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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/09/25 14:00

資金繰り

与信調査について詳しく解説!信用できる相手と取引するために必要なこと【資金繰り/信頼関係】

読了まで約2分

企業が成長を遂げるには良い製品・サービスを生み出す必要がありますが、それと同時に信用できる企業と継続的に取引を続けることも大事です。
どれほど優れた製品を作っても、売掛債権をスムーズに回収しにくい相手とばかり取引を続けていると、資金繰りが難しくなり、健全な経営が困難になるでしょう。

与信調査は、信頼に足る取引相手を得る上で重要となる調査です。
特に初めて取引をする素性不明の企業に対しては、自社・従業員の利益を守るためにも与信調査は欠かせません。

今回はこの与信調査について取り上げ、詳しく解説しましょう。

 

与信調査で掛取引をできる相手かどうかを調べる

商取引において取引相手が代金の支払い能力があるかどうかを調べることを、与信調査といいます。

企業間の取引は、契約したその時点・場所で現金のやり取りをするのではなく、
大半が後日に支払いを行う信用取引=掛取引です。掛取引で販売すると売掛金という債権が発生しますが、
あくまで信用取引であるため、そこには常に未回収のリスクを伴います。

売掛債権の未回収リスクは全額回収できるまで常に存在し、もし回収前に取引相手が倒産すれば、現金は受け取れないままです。
その場合、帳簿上は売上が計上されていても、それによってお金を稼いだとは言えないわけです。

そのため販売する側の企業としては、売掛債権を確実に回収できる健全な取引を行うために、取引先企業が滞りなく支払いをしてくれるかどうかを事前に確認する必要があります。

そのために行われるのが与信調査です。

 

与信調査の方法とは

与信調査の方法には、社内調査、直接調査、外部調査、依頼調査の4種類があります。

社内調査

内部調査とも呼ばれ、本格的な与信調査を始める前に可能な限り自社内の調査を行うものです。
自社の営業部や経理部などに蓄積されている情報や過去に取引を担当した社員との面談によって情報を収集します。

社内調査は手間や費用をそれほどかけずに行えますが、デメリットとして限定的な情報しか収集できません。

外部調査

調査対象となる企業以外から情報を入手する方法で、官公庁の公開情報を利用する「官公庁調査」、インターネットを利用してウェブサイトの閲覧や企業情報データベースの検索を行う「検索調査」、直接企業へ訪問して調べた情報が実際に正しい内容であるかを確認するための「側面調査」があります。

直接調査

取引先企業の代表や担当者に、訪問や電話、FAX、メールなどの手段でヒアリングを行います。
しかし、直接調査をすると、企業のなかには、疑いの目で調査されているように感じて心象を悪くする場合もあるので要注意です。
直接調査では、慎重なコミュニケーションを心掛けることが大切です。

依頼調査

自社による調査では十分に与信調査ができないと判断したときに、信用調査会社などに依頼する方法です。
情報が正確であるかを確認できるほか、直接調査では集められない情報を得ることも可能です。
ただし、やり方によっては、企業の情報交換だけにとどまってしまう場合もあるため気を付けなければなりません。

 

与信調査で調べることは企業・経営者の信頼性、売上・利益の状況、資産状況

企業が与信調査を行う場合、通常はまず自社内に蓄積されている過去の取引データを調べます。
それまでの取引に何か支障が無かったか、スムーズに売掛金の回収を行うことができたのかをチェックするわけです。

もし過去に取引が行われていなかったら、本格的な調査を行う必要があります。

以下では、通常与信調査で行われる企業・経営者の信頼性、売上・利益の状況、資産状況について説明します。

企業・経営者の信頼性

調査対象の企業・経営者が、過去に何か問題を起こしていないかを調べます。
取引相手の企業への支払いを確実に行っているか、金融機関との取引状況はどうなっているのかを調査するわけです。

調査方法としては、商取引の契約を締結する前に会社訪問を行い、経営者・管理者と面談するという方式がよく行われます。
直接会って経営方針や主要な販売先、仕入れ先をチェックするのです。

また、企業情報はネット上からも多数収集できます。
各企業のホームページでは、経営者の経歴や経営理念などが記載されていますし、SNSなどを通して企業の風評調査も行えるでしょう。

ただし、ネット上の情報は真偽のほどが疑わしいものも多いので、読み解く側のリテラシ―能力も求められます。

売上、利益に問題はないか

財務諸表・決算書をチェックして、その企業が安定的に収入を得ているのかどうかを確かめることも重要です。
直近の決算書で利益が出ている場合でも、経年でみると業績の良い年と悪い年が極端であるなら、安定した経営を行っているとはいえず、長期的な取引相手という点では不安が残るでしょう。

また、調査対象企業の業績判断をする場合、その企業が公表している書類データだけでなく、同じ業界に属する他社や金融機関から情報を集めることも大事です。
調査対象である企業に直接問い合わせても、自分の企業のことを悪くは言いません。客観的な情報を得るには、第三者の視点からの評価情報を集める必要があります。
特に取引相手が創業間もない企業・中小企業の場合、倒産のリスクを抱えていることも少なくありません。
一見すると成長を続けているように見える企業でも、実態としてはコストも増加しつつあり、資金繰りに苦しんでいることもあります。

未回収の売掛債権を抱えてからでは遅いので、事前にできる限りの情報収集を行うことが大切です。

資産状況は健全か

もし企業が倒産しても、返済の担保にできる資産を保有しているなら、売掛債権が未回収のままになるという危険性は減ります。
そのため、調査対象の企業が保有する不動産、株式などの資産状況を把握しておくことも大事です。

具体的な調査としては、不動産謄本をチェックし、固定資産による担保能力をきちんと保有しているのかを確かめるという方法がよく取られます。
また、金融機関に未払いが発生していないか、税金滞納が生じていないのかについても確認する必要があるでしょう。
なお、資産状況の調査に当たっては、調査対象企業が保有している不動産の正確な価額を調べる必要があります。
たとえ広大な土地を保有している場合であっても、それが宅地ではなく耕作地や山林であれば地価は安いです。

また、保有している不動産がすでに金融機関から借り入れをするための担保となっていて、企業としてすでに膨大な借金を抱えているという場合もあります。

 

与信調査を行わずに取引するリスク

売掛債権が回収できない

掛取引では、支払期日に取引先からの入金がないという未回収リスクがあります。信用調査を実施せずに取引を開始すると、取引先の資金繰りが悪化していることを見抜けず、売掛債権を回収できない事態に陥ることがあるので注意が必要です。

キャッシュフローが悪化する

売掛債権を回収できなくても、仕入れ先や税金の支払いは期日までに行わなければなりません。
そのため、キャッシュフローが悪化して仕入れ先への支払いが遅れてしまうと、業界内での自社の印象が悪くなってしまいます。

連鎖倒産する

黒字経営であっても、売掛債権の未回収が重なると、資金繰りの悪化を引き起こします。
そして、売掛債権が未回収の取引先が倒産してしまうと、回収の見通しが立たず、借入金や利息の返済の目途が立たなくなり、最悪のケースでは連鎖倒産を招きます。 

 

与信調査を活用すべきタイミング

信用調査を活用すべきタイミングとして、新規の取引先企業の支払い能力を確認したいときはもちろんですが、継続して取引を続けてきた企業の経営が苦しいと噂を聞いた際や、反対に取引額の拡大を検討しているときに、取引額の上限を見極める際にも活用できます。

その他にも、小さな気づきから念のため与信調査を行なったら、取引先に問題があることがわかったというケースもあります。

 

信用調査会社を選ぶときのポイント

与信調査を信用調査会社に依頼する際のポイントについて解説します。

報告書の見やすさ

報告書が読みやすくまとめられていれば、信用情報も分析しやすくなります。
特に企業信用調査は数字を含むデータが多いので、表やグラフが必須になります。あらかじめ、報告書のサンプルをもらって確認しておくことがおすすめです。

信用調査にかかる期間、費用

信用調査会社によって納期が異なるため、満足できる納期で対応してもらえる会社を選ぶ必要があります。
また、調査価格が適切かどうか、調査内容と併せて複数社から相見積もりを取るといいでしょう。

総合的な信用調査を行っているのか、それとも専門的なのか

信用調査会社には、地域や業種に関係なく一般的な信用調査ができる総合的な会社と、
コストや利用条件が厳しい反面、より詳細な信用情報を得ることができる専門的な会社があります。

依頼する企業が、どちらの信用調査会社に該当するかについて、あらかじめチェックしておきましょう。

海外企業にも対応しているか

海外企業との取引がある場合や、これから海外企業と取引を開始しようとしている場合は、
海外企業に対応している信用調査会社であるかどうかの確認も重要です。

その際は、報告書が日本語表記か、英語表記かについても一緒にチェックしておくと効率的です。

 

与信調査は売上債権を確実に回収するために必要。自社を守ることにもつながる

与信調査とは、企業が取引を行う際に、取引相手のことを調査することです。
与信調査で調べるのは、相手企業の企業・経営者の信頼性、売上・利益の状況、資産状況などで、調査の結果問題がなければ、実際に取引を開始します。

実際に取引を行い、もし売上債権を回収できなかったら、自社にとって大きなダメージとなるでしょう。

状況次第では、資金繰りが難しくなる場合もあります。取引前に与信調査を行うことは、自社を守る上でも大事といえるでしょう。

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