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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2021/09/22 07:30

武蔵野社員の奮闘記

自腹で介護の学校に通ったものの……【信頼関係/介護】

ライフケア事業部府中ステーション マネージャー 竹内英喜

私がホームインステッド(現ライフケア)立川ステーションに異動したのは2008年でした。
それまでそれなりにダスキン事業で経験を積んできたつもりですが、介護の分野はまったく初めて。
新入社員のような気持ちで異動したことを覚えています。

ホームインステッドの店長の仕事は、営業とヘルパーさんのマネジメントです。
自分で現場に入るわけではないので、介護の技術がなくても最低限の仕事はできます。
ただ、あまりに素人だと、営業先のケアマネさんやスタッフのヘルパーさんたちに相手にしてもらえません。
介護の世界でまわりに認めてもらうのは、資格を取るのが手っ取り早い。
そう聞いて、ヘルパー2級(現初任者研修)を取るために学校に通い始めました。

仕事のための資格取得なので、受講費用は会社が負担してくれると思っていました。
しかし、「必須ではないから」と上司に言われて費用は自腹に……。
上司のいうことが正しかったと後で証明されるのですが、

その時は
「武蔵野は教育費にお金を使う会社なのに、なぜ介護だけ使わせてもらえないのか」
と納得いきませんでした。

さて、武蔵野のホームインステッドは、介護保険ではカバーできない自費サービスを提供しています。
売りの一つは、24時間365日対応です。
たとえば夜中に突然介護が必要になっても介護保険では対応できませんが、私たちは料金をいただいて対応します。

24時間365日対応で大変なのは、営業の窓口となる店長でした。
いつお客様からご依頼があるのかわからないので、専用の携帯電話を肌身離さず持ち歩き、実際に電話かかかってきたら夜中でも対応します。

ご依頼を受けたあとは、ヘルパーさんの手配です。
たとえば夕食の時間帯にお客様から電話があれば、そこらヘルパーさんに何10人と連絡をして、サービスに入ってくれる人を探すのです。

たびたびこういうご依頼があるので、仕事が終わって自宅に帰ってもお酒を飲むことはできませんでした。
夜お布団に入ってからもどこか緊張感があって、眠りは浅いままです。
身体的には休息を取っていても、精神的にはずっと糸が張り詰めた状態でした。

実は学校もそれで行かなくなりました。
授業があるのは主に週末です。
365日対応なので、土日にも当然お客様から電話がかかってきます。
教室内では話せないため、電話が鳴るたびに廊下に出て対応します。
ヘルパーさんの手配をして教室に戻ったら授業が終わっていた、ということもしばしばでした。

さすがにそれでは何のために学校に来たのかよくわかりません。
自腹なのでもったいないとも思ったのですが、これなら家で横になっていたほうがマシだという結論に達して、学校に通わなくなりました。

結果的には、資格を取らなくても業務に支障はありませんでした。
立川ステーションには4年いましたが、複数あるステーションの中で売上純増1位を取ったこともあります。
「資格は必須ではない」といった上司の言葉は正しかったのです。

純増1位の要因は、とにかくヘルパーさんを尊重したことに尽きるでしょう。
自費サービスで売上を伸ばしたければ、単価の高い夜間のご依頼をたくさん取ることが大切です。
ただ、対応できるヘルパーさんがいなければご依頼があってもお引き受けできません。
つまり普段から大量のヘルパーさんを抱えておくことが、夜間対応力の向上、さらには売上増につながるのです。

立川ステーションが純増1位になったのも、ヘルパーさんが常時50人ほど登録してくれていたからでした。
私が意識していたのも、50人という人数をキープすることです。
そのためには、とにかくヘルパーさんに気持ちよく働いてもらわないといけません。
「自分は店長で偉いんだ」という態度を見せるのは厳禁。

実際、ヘルパーさんのほうが介護の経験は豊富ですから、それを最大限に尊重して接していました。

ときにはそれでもヘルパーさんを怒らせてしまうことがあります。
しかし、立川ステーションの内勤スタッフが優秀で、私とヘルパーさんの間をうまく取り持ってくれました。
私は詳しく知らされていませんが、内勤スタッフから説得されて、
「竹内さんは気に食わないけど、あなたがそう言うならやるわ」
と働き続けてくれたヘルパーさんも大勢いたそうです。

介護の仕事をするのに、資格や専門知識があるのに越したことないと思います。
ただ、どの業界であっても、もっとも大切なのは人と人との信頼関係でしょう。
私は資格を断念しましたが、ヘルパーさんや内勤のスタッフさんに支えられて何とか仕事をこなすことができました。

関係者のみなさんには、あらためて感謝したいと思います。
この時の経験が生きた2019年8月ライフケア事業で全国日本一になり、現在も1位を更新しています。

次回は“お客様の付き添いで温泉ざんまい!”です。
次回もお楽しみに!

 

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