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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/03/27 15:50

経営

トップマネジメントとは?求められるスキルと役割・上手く機能させるためのポイント

読了まで約3分

「トップマネジメントを組織に上手く機能させたい」と考えている企業経営者の方も多いのではないでしょうか。

トップマネジメントとは、経営判断に関わる管理層を指します。
また、トップマネジメントにはさまざまなスキルが求められ、組織を円滑に機能させるために果たすべき役割があります。

本記事では、トップマネジメントの意味や定義に触れつつ、トップマネジメントに求められるスキルや役割、上手く機能させるためのポイントなどを解説していきます。

 

ISOが掲げるトップマネジメントの意味と定義

トップマネジメントは企業の上層部を意味する言葉です。
ただし、企業規模によって上層部の役職の範囲や解釈が異なります。
取締役会を指す場合もあれば、取締役会と各部門を担当する事業部長などで構成される場合もあります。

日本企業は重役が多いため、社長・副社長・専務・常務などをトップマネジメントと呼ぶケースも珍しくありません。

なお、ISO(国際標準化機構)では、トップマネジメントを「最高位で組織を指揮し、管理する個人あるいはグループ」と定義しています。

 

トップマネジメントを含む3つの階層

トップマネジメントを含む3つの階層は以下です。

  • トップマネジメント層
  • ミドルマネジメント層
  • ロワーマネジメント層

それぞれの概要について解説していきます。

1.トップマネジメント層

トップマネジメント層は企業上層部を指します。
日本の株式会社の場合、代表取締役や副社長のような経営層をトップマネジメントと呼ぶケースが多いでしょう。
取締役会に参席する人々全員をトップマネジメントに含めることもあります。

2.ミドルマネジメント層

ミドルマネジメント層には「中間管理職のポジション」という意味があります。
トップマネジメント層と、後述するロワーマネジメント層間のマネージャー層のことです。
一般的には部長や課長のような役職者をミドルマネジメントと呼びます。

ミドルマネジメント層の主な役割として、トップマネジメントの補佐、ロワーマネジメントの指揮管理、トップマネジメントとロワーマネジメントの橋渡しなどがあります。
トップマネジメントの方針を理解し、具体的な業務に落とし込む一方、部下のマネジメントも行う必要があるため、ミドルマネジメントは企業内で重要な役割を担います。

3.ロワーマネジメント層

ロワーマネジメント層には「現場管理のポジション」という意味があります。
ミドルマネジメント層の下位の層のことです。
一般的に係長、主任、現場監督、プロジェクトリーダー、チームリーダーなどをロワーマネジメントと呼びます。

ロワーマネジメント層の主な役割として、現場の指揮管理、業務の進捗状況の確認、トラブル発生時の対応とミドルマネジメントへの連絡などがあります。
現場で働く従業員をまとめ、実務的な視点で業務を遂行しますが、基本的に全社的な方針決定には携わりません。

 

トップマネジメントに必要な5つの役割

トップマネジメントに必要な5つの役割には以下があります。

  • 経営戦略の策定
  • 組織の運営
  • 人材の育成・評価
  • リスクマネジメント
  • 公的な地域行事への参加の決定

それぞれ解説していきます。

1.経営戦略の策定

トップマネジメント層には「企業の存在意義や経営理念を明確にする」という役割があります。
他にも、市場に提供する価値の方針決定、市場で生き残るための経営戦略の策定、組織メンバーを統括するための組織戦略の策定という役割を担います。

経営理念や経営戦略を明確にすればするほど、社員は組織への理解を深められるため、日々の業務で高いパフォーマンスを期待できます。

2.組織の運営

経営戦略を実現するための組織構築もトップマネジメント層の役割です。
業務遂行に最適な組織構造を構築し、人材育成や人事体制のシステムを整えます。
そのように整えた制度を管理し、「組織全体が企業理念を達成する方向性で動いているかどうか」を確認しながら運営を進めるという役割があります。

3.人材の育成・評価

トップマネジメント層は必要な人材を新規採用すると共に、既存の人材が良い成果を上げられるように個人やチームの能力を開発しなければなりません。
そのために組織を構築し、評価制度を整え、必要に応じた教育を実施することがトップマネジメント層には求められます。

また、人材の能力や姿勢を公平に評価し、リーダーシップの適性を備える人材を選んで育成することもトップマネジメント層の役割です。

4.リスクマネジメント

企業活動では何かしらの支障や障害が起こる可能性があります。
そのような出来事への対処を誤ると、企業は存続の危機に陥るかもしれません。
そのため、トップマネジメント層はあらゆる観点からリスクを想定し、回避するためのリスクマネジメントを考える必要があります。

実際にリスクが発生した際、スピーディーに対応できるように、緊急時の指示系統や状況分析システムの構築、対応の優先順位付けなどを行いましょう。

適切なリスクマネジメントによって、企業が受ける被害を最小限に抑えるだけでなく、再発防止につながります。

5.公的な地域行事への参加の決定

公的な地域行事への参加の可否を決めることもトップマネジメント層の役割の一つです。
公的な場への参加は、地域の人々やステークホルダーへの信頼関係につながります。

経営トップが地域のイベントに積極的に顔を出すことにより、イベント関係者や近隣住民との関係性を築けるため、自社の知名度をスムーズに浸透できるでしょう。

また、経営トップが社員やステークホルダーの冠婚葬祭に出席することも、信頼関係の構築には重要です。

 

トップマネジメントに求められるスキル

トップマネジメントに求められる主なスキルに以下があります。

  • コンセプチュアルスキル
  • ヒューマンスキル
  • テクニカルスキル

それぞれどのようなスキルなのかを解説します。

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルは、複雑な問題を単純化し、物事の本質を見極めるためのスキルです。
地頭の良さや生まれ持った才能に左右されやすいという特徴があり、具体的な能力としてロジカルシンキング、直感力、洞察力などが挙げられます。

トップマネジメント層は「どうすれば物事の本質的な概念を見極め、効率よく問題を解決できるか」という視点が必要になるため、コンセプチュアルスキルが重要です。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、人間関係をスムーズに回せるスキルであり、人間性や人柄を表すこともあります。
具体的な能力としては、リーダーシップやコミュニケーション能力などです。

トップマネジメント層にとって、ヒューマンスキルは最重要と考えられています。
どれほど知力に優れた人間であっても、円滑に人間関係を構築できなければ、人望を得られないからです。

個人で仕事をする分には問題がなくても、組織のトップマネジメント層としては社員の気持ちを理解し、良好な協力関係を築く必要があります。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、現場で仕事を行うために必要な知識やスキルのことです。
トップマネジメント層に求められる知識は多岐に渡りますが、一定の現場知識がなければ、社員の考え方と乖離します。
その結果、実態に沿わない企業目標を策定してしまったり、社員の支持を得られなかったりという事態が起こる可能性があります。

ヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルと比較すると、トップマネジメント層にとってのテクニカルスキルの重要度は大きくありません。
しかしトップマネジメントの業務をスムーズに機能させるためには、一定年数の実務経験があることが望ましいといえます。

 

トップマネジメントを上手く機能させるためのポイント

トップマネジメントを上手く機能させるためのポイントには以下があります。

  • メンバーの役割を明確化する
  • 企業内のコミュニケーションのあり方を見直す
  • トップマネジメント研修を行う

それぞれ解説していきます。

メンバーの役割を明確化する

メンバーの声や現場を把握するため、トップマネジメントとして会議を開催する意義、社員一人ひとりの役割の明確化、役職に関わらず主体的に参加・発言できる仕組み作りが必要です。
そのため、ミーティングを有効的に行う必要があります。

企業内のコミュニケーションのあり方を見直す

トップマネジメントとして戦略的意思決定をするには、組織内のコミュニケーションのあり方を見直すことが重要です。
経営層の一方的な支持ではなく、コミュニケーションを通じて意思決定の背景や意味を全社員が理解できるようにし、トップマネジメントが求めているアウトプットと社員の乖離を防ぐことが求められます。

トップマネジメント研修を行う

社内でトップマネジメント層を育成する研修を行うことも一つのポイントです。
研修を実施することにより、企業経営に必要なトップマネジメントとして理解すべき組織や人材戦略の考え方を習得できるでしょう。

また、企業価値に必要な組織のあり方を学ぶことで、トップマネジメントの役割を再考し、スムーズな組織運営の実践につながります。

研修を自社で開催することが難しい場合は、コンサルタントへの相談が効果的です。
株式会社武蔵野では、トップマネジメントの人材育成につながるセミナーや研修を行っています。

 

トップマネジメントを上手く機能させて組織力を高めよう

トップマネジメントには企業の上層部という意味があります。
ISO(国際標準化機構)における定義は「最高位で組織を指揮し、管理する個人あるいはグループ」です。

必要な役割としては、経営戦略の策定、組織運営、人材育成・評価、リスクマネジメント、公的な地域行事への参加決定の5つがあります。
求められるスキルはコンセプチュアルスキル、ヒューマンスキル、テクニカルスキルの3つです。

また、トップマネジメントを上手く機能させるには、メンバーの役割を明確にし、企業内のコミュニケーションのあり方を見直すことが大切です。
トップマネジメント研修の実施も検討してみてください。

株式会社武蔵野が提供する経営計画書は、社長の理念や経営方針を浸透させる重要なツールです。
トップマネジメントのスキルを持った人材を育成するためにも経営計画書をご活用ください。

 

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