーム内での問題解決能力の向上などが見込まれるでしょう。
チームビルディングにおける5つのプロセス
チームの状態を5段階に分け、次の段階を目指すにはチームビルディングで何が必要かを表したモデルを「タックマンモデル」といいます。
5段階のプロセスを紹介します。
形成期
チームができ、まだ間もない時期のことです。共通の目標が定まっていないどころか、チームメンバーのこともよくわからず、それぞれの役割も決まっておらず、お互いが様子を見ながら探っている状況です。
混乱期
意見の食い違いや対立が生まれる時期です。チームが誕生し、少し時間が経つと、メンバー間の考え方の違いによって、組織内で混乱が生まれやすいですが、この混乱期は、チームビルディングを行う中で必ず訪れます。
統一期
混乱期を乗り越えると、安定したチームへと形を変えていく時期です。チームの目標やメンバーぞれぞれの役割が組織内で共有されているため、チームの団結力は高まっており、意見を交換する議論の場も活性化されている特徴が見られます。
機能期
メンバーがそれぞれの役割を果たし、お互いフォローし合う体制ができている時期です。それぞれの役割を果たしながらチームとしても機能しているのがポイントで、共通の目的に向かって個々が能動的に動くことができています。
散会期
プロジェクトが終了したり、メンバーが異動したりすることで、チームの活動が終了する時期です。解散を惜しんだり、メンバー間で業務の姿勢を称え合うような様子が見られれば、チームビルディングは成功しているといえます。
チームビルディングを成功させるポイント
チームビルディングを成功させるために、以下3つのポイントをおさえましょう。
メンバーごとの役割やチームの方向性を明確にする
まずは異なるスキルや経験を見極め、各自の役割とチームの方向性を明確にしたうえで、チームビルディングに取り組みましょう。チームの方向性が明確に定まっていれば、各メンバーがモチベーションを保ちながら目標達成に向けて動くことができます。
こまめにコミュニケーションを取る
2つ目はこまめにコミュニケーションを取りましょう。自分の意見に蓋をして取り繕っていると、後々それが原因で大きな問題に発展してしまうかもしれません。チームリーダーは積極的にコミュニケーションを取り、コミュニケーションが円滑に取れる環境を作っていきましょう。
自主性を尊重する
3つ目は自主性を尊重することです。チームビルディングにおいて重要なのは、目標達成のため相互にサポートできるチームを作ることです。意識したいのは、それぞれの違いを受け入れ、尊重することです。そうすることで相互理解が進み、チームの団結力は強まります。
チームビルディングの具体的な手法
チームビルディングを行うための具体的な方法をご紹介します。
1on1ミーティング
メンバーのみでお互いへの理解を深めようとしても、なかなか距離が縮まらない場合があります。そこでチーム内の風通しを良くするには、まずはチームリーダーとメンバーが1対1で話せる機会を設けることです。1対1のコミュニケーションであれば、周りの目を気にする必要がないため、比較的早く本音を引き出せるようになります。
一人ひとりの意見を吸い上げ、チームビルディングに活かしていきましょう。
詳細:1on1ミーティングを活かし企業の活性化をはかろう!具体的な実施方法や実施のポイントなどを解説
ワークショップ
メンバーに主体的に行動してもらいたいときには、ワークショップを実施して、自主的な共同作業を促すのも効果的です。
内容は、楽しみながらできるものから意見交換が必要なものまで、多様なメニューを用意するのがおすすめです。協力して目標達成する経験を積むことで、チームへの信頼や安心感が生まれ、チームの一体感も強まります。
ゲーム
まだお互いへの理解が進んでおらず、組織内にぎこちなさや緊張感が漂ってしまう形成期におすすめなのが、緊張をほぐすゲームになります。
ゲームに勝つためには、メンバーの個性や役割分担をしっかりと把握する必要があるため、お互いへの理解が自然と進んでいき、また時間配分や相手チームの動向なども意識する必要があるため、戦略的な思考を養うことにも期待できます。
アクティビティ
チームとしての成果を上げるために、メンバーが共通の目標に向かって一致団結してもらいたいときには、チーム全員で身体を動かすアクティビティが効果的です。
アクション要素がある遊びは、あれこれと必要以上に思考を巡らせることがなくなるため、メンバー間の率直なコミュニケーションを促すきっかけになり、信頼関係や団結を深めるイベントといえるでしょう。
チームビルディングを取り入れ、組織のパフォーマンスを最大化しよう
チームビルディングは、チーム一丸となって問題解決を目指す組織開発手法です。
チームプレーやチームワークと違い、共同作業を通じて、メンバー一人ひとりが成長していくことを目指します。
新入社員やロワーマネジメント層、さらには管理者や経営陣まで、さまざまな階層のスキルアップにつながります。
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執筆者情報
佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役
1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。
経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。
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