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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/01/11 14:26

評価制度

昇進させるべき社員の特徴は?昇進・昇格の意味や昇進の方法を解説

読了まで約3分

能力のある社員を評価し、適切なタイミングで昇進・昇格させることは、経営者や管理職の重要な仕事のひとつです。
しかし、経営者や管理職の主観によって昇進を決めるわけにはいきません。
どのような基準で社員を選び、昇進を決定すればいいのでしょうか。

この記事では、昇進・昇格に関する基礎知識や、昇進の基準、昇進させるべき社員の特徴を解説します。

昇進と昇格の違い

昇進とは、今よりも上のランクに役職が上がることをいいます。
例えば「一般社員から主任」「係長から課長」など、新たに役職に就いたり、上位の役職に変わったりするケースが該当します。

一方、「昇格」とは、「1級、2級」「1段、2段」など等級が上がる時に使う言葉で、昇進とは別物です。
職務遂行能力に応じて各社員をランク付けする「職能資格制度」を導入している会社の場合には、上のランクに上がることを「昇格」と呼びます。

 

昇進の基準・ルール

どの社員をどのような基準で昇進させるかは、企業によってそれぞれです。
一般的には、勤続年数や勤務態度、仕事の成果など特定の評価項目を設定し、面談や社内試験によって総合的な評価を行い、本人の希望も加味して昇進を決定します。

具体的には、定量的な実績に加え、保有スキル・資格・能力、それらを自主的に獲得する意欲があること、周囲と円滑なコミュニケーションが取れているかなどが基準となります。
特に、人の上に立つ人間として、リーダーシップを持っていることは重要です。
同僚や後輩から頼られる人柄や、育成に積極的に関わっているかどうかは、昇進に必須の条件ともいえます。

 

昇進のメリット

社員を昇進させるメリットとしては、責任の大きさに応じて仕事に対するやりがいや充実度が増加し、エンゲージメント向上が期待できることがあげられます。

昇進すると、給与や待遇面で有利になる一方、仕事の難易度や責任も大きくなります。
その分、成果に結びついたときの達成感も大きくなるため「会社に貢献できている」という実感が感じられ、会社や仕事に対する愛着心も湧きやすくなるのです。
その結果、より成果を上げようと努力したり、離職のリスクが低減したりといった効果が期待できるでしょう。

 

昇進させるべき社員の特徴

昇進させる社員は、どのような基準で選べばいいのでしょうか。
ここでは、昇進させるべき社員に共通する10の特徴を紹介します。
社員の人事評価や昇進をさせるべきかどうか見極める際の参考にしてください。

1.成果を出している

求められている成果をしっかり出せていることは、昇進における最も大切な条件です。
どんなに勤務態度が真面目でも、成果を出していない社員を昇進させることはできません。

一口に成果といっても、部署によって求められる成果は異なります。
営業であれば「売上○○円」など定量的な成果があり評価もしやすいのですが、総務や経理などバックオフィス部門は成果の定義が難しいものです。
部署ごとにミッションを定義し、何を成果とするのか明確にすることが大切です。

2.勤務態度の良さ

反対に、真面目に業務に臨む勤務態度の良さがなければ、いかに優秀な社員でも評価を高めることはできないでしょう。

社員として当然のことではありますが、無断遅刻や欠勤をしない、無駄話をせずに与えられた業務をしっかりこなす、基本的なタイムマネジメントができているなど、社会人として最低限の行動ができていなければ管理職を任せることはできません。
ほかにも、勤務に対する勤勉さや、積極的に自分の意見を発信する姿勢なども評価の対象になります。

3.学習意欲の高さ

業務に必要な知識や技能、資格などを自主的に獲得しようとする姿勢も必要です。

部署の管理職になると、上司に仕事を教えてもらうのではなく、自分が部下に仕事を教える立場になります。
部下の疑問にしっかり答えるためには、業務やサービス、事業全体の構造などについて深い理解が必要です。
分からないことは自分で調べ、仕事をより円滑に進めるために必要な知識やスキルを積極的に習得する姿勢がないと、部署を率いていくことはできません。

4.コミュニケーション力の高さ

職位が上がると、部下とのやりとりだけでなく、関係部署や取引先など外部とのコミュニケーションも増えます。
管理職としてより大きな課題を解決するには他部署との連携が必要不可欠ですし、取引先や委託先とは普段から円滑な関係性を築いておかなくてはいけません。
もちろん、部署の人間から信頼を獲得する必要がありますので、部署内のコミュニケーションも重要です。

幅広い立場や属性の人と分け隔てなく人間関係を構築でき、意思疎通を図れる人の方が昇進に向いているといえるでしょう。

5.自発的・能動的に動く

昇進して上の立場に立つようになると、自分が部下に指示を出さなければいけません。
一般社員のように上司から指示をもらって行動するのではなく、自主性を持っている社員でなければ昇進してもミッションを達成できないでしょう。

普段の業務においては、上司の指示待ちになっていないか、やるべき業務を自分で発見しようとしているか、必要性に気が付いて業務改善を行っているかなどに注目してください。

6.課題発見力

自発性とも通じる点ですが、チームの課題や業務プロセスの改善点を発見できる能力も重要です。

上位の役職に昇進するほど、チームメンバーがより業務を遂行しやすい環境を整えたり、サービスの精度を向上させたりなど、マネジメント業務がメインになります。
問題の根源を正確に把握し、解決のために何が必要か、どうすれば目標に辿り着けるか自分で考えられる能力がないと、マネジメント業務は難しいでしょう。

7.ストレス耐性がある

昇進すると、より難易度の高い仕事や責任の大きな仕事を任されるようになります。
大きな仕事がやりがいにつながるケースもありますが、責任に対する耐性が低く、プレッシャーを感じて委縮してしまうようだと、パフォーマンスの低下を招く可能性があります。
場合によってはメンタルのバランスを崩してしまうケースもあるため、ストレス耐性が高いことも昇進の重要な条件です。

普段の業務において責任とどのように向き合っているか、難しい業務にも積極的にチャレンジしようとしているかなどを見極めましょう。

8.リーダーシップがある

上位職種に昇進すると、多くの場合は部下を持つ立場となり、規模は異なれど部署やチームを率いることになります。
そのため、リーダーシップがあることも絶対条件といえます。

リーダーシップとは、チームが一丸となって一つの目標に迎えるよう環境や人間関係を整え、チーム全体の生産性を高める能力です。
自分の言う事に従わせたり、無理強いしたりするのではなく、メンバーの状況に気を配って、必要な手助けやアドバイスを行える人はリーダーシップがあるといえるでしょう。

9.部下の育成ができる

管理職になると、マネジメント業務だけでなく後進の育成にも関わらなければいけません。
優秀な後進が育つとチームの生産性が向上するため、会社の成長にも貢献できます。
そのため、部下や後輩から信頼され、ロールモデルとなれる人柄も持っていてほしい要素です。

単に自分自身が成果をあげるだけでなく、後輩や部下に対して積極的に手を貸し、成長に結びつくよう練習に付き合うなどの姿勢があると、安心して上位職種を任せられます。

10.人の話を聞きフィードバックを求める

自分の考えが100%正しいと思い込まず、人の意見を聞いて行動を省みることができる柔軟性も大切です。
自主性があり、能動的に行動する特性は強みである一方、周りを見ないで自分勝手な振る舞いをしてしまう可能性もあります。
メンバーとの協働が難しくなる懸念があり、管理職としてはふさわしくないかもしれません。

自主性は大切ですが、周りの意見も大切にでき、フィードバックを受け入れる性質を持っていると、メンバーとも円滑な関係性を築けます。

 

昇進させてはいけない社員の特徴

反対に、昇進させるべきではない社員にはどのような特徴があるのでしょうか。
特に注意して見極めるべき特徴をピックアップして紹介します。

1.口だけで行動が伴わない

言っていることは立派でも、行動が伴わない社員は昇進を考え直した方がいいでしょう。
上司の行動力が低いと部署全体の生産性も低下してしまい、会社としても不利益につながります。

いわゆる「口だけ」の社員は、実際の成果よりも人事評価が高くなってしまうケースもあるため、注意が必要です。
会議で積極的に発言したり、上司の前では立派な姿勢を見せたりする傾向があり、好意的な評価を受けやすいのです。
言っている内容に仕事の成果が伴っているかどうかをよく見極めて、昇進を検討しましょう。

2.人の弱みばかり見る

チームメンバーの悪いところばかりに目を向けたり、自分よりも下の立場の社員を見下したりするような態度が見られる社員は、管理職として適性があるとはいえません。
昇進して部署の上に立つ社員は、メンバーと細やかなコミュニケーションを取り、やる気を引き出す立場です。
それぞれの個性を理解し、良さを活かして仕事の割り振りができないと、パフォーマンスを高めることはできないでしょう。

普段からマイナス面にばかり目を向けたり、高圧的な態度をとったりしていないか、よく観察してください。

3 .人材育成・評価ができない

評価基準に沿った適正な評価や、個性に合わせた育成ができることも、管理職として重要な資質です。
人材育成や人事評価がおろそかになると、メンバーのモチベーション低下を招き、離職につながる可能性もあります。

育成や適正な人事評価には、部署のメンバーや部下と細やかなコミュニケーションが必要不可欠です。
自分から積極的にコミュニケーションを取りに行くことが苦手だったり、他人の価値観に理解を示さないような特徴がある社員は、昇進に適さないかもしれません。

4 .チームより個を重視する

チーム全体の利益を考えられず、自分の業績をあげることばかり気にする社員も困りものです。
管理職は、部署やチームを統括する立場として全体の生産性を高めることがミッションですので、自分の利益を重視するタイプは管理職として適していないといえます。

普段の業務でも、同僚が困っているときに進んで手を貸さなかったり、チームの業績を独り占めしようとしたりする社員には要注意です。
チームマネジメントに適さない可能性が高いため、昇進には慎重になったほうがいいでしょう。

5.ビジョンや信念がない

将来に対するビジョンや仕事を遂行する上での信念がなく、条件や待遇面ばかりを見ている社員は、管理職になっても大きな成果をあげられない可能性が高いでしょう。
このような社員は、ある程度出世してしまうとそれ以上を目指さなくなり、自己成長への意欲を失ってしまうためです。

また、上司にはっきりしたビジョンや信念がないと部署全体の士気も下がり、生産性にも影響が出てしまいます。
自分やチームをどのような方向に率いていきたいのか、明確に示せる人材を昇進させるべきです。

 

適切に社員を昇進させて企業の成長を促そう

昇進とは、今よりも上位の役職にランクアップすることです。
現在の仕事で高い成果をあげている社員を昇進させると、仕事に対するモチベーションがさらにアップし、部署全体の士気向上が期待できます。

ただし、上位役職に適性のある社員をしっかり見極めることが大切です。
仕事の成果だけでなく、日頃の業務態度や同僚との関係性にも目を向け、客観的に社員を評価しなくてはいけません。
適切な人員を昇進させることは企業成長にも好影響を与えますので、まずは適正な人事評価制度や昇進・昇格制度の構築を目指しましょう。

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