更新日:2020/09/14 21:23
経営
資金繰り
会社の資金繰り改善【財務/経理】
読了まで約2分
会社にとって資金繰りは、維持・存続に関わる重要事項です。
資金繰りに失敗すると、取引先への支払いが滞り、会社の信用を失う事態を招いてしまいます。
しかし、会社を経営しているといつの間にか資金繰り状況が悪化し、毎月現金を集めるのに苦労する・・・という状況に陥るケースも少なくありません。
そこで今回は、会社が資金繰りを改善するためのポイントについて詳しく解説します。
目次
資金繰りとは会社がすぐに支払いに利用できるお金を管理すること
取引先からの支払い要求にすぐに対応できる現金・お金を管理することを資金繰りといいます。
ここでいう現金・お金とは、定期預金を除く各種預金をはじめ、コマーシャルペーパーや公社債投資信託、売り戻し条件付現先など、即座に支払いに利用できる資金のことです。
株式や不動産、貸付金、売掛金などは、会社にとって資産ではありますが、費用の支払いには利用できないので資金には該当しません。
いわば、会社にとって資産は骨や肉に該当するのに対して、資金の流れ=キャッシュフローは、会社の血液であるともいえるでしょう。
各会社はこの資金の流れの収支を調整し、支出過多となって手持ちの現金が無くならないように注意する必要があります。
もし手持ちの資金が無くなると、必要な支払いへの対応ができなくなり、企業の存続自体が危険になりかねません。
資金繰りが悪化すると事業の遅れや給与の未払いが発生
もし資金繰りがうまくいかず、必要な支払いに対応できる現金が手元に用意しにくい状況が増えると、
スムーズな経営は困難となるでしょう。仕入れや店舗の維持なども難しくなってくるため、思うような事業展開ができません。
そうなると、得られたはずの利益額も減ってしまい、経営は次第に悪化する恐れがあります。
さらに、資金繰りが悪化してくると、従業員への給与の支払いも大変です。給与は当然ですが現金で支払う必要があります。
従業員は基本的に給与をもらうために働いているので、給与の支払いに不安が生じている会社、
ましてや給与の不払いが起こっているような会社からは、有能な人材ほど次第に離れていくでしょう。
しかもその退職した社員が同業界の別会社に就職し、前にいた会社の窮状を話すようなことになれば、
業界中に資金繰りが厳しい実情を知られてしまいます。そうなると、社会的信用を失うことは避けられません。
資金繰りの失敗により黒字倒産のリスクも
もし資金繰り悪化によって債務の支払い不能に陥り、経済活動を続けることができなくなれば、会社は倒産です。
たとえ売掛金や受取手形を保有していても、それを現金化することができなければ「資金」とはならないので、債務の支払いには充てることはできません。
つまり、帳簿上は黒字であるのに、債権の回収ができなかったために倒産する恐れもあるわけです。
こうした「黒字倒産」は、資金繰り悪化を原因とする倒産の典型例といえます。
資金繰りを改善するためのポイントを5つ紹介!
では、会社の資金繰りを改善させるには、どうすればよいでしょうか。以下に5つのポイントに絞ってご紹介しましょう。
売掛債権の回収を早め、支払いをできるだけ遅らせる
売掛金をいくら計上しても、現金化できなければ資金とはなりません。
そのため、得意先から得た売掛債権は、できるだけ早めに回収する必要があります。
逆に、買掛金などの債務の支払いも、手元の現金を減らす要因であるため、状況に応じて支払いを遅らせる条件交渉も必要となるでしょう。
必要な資金が手元にうまく残るように、収支バランスを調整することが大事です。
不要な在庫を整理する
同じ在庫でもすでに販売が行われ、代金の回収が終わっているならば、資金繰りに悪影響を与えません。
しかし、倉庫に眠ったままのいわゆる「不良在庫」をため込むと、余計な維持費がかかり、資金繰りを圧迫する危険があります。
在庫管理を効率化し、余計なコストをかけないようにしましょう。
経費管理を着実に行うこと・・・節税のための過度な経費の無駄遣いをなくす
経費の支払いが増えるほど、手元の現金は失われていきます。
必要な経費とそうではない無駄な出費を見極めることは、資金繰りを改善させる上で重要です。
その典型例として、節税につながるとして経費を無駄遣いするケースを挙げることができます。
特に中小企業では、黒字経営で税金の支払いが惜しいということで、余計な経費を行おうとする会社は多いです。
しかしそのようなことを繰り返すうちに、いつの間にか手元の資金が失われている、という事態が起こり、資金繰りが悪化することもあります。
節税対策は、資金繰りを意識して合理的に行うことが大切です。
無駄な設備投資を無くす
ある程度成功した企業が、見栄もあって自社ビルを購入するというケースがしばしば見受けられます。
しかし、そうした無理な設備投資を行うことが資金繰りを悪化させることも多いです。
不動産は処理しようと思っても、すぐに買い手が見つかり、現金化できる資産ではありません。
投資を行う際は、資金繰りに悪影響が出ないか十分検討する必要があります。
専門家を活用する
会計士や税理士は、資金繰りに対して適切な助言を行ってくれます。
もし資金繰りに悩んでいるなら、これら財務の専門家を頼ることも有効です。
豊富な経験から、資金繰りに悪影響を及ぼさない投資や節税の方法について、貴重なアドバイスをもらえるでしょう。
資金繰りの改善は会社にとって死活問題!確実な対策が必要
会社にとって資金繰りは、事業を存続させる上で最も重要な課題です。
資金繰りを改善させるには、債権の回収を早め債務の支払いを遅らせること、不良在庫を処分すること、
経費管理を合理化すること、無駄な設備投資をなくすこと、専門家に相談すること、有効といえます。
資金繰りに失敗すると黒字であっても倒産のリスクもあるため、各経営者は細心の注意を払う必要があるでしょう。
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