更新日:2023/08/25 14:15
採用
採用ブランディングとは?注目される理由や成功させるポイント・成功事例を紹介
読了まで約4分
「採用ブランディングの意味を知りたい」「採用ブランディングの方法や成功するポイントを理解したい」とお考えの企業経営者や代表者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、採用ブランディングの概要とメリット、手順、成功のポイントについて解説します。
最後に企業の成功事例についても紹介するので参考にしてください。
目次
採用ブランディングとは
まずは採用ブランディングの意味と目的、注目される理由・背景について解説します。
採用ブランディングの意味
採用ブランディングとは、採用活動において自社のブランド力を高める戦略を指します。
企業のミッション、ビジョン、理想的な社員イメージ、社員のパーソナリティ、企業内の雰囲気やイメージなどを情報発信することにより、戦略的にブランドを構築する手法です。
採用ブランディングによって「この企業で働きたい」「この企業の社風に魅力を感じる」などの価値を認識してもらえるという効果が期待できます。
採用ブランディングの目的
採用ブランディングの目的は、自社に見合った人材の採用です。求人応募数の増加だけではなく、母集団の質自体をアップさせる効果が期待できます。
採用ブランディングが機能することにより、企業の価値観と合致した人材を採用できる確率が高くなります。
なお、新卒採用では、学生本人以外の友人、家族、指導教員など、幅広い関係者に対しても自社のブランド価値を向上させるという目的があります。
中途採用も基本的には新卒と共通していますが、より社会人の関係者が多いという点が特徴的です。
その結果、他企業の社員に対しても、「この会社に転職したい」と思ってもらえる可能性があります。
採用ブランディングが注目される理由・背景
採用ブランディングが注目される理由や背景に労働人口の減少があります。
人材採用が激化している中で、自社が優秀な人材を獲得するには採用力の強化が大切です。
そのためには、自社のWebサイトを見て直接応募する求職者だけでなく、採用ブランディングによって広範囲にまで採用情報を届ける必要があります。
また、求職者はSNSによって企業の評判を収集できるようになりましたが、中には誤った情報が混ざっていることがあります。
そのような状況下において、企業の側から正しい情報を伝えるためにも、採用ブランディングは重要と考えられています。
「いずれ転職したい」と考えている社会人に対しても採用ブランディングは効果的です。
好印象を与えることにより、実際に転職活動を始めた際に応募してもらえる可能性があるからです。
採用ブランディングに取り組むメリット
採用ブランディングは新卒・中途採用にかかわらず、採用活動や入社後の人材育成に有利に働きます。具体的な内容には以下があります。
・企業に対する認知度が向上する
・採用にかかるコストを抑えられる
・人材の定着や活躍につながる
それぞれ解説するので参考にしてください。
企業に対する認知度が向上する
採用ブランディングにより、さまざまな人材に自社の情報を届けられるため、企業価値や存在に対する認知度の向上が期待できます。
自社の採用ページやSNSのブランディング効果も見込めるため、志願者に適した方法で情報を伝えることが可能です。
また、採用ブランディングは競合他社との差別化にもつながります。
企業のブランドイメージが向上していれば、優秀な人材に選んでもらえる可能性が高くなります。
採用にかかるコストを抑えられる
採用ブランディングによってコストを抑えられるというメリットがあります。
転職サイトや人材紹介からの応募が増えるだけでなく、ダイレクト・リクルーティング、リファラル採用、自社サイトの採用ページからの募集に成功する可能性があるためです。
なお、転職サイトは企業が求人情報を掲載できる媒体、人材紹介は自社に合った人材を紹介してもらえるサービスです。
ダイレクト・リクルーティングは企業の側から求職者をスカウトする手法であり、リファラル採用は自社の社員からの紹介採用です。
人材の定着や活躍につながる
採用ブランディングによって求職者が自社の価値観に共感し、エンゲージメントが高い状態で入社を決めてもらえるため、ミスマッチを防止できるというメリットがあります。
その結果、人材の定着率が向上するでしょう。
また、採用ブランディングを通して自社の魅力が認知されることにより、社員が誇りを持って業務に従事できるため、モチベーションを維持しやすいという効果も期待できます。
採用ブランディングを行う方法・手順
採用ブランディングの一般的な方法・手順は以下です。
1.目的や基本情報の整理
2.ユーザー目線での戦略の立案
3.採用コンセプトの作成
4.採用活動の開始・改善
ここで紹介するのは基本的な方法となるため、実際に導入する際は自社の状況に合わせて変更やアレンジを行ってください。
1.目的や基本情報の整理
まずは採用ブランディングを導入する目的や、達成したい目標を整理します。
具体的には、採用人数や定着率のような定量的な視点と、採用活動における改善項目のような定性的な視点の双方から考えることが大切です。
次にビジョンと事業戦略を整理します。
自社の魅力と価値、理想的な人材イメージを明確にするため、自社、市場、競合それぞれの視点から強みと課題を抽出します。
2.ユーザー目線での戦略の立案
事業戦略や自社の強み・課題などを確認した後、自社に必要な人材を洗い出します。
その際は求職者に求めるスキルや能力と、内面の価値観を切り分けたうえで具体的に採用したい人物像をイメージします。
例えば前向きな人材を採用したいと考えている場合、「困難に遭遇してもポジティブに対応できる人材」や「率先してチャレンジする人材」など、ユーザー目線を重視して具体化していきます。
より細かな属性として、家族構成、交友関係、趣味、金銭感覚などを設定してもよいでしょう。
3.採用コンセプトの作成
自社が理想とする人材の共感を得るために、自社の価値や魅力を文章にまとめたうえで、採用コンセプトに落とし込むステップです。
その際はブログやSNSのようなオンラインと、面接のようなオフラインを組み合わせた設計を考えます。
求職者とのファーストコンタクト、求人応募、書類審査、面接といったように、段階別に入社意欲がアップするような設計を行ってください。
4.採用活動の開始・改善
採用サイトを公開しつつ採用活動をスタートします。
情報発信手段によって必要なコンテンツは異なりますが、いずれにしても「求職者の関心につながる有益なコンテンツを準備できるかどうか」が重要です。
採用選考が終了した後、改善ポイントを洗い出します。
具体的には、採用活動全体の振り返りと、「求職者に自社の魅力が伝わったかどうか」という観点からの検証が大切です。
その後に改善点を反映させたうえで、次回の採用選考に臨みましょう。
採用ブランディングを成功させるポイント
採用ブランディングを成功させる主なポイントとして以下の内容が挙げられます。
・迅速かつ継続的な取り組み
・社内環境の整備
採用ブランディングは時間がかかるため、迅速かつ継続的な取り組みが大切です。
可能な限り早期にスタートするだけでなく、長期的に続けることにより、優秀な人材と接触する機会を増やせます。
また、社内環境の整備によって、採用ブランディングの内容と入社後のギャップを防止できます。
例えば「清潔感あふれる企業」というイメージを伝えていた場合、実際の社内環境に関しても整理・整頓やこまめな清掃を徹底する必要があります。
採用ブランディングの成功事例
最後に採用ブランディングの成功事例として以下3社を紹介します。
・日本マクドナルド株式会社
・株式会社メルカリ
・サイボウズ株式会社
日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルド株式会社では、店舗で働くクルーを中心とした考え方を徹底しています。
本社や経営陣はクルーを支える立場というポジションです。
さらに応募サイトでは、新卒・第二新卒採用情報、店舗中途採用情報、オフィス中途採用情報など、カテゴリ別にわかりやすく情報提供されています。
このように日本マクドナルド株式会社では、常にクルー中心の情報発信をしながら採用ブランディングに努めています。
株式会社メルカリ
株式会社メルカリ社はオウンドメディアの「mercan(メルカン)」によって採用ブランディングに成功しています。
メルカリで働くスタッフの記事を公開することにより、人を魅せるブランディングを強化した事例です。
得られた効果として、「mercan(メルカン)」の記事を読んだユーザーからの求人応募が多く、創業から5年目には社員数が1000人を超えています。
出典:mercan(メルカン)
サイボウズ株式会社
「チームワークあふれる社会を創る」が理念のサイボウズ社では、一人ひとりのワークスタイルを尊重する働きやすい会社という採用ブランディングに成功しています。
得られた効果として、2005年には28%だった離職率が、2018年には4%にまで減少しています。
採用ブランディングで自社に合った人材の採用・育成を目指そう
採用ブランディングとは、採用活動における自社ブランドの強化戦略であり、自社に見合った人材の採用という目的があります。
採用ブランディングのメリットとして、企業に対する認知度の向上、採用コストの削減、人材の定着と活躍があり、成功させるポイントは迅速かつ継続的な取り組みと社内環境の整備です。
実際に社内環境を整えるには、武蔵野が提供している「環境整備」が役立ちます。
「環境整備」とは、仕事をやり易くする環境を整えて備える。仕事のやり方・考え方に気づく習慣を身に付ける仕組みです。
そのために整理、整頓、清潔の徹底からスタートします。
また、入社後の人材育成に関しては「経営計画書」を活用してください。
「経営計画書」は社員一人ひとりが携帯できる手帳型のルールブックです。
会社の方針、数字、スケジュールをまとめることができるため、優れた人材の育成につながります。
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