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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/04/14 09:55

業務効率

見える化とは?可視化との違いや得られるメリット・実践方法とポイントを解説

読了まで約4分

業務の問題解決や改善のために「仕事の見える化を取り入れたい」と考えている企業も多いのではないでしょうか。
しかし見える化を企業活動に役立てるには、正しい方法やメリットを理解する必要があります。

この記事では、仕事の見える化のメリットや実践方法、抑えるべきポイントなどを解説していきます。
混同されやすい「可視化」との違いについても説明するので、ぜひ参考にしてください。

見える化とは

最初に見える化の意味や求められる背景、可視化との違いについて説明します。
それぞれの内容を理解することにより、見える化のメリットや実践方法も把握しやすくなるでしょう。

見える化の意味

見える化とは、企業活動の判断材料となる状態・進捗状況・実績などの情報や、業務に関する問題を見える状態にすることです。
問題が発生しても早急に解決できる環境を整えるだけでなく、問題自体が発生しづらい環境を実現するための取り組みをいいます。

見える化の起源はトヨタ自動車の製造管理です。
トヨタ工場における生産方式には、自働化という仕組みが推奨されており、自働化の道具としてアンドンというボタンが導入されています。
アンドンはランプの色の変化によって正常や異常などがわかるため、従業員は目に見える形で業務管理が可能になりました。

その後、1998年にトヨタ自動車株式会社の岡本渉氏が発表した論文、「生産保全活動の実態の見える化」において、見える化という表現が誕生したという経緯があります。

見える化が求められる背景

見える化が求められる背景として、人手不足の深刻化とITやデジタル技術の進化があります。

日本では若年者人口が減少を続けており、人手不足が深刻化しています。
そのような時代に企業が継続的に成長するには、業務プロセスの効率化や生産性のアップが必要です。
その手段の一つとして見える化があります。

また、ITやデジタル技術の進歩によって、経営上のデータ活用が効率化したという背景もあります。
リアルタイムかつ精度の高いモニタリングが実現したことにより、見える化そのものの水準が引き上げられているのです。
その結果、見える化施策は企業にとってスルーできない状況となっています。

ほかにも、データドリブン経営・DXへの期待や、企業経営上の透明性なども見える化が求められている要因です。

見える化と可視化の違い

見える化と可視化には、共通点と相違点があります。
共通点は「見えない情報を見える状態にする」という部分です。

相違点としては、見える化が「意思に関係なく見える状態」に対して、可視化は「意志によって情報が見える状態」です。
見える化が必然的である一方、可視化は任意ともいえるでしょう。

また、見える化に「あらゆる関係者の判断に共通認識があり、適切な行動につながる」という意味がある一方、可視化は「理解した情報をどのように判断するかは個人に委ねられている」という違いがあります。
見える化は状態の構築であり、可視化は状態の把握といえます。

 

仕事を見える化するメリット

仕事を見える化する主なメリットには以下があります。

  • 問題の早期発見や改善が行いやすくなる
  • 組織の活性化につながる
  • 業務効率化が実現できる
  • 効果的な人材育成に役立つ

それぞれ詳しく解説していきます。

問題の早期発見や改善が行いやすくなる

見える化により、客観的情報に基づきスムーズに状況を把握できるため、問題の予防管理だけでなく、問題が発生した際の早期発見にもつながります。
迅速かつ的確な原因の把握により、再発防止の効果も期待できます。

また、見える化はすべての業務を棚卸しする必要があるため、業務の標準化による属人化解消というメリットもあります。
標準化の実現によって社員個人のスキルや経験に依存することなく、再現性が高い業務フローの実現が期待できます。
その結果、品質および生産性の向上も見込まれるでしょう。

組織の活性化につながる

働いた成果や貢献度合いを見える化し、社員それぞれに最適化したマネジメントを行うことにより、モチベーションアップが期待できます。
一般的にモチベーションが高い社員が一定数存在すれば組織は活性化します。

また、見える化で透明性の高い人事評価システムが機能すれば、社員は自身の待遇に納得しやすくなります。
結果的に会社に対するエンゲージメントの向上も期待できるでしょう。

ビジネスにおけるエンゲージメントとは、社員と会社の関係性などを表す言葉です。
会社へのエンゲージメントが向上することにより、愛社精神や貢献する気持ちなどがアップします。

業務効率化・生産性の向上が実現できる

作業状況の見える化により、無駄な業務プロセスの削減や進捗管理の効率化が実現できます。
それにより、生産性の高い業務への人員配置につなげることが可能です。
結果的に人材リソースの最適化を実現しやすくなります。

また、適切な人材リソースの配分による業績の向上も十分に考えられます。
やり甲斐ある部署に異動した社員のモチベーションアップにつながるでしょう。

社員のスキルアップに役立つ

見える化により、社員それぞれの業務の進め方を共有できます。
生産性が高い社員のノウハウを全体で共有できるため、その他の社員が吸収することにより、1人ひとりのスキルアップが期待できます。

また、見える化はマニュアル作成に役立つため、新入社員へのスムーズな教育が可能です。
アルバイトやパート、派遣スタッフに対しても、マニュアルがあることで業務の効率化につながるでしょう。

 

見える化の実践方法

見える化の主な実践方法の流れは以下です。

  1. マニュアルを作成する
  2. 時間管理やタスク状況を記載する
  3. 記載情報の調査や分析を行う

それぞれステップごとに解説していきます。

1.マニュアルを作成する

まずはフォーマットを統一し、見える化に関するマニュアルを作成します。

マニュアルはシンプルな業務工程を記載するだけでなく、わかりやすく画像や番号をつけることが大切です。
「なぜこのタスクが必要なのか」といった目的や意図も言語化し、工程ごとに解説します。
担当者以外の社員がマニュアルを読んで内容を把握できるかどうかも考えてみてください。

なお、全部署で共通のマニュアルを作成するよりも、部署別に作成するほうが効果的でしょう。
部署によって担う業務も違えば、工程が異なる可能性もあるからです。

2.時間管理やタスク状況を記載する

マニュアル化した後、社員は時間管理や進捗管理、タスクの状況などを記載します。
ガントチャートのようなツールを使用する方法もありますが、エクセルでも実践可能です。
その場合は図、画像、グラフを多用するとよいでしょう。
条件に応じて色を使い分けることも大切です。

ただし、入力に時間がかかるツールを導入した場合、適切に情報を記録できなかったり、社員が不満を抱いたりするリスクがあるため工夫が必要です。
たとえば「ツールの簡易マニュアルを作成して共有する」といった方法などが考えられます。
もしくは、直感的に利用しやすい専用ツールを採用するという選択肢もあります。

3.記載情報の調査や分析を行う

各社員がツールなどに記載した情報を定期的に確認したうえで、業務フローが適切かどうかを判断します。
課題が見つかった場合は見直しや改善が必要です。

また、見える化マニュアルの作成や、ツールへの記載だけで終わることなく、課題の発見や業務改善までを行う必要があります。
適切にPDCAサイクルを回しながら、見える化をブラッシュアップさせる意識が大切です。

 

見える化で業務改善を図るポイント

見える化で業務改善を図るポイントは、情報の正しい選別と目的の明確化です。
それぞれ解説するので参考にしてください。

見える化する情報は正しく選別する

すべての情報を見える化すると、業務効率とモチベーションの低下につながる可能性があるため、見える化する情報は正しく選別することが大切です。

その理由に社員の不自由さやプレッシャーがあります。
会社が一方的に見える化を進めた場合、さまざまなルールの追加によって、「あらゆる行動を監視されているのでは?」と社員が息苦しさを感じる可能性があるのです。
その結果、仕事に対して消極的になり、業務効率が低下するリスクが考えられます。

また、見える化を意識して営業成績を社内に張り出した場合、すべての営業担当者が快く思うとは限りません。
営業成績が低い社員だけでなく、一時的に成績がよかった社員もプレッシャーを感じるでしょう。
見える化する情報は、社員に圧迫感を与えない程度に留めることが大切です。

見える化の目的を明らかにする

そもそも見える化は業務改善の手段であり、見える化自体が目的ではありません。
しかし見える化を導入する目的が不明瞭な場合、見える化自体に意識が働き、本質から外れる可能性があります。
結果的に業務を見える化できたとしても、本来の目的が達成できない事態に陥るため、最初に目的を明らかにすることが大切です。

具体的には、「なぜ見える化が必要なのか」「どうして現在のルールを変更してまで業務改善が大切なのか」を経営幹部が認識したうえで、全社員に説明する必要があります。
見える化の目的を明確にすれば具体的なアクションを明らかにでき、社員の積極的な行動にもつながります。

 

会社方針や目標の見える化には経営計画書の活用がおすすめ

仕事を見える化することにより、問題の早期発見や組織の活性化、業務効率化、効果的な人材育成といったメリットがあります。

具体的な導入方法としては、最初に見える化に関するマニュアルを作成した後、社員に時間管理やタスク状況を記載してもらい、その後に調査や分析を行います。

見える化の目的を社員に浸透させるには、武蔵野の経営計画書が役立ちます。
経営計画書は手帳型のルールブックです。社員1人ひとりが携行することにより、経営者のミッションや経営方針などを浸透させるツールとして評価を得ています。

無料でお試しいただけるので、ぜひこの機会にお申し込みください。

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