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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2020/10/07 22:14

経営

人材育成

組織IQを高めるには【組織力/人材】

読了まで約2分

組織IQとは組織の知能指数のことです。
数値によって、企業内外の情報をどれくらい効率的に処理して意思決定できるかを示しています。
「他社より組織IQが高いから自社が優れている」というわけではありませんが、組織IQの高い企業は継続的に成長できるとされています。

また、資本金や人材が限られる中小企業では、ひとつの意思決定が遅れたり、間違ったりするだけで大きな失敗につながるケースも少なくないでしょう。

今回は組織IQの高め方をご紹介します。ぜひ組織全体のレベルアップに役立ててください。

組織IQとは組織の意思決定力を示す数値

組織IQとは「組織の知能指数」のことです。
スタンフォード大学ビジネススクールのヘイム・メンデルソンと、マッキンゼーのヨハネス・ジーグラーらが行った世界的な調査結果を、
共著の「スマート・カンパニー」で発表したことで広まりました。

「組織IQ」という用語が知られるようになったのは、著書のなかで「環境等の変化に対する対応力(組織IQ)は5つの項目で調べられる」
「組織IQの高い企業のほうが成長率や利益も優れている」といった結果が紹介されたからです。

社内の優秀なメンバーを集めたにも関わらず、プロジェクトが失敗したという経験を持っている経営者やリーダーは少なくないでしょう。
企業という組織の実力は、「優秀なメンバーが何人いるか」という視点で測ることができません。
個人の能力とは別に、「会社という組織の対応力」や「プロジェクトに携わるチームごとの意思決定力」が重要になってきます。

組織IQの考え方を利用すれば、本来把握が難しい組織全体の実力を数値化できます。
自社の能力を数値化することで、弱い部分を集中的に強化したり、管理職や一般社員へ情報を共有して、自社の問題点を把握してもらったりすることも可能です。
また、組織IQを定期的に調べておけば、それまでに行った対策が企業の意思決定力改善に役立ったのかどうかも判断できるでしょう。

外部情報認識など!組織IQを構成する項目5つ

組織IQは、以下5つの項目に関する質問の結果から数値を測定します。

  • 外部情報認識
  • 効果的な意思決定構造
  • 内部知識流通
  • 組織フォーカス
  • 継続的革新

それぞれ詳しく見ていきましょう。

外部情報認識とは、社外に対する情報収集能力のことです。
経営者や中間管理職など、ポジションごとの情報収集能力を調べ、「どれだけ環境の変化やトレンドをつかめているのか」を把握します。

効果的な意思決定構造とは、企業としての意思決定が下されるまでの仕組みのことです。
企業は集合体なので、「気づいたときには仕事を受注していた」「いつの間にか仕入れをしていた」といったあいまいな指標で動くことはありません。
実行へ移すまえに、必ず意思決定を挟みます。
その意思決定プロセスがどれくらい効率的なのかを示す項目です。

内部知識流通とは、簡単にいうと会社内でのコミュニケーションのことを指します。
経済産業研究所が行った、組織IQに関する調査をまとめた平成19年度の経済白書によると、日本の企業はとくに内部知識流通の値が低いです。[注1]

「部署を横断した協力体制ができていない」「企業内で効率のよい情報共有やコミュニケーションを取れていない」ということなので、
経営者は社内コミュニケーションの改善に力を入れることをおすすめします。

組織フォーカスは「自分の仕事に集中できる仕組み・環境になっているか」を示すものです。
社内の指揮命令系統が適切に割り振られていれば、問題になることはないでしょう。
最後の継続的革新は、社内でのキャリアアップや人事考課から、「持続的な成長ができるかどうか」を調べる項目です。

[注1]内閣府:経済財政白書/経済白書(平成19年度 年次経済財政報告)

 

定期的な面談や意識の改善など!組織IQを高める方法

組織IQを高める方法には、以下の3つがあります。

  1. 定期的な面談や指導
  2. 評価制度の変更による現場の情報収集力改善
  3. 共有する情報の文書化

それぞれ詳しく解説していきます。

1. 面談や指導を通じて部下の信頼を得る

日本の企業が苦手としている、内部知識流通を改善するためにおすすめしたいのが、リーダーによる定期的な面談や指導です。
こまめにチーム内でコミュニケーションを取り、部下から信頼を寄せられるマネジメントができれば、ボトムアップで外部の情報や仕事のアイデアをくみ取りやすくなります。

2. インセンティブ制度の導入等で現場の情報収集力を高める

内部知識流通を活性化するためにも、一人ひとりの社員が意欲的に情報収集できるように、
「外部から有用な情報を手に入れた社員は査定がよくなる」「インセンティブ制度を作る」といった対価を用意してください。
適切な評価や報酬があれば、営業の際に取引先との雑談を通じて細かいニーズを引き出すといった現場の努力も期待できるようになります。

3. 口頭ではなくメールやチャットツールを使って情報を共有する

社内の情報共有は必ず文書化しましょう。
口頭での情報伝達は、時間もかかりますし聞き間違え等も起こります。仕事に関するやり取りを明文化し、
すぐにチームや部署のメンバー全員で共有できるようにしておくのがおすすめです。

 

組織IQを高めて競争に勝てる企業へ成長しよう

組織IQの高い企業は、ほかの会社に比べて成長性や収益性が優れているとされています。
「組織としての優秀さ」というあいまいな指標を測れる組織IQを使えば、自社の弱みを改善してよりよい組織作りをすることが可能です。

組織IQの考え方を参考にして、持続的に成長できる企業を目指しましょう。

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