更新日:2020/08/18 11:02
業務効率
残業削減の取り組みについて【働き方/業務効率】
読了まで約2分
2018年6月に可決・成立した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」、
通称“働き方改革”によって、労働者、企業を取り巻く環境は大きく変わりはじめています。
特に、2020年4月からは、同改革によって見直された時間外労働の上限が、中小企業にも適用されます。
今回は大きく変わった残業に関して、いかに削減していくかを解説します。
目次
働き方改革によって時間外労働に関する罰則が設けられた
残業を削減するには、働き方改革による残業時間(時間外労働)の見直しによって、どのような上限が設けられたかを知っておく必要があります。
これまで、時間外労働は以下のように規定されていました。
*月45時間 / 年360時間 / 年間6ヶ月までは上限なし
もし、この規定にふれたとしても、行政指導のみでした。
ですが、働き方改革によって残業時間は以下のように変わります。
*月45時間 / 年360時間 / 特例として年間6ヶ月までは年720時間、複数月平均80時間、月100時間未満の上限
以前との大きな違いは、残業時間に明確な上限が設けられたうえに、
それを超過した場合は事業主に30万円以下の罰金もしくは6ヶ月以下の懲役が科されるという、罰則が設けられたことです。
残業時間の超過によるリスクは罰則だけではない
従業員の残業時間超過によるリスクは、罰則を科せられるだけではなく、コンプライアンス違反による社会からのイメージダウンも考えられます。
株式会社東京商工リサーチの発表によれば、コンプライアンス違反が一因となり倒産した企業の数は、2018年度で194件。[注1]
前年度の211件から減少していますが、コンプライアンス違反をしたことによって、企業イメージが低下し、業績回復が追いつかないために倒産するというケースがあります。
[注1] 株式会社東京商工リサーチ 2018年度「コンプライアンス違反」倒産
残業時間削減を実現する方法
残業時間を削減するには、従業員に残業の自粛を促すだけでは効果が期待できません。社を挙げた残業削減対策が必要になってきます。
ノー残業デーを設ける
残業削減の方法として多くの企業が採り入れているであろう方法が、ノー残業デーの導入です。
企業によって設定する曜日はさまざまですが、毎週決まった曜日をノー残業デーとして、従業員に一斉退社を促す方法です。
ただし、ノー残業デーに残業しない代わりに、別の日に残業する、対外的なアナウンスが徹底されていないと、
顧客からの問い合わせがノー残業デーに来てしまい急遽対応しなければならないといったリスクをはらんでいます。
残業を事前申請制にする
残業を事前申請制にするというのも、残業削減の方法として挙げられます。
この場合、残業申請を自身が所属している部署の上長や管理職へ提出し、認められた場合のみ残業ができるという仕組みです。
この方法であれば、従業員が自分で判断して無駄な残業をすることも防げるうえに、管理側は誰がどのくらいの残業をしているか測れるというメリットがあります。
ツールを導入して作業効率の向上を図る
残業そのものの廃止が期待できるのが、各種ツールの導入です。
従業員に残業が発生してしまう主な理由は、業務の進捗が芳しくないという点です。
また、特定の従業員でしかできない作業がある場合、
業務が属人化してしまい該当従業員にしわ寄せが発生してしまい、結果残業につながります。
このような状況を改善し業務効率の向上が図れるのが、各種ツールです。
たとえばメールでのやり取りから、チャットツールや社内ブログでのやり取りへ移行すれば、従来よりも情報共有スピードのアップが期待でき、業務効率改善が期待できます。
業務をローテーション化する
業務のローテーション化によって、各社員がいくつもの業務を横断して対応できるようにするのも、残業削減に効果が期待できます。
上述のように、特定の従業員しかできない業務を減らせれば、従業員それぞれが自分の業務以外もフォローできます。
その結果、情報の共有ならびに社内コミュニケーションが活性化してチームワークの向上にもつながるでしょう。
残業削減は管理側・現場側どちらも共通の意識を持つことが求められる
残業を削減するには、ノー残業デーの採用、残業の事前申請制、ツールの導入、業務のローテーション化といったさまざまな工夫が求められます。
いずれにおいても共通するのが、管理側・現場側の両者が、残業を削減するという共通の意識を持っていることです。
管理側が一方的に残業削減を推し進めようとしても、現場が業務の進捗状況によっては自宅で作業せざるをえないということもありえます。
管理側・現場側が共通の意識を持ち、残業を削減できるように取り組んでいきましょう。
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