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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2022/10/28 17:31

人材育成

採用

人員配置の最適化とは?得られる効果や方法・活用できるツールなど詳しく解説

読了まで約3分

少子高齢化の影響もあり、多くの業種で人材不足が慢性化しつつあります。
人材が不足するなかでこれまでと同様に成長を続けていくためには、業務の効率化が欠かせません。

またもう一つ重要なポイントとなるのが人員配置の最適化です。
個々の従業員の適性を見極められなければ、能力を最大限に発揮させることができず、生産性が高まらないばかりか、従業員のエンゲージメントも下がってしまうでしょう。

本記事では、人員配置を最適化することの重要性や目的、主な手法、適切なタイミングなどについて解説します。
人材不足のなかで効率化を進めつつ生産性向上を目指す方はぜひ、参考にしてください。

人員配置を最適化する意味

人員配置とは人材マネジメントの一つで、経営目標を達成させるために従業員を適切な部署やチームに配属させるものです。
人員配置は人材配置という用語に言い換えられることもあります。

優秀な従業員が揃った企業であっても、それぞれの能力やスキルを見誤ってしまえば、適切な人員配置が行えず、思ったような成果も上げられません。

従業員各自がそれぞれの現場で最大のパフォーマンスを発揮できるよう、能力やスキル、経験を客観的に判断することが人員配置の最適化につながり、ひいては企業の成長も可能にします。

 

人員配置の目的

人員配置を行う主な目的は、「人材の育成と有効活用」「事業計画の実現」です。
それぞれについて具体的に解説します。

人材を育成し有効活用する

人員配置は、すでに経験やスキルを持った従業員を配置するのが一般的です。
しかし、経験やスキルが伴っていない従業員をあえて配置し、育成したうえで将来的にスキルを活かせる部署で有効活用する方法もあります。

たとえば、将来的にリーダーになってもらいたい従業員をさまざまな部署、チームに配置して幅広い視野を持たせたり、一つの部署に特化させ、スペシャリストを育成したりなど、配置によって異なるタイプの従業員育成が可能です。

事業計画や目標を達成する

人員配置のもう一つの目的が、事業計画や目標の達成です。
事業計画を達成させるには限られた人員を効率的に活用し、生産性を高める必要があります。
そのためにはそれぞれの従業員が最大限に能力を発揮できる部署やチームに配置するのが効果的です。

ただし、ビジネス環境、自社が属する市場は常に変化します。
また、従業員の能力や結婚、育児、介護などプライベートでの変化も起こりえるでしょう。

そのため、人員配置は固定化するのではなく業務の状況や労働環境、家庭の事情などさまざまな要素を鑑みたうえで、定期的な見直しと改善が必須です。

 

人員配置の2つの手法


人員配置を行う主な手法として挙げられるのは、「適所適材」「適材適所」の2つです。
ここではそれぞれのやり方や違いについて解説します。
実際にどちらの方法を選択するかは、企業や組織、メンバーによって異なるため、自社の現状を把握したうえで適した方法を検討してください。

適所適材

適所適材とは、人員が空いている部署、チームに対し、能力やスキルを発揮できると判断した従業員を配置させる手法です。

空いたポジションや業務が先にあり、その空きにもっとも適した人員を配置するのが適所適材であり、一般的には大企業や人員が豊富な企業に向いた人員配置方法といえます。

適材適所

適材適所とは、異動をさせたい従業員がもっとも能力やスキルが発揮できる部署、チームはどこかと考えて配置する手法です。

場所よりも人が先で現状よりも高い能力やスキルを出せる場所へ配置するのが適材適所であり、一般的にはスタートアップ企業や人員が少ない企業向けの人材配置法といえます。

 

人員配置を行うタイミング

人員配置は従業員の退職や休職など急なタイミングで行う場合もありますが、通常は一定の準備や引継ぎなどの手間がかかるため、タイミングを見計らって行うのが望ましいでしょう。
ここでは、人員配置を行うのに適したタイミングについて解説します。

採用

採用は人員配置を行うタイミングの一つですが、新卒採用と中途採用では人員配置の手法も変わってきます。
具体的には次のとおりです。

・新卒採用時の人員配置の手法
新卒採用時は、適材適所の手法で人員配置を行います。
まだ、経験がなく能力やスキルも低い場合が多いため、まずはいくつかの部署、チームで経験を積み、そのなかで適性を見極めるのが一般的です。

また、新卒採用時は、既存の従業員を指導役として抜擢することで、新卒従業員と同時に既存の従業員がリーダーとして成長できる機会でもあります。

・中途採用時の人員配置の手法
中途採用は、部署やチームの欠員を埋める目的で行われるケースが多いため、人員配置の手法は適所適材が一般的です。
求める場所にすでに経験やスキルを持った人材を採用することから、即戦力として有効活用できるメリットがあります。

組織体制の変更

新規事業の創出や組織のスリム化など組織体制を大きく変更する時期も人員配置の絶好のタイミングです。
社内の大部分の人員が異動するタイミングのため、通常時では難しい思い切った配置も可能になります。

ただし、思い切った配置転換は失敗してしまえば大きな損失につながってしまうリスクも少なくありません。
通常時から従業員とのコミュニケーションを重ね、能力やスキル以外に従業員同士の関係性や相性も把握しておくことが重要です。

人事異動

企業にもよりますが、一般的に人事異動は年に1~3回程度行われます。
スペシャリストだけではなく、ユーティリティープレイヤーを育成するうえで定期的にさまざまな部署での業務を経験させるのが人事異動の主な目的です。

また、同じ業務を続けていると取引先との癒着や部署内でのパワーバランスに偏りが生まれる可能性もあり、人事異動はリスクマネジメントとしても重要な役割を果たします。

ほかにも、地方に支店があったり、関連企業があったりする企業では、社内異動以外に外部への異動があるケースも少なくありません。
そのため、育児や介護など従業員の家庭環境も考慮したうえで、配置先を決めないとモチベーション低下や離職につながるリスクがあるため注意が必要です。

 

適正な人事配置によって得られる効果


適正な人員配置が実現すれば、企業にとって次のような効果がもたらされます。

従業員エンゲージメントの向上

適正な人員配置ができているということは、配置された部署、チームで従業員は自身の特性を生かして最大限のパフォーマンスが発揮できている状態だといえます。

自身の仕事が企業の売上向上につながっていると思えれば、さらに企業に貢献しようという意識が高まり、エンゲージメント向上、離職率低下が期待できるでしょう。

生産性の向上

適正な人員配置が行われ、従業員がそれぞれの配置先で最大限のパフォーマンスを発揮すれば、自ずと業務の効率化が進み、組織・企業の生産性向上にも大きく寄与します。

また、効率化が進めば時間に余裕が生まれ、従業員同士のコミュニケーションも活性化し、新しいアイデア、協業のチャンスが増えることでさらなる生産性向上が期待できるでしょう。

人件費の最適化

適正な人員配置によって効率化が進めば少ない人材で最大の効果を生み出せる可能性が高まります。
またエンゲージメントの向上で離職率が低下すれば、新たに人材を雇用するためのコスト削減も可能です。
その結果、人件費の最適化が実現するでしょう。

人件費の最適化は、収益性の改善につながるのはもちろん、新製品の開発や新規事業創出資金にも活用できるため、さらなる収益構造をつくるのにも役立ちます。

 

適正な人員配置を行う方法

適正な人員配置を行う方法としては以下が挙げられます。

  1. 現在の人員配置を可視化する
  2. 人材スキルや適性を一元管理する
  3. 従業員の希望を把握する
  4. 人員配置計画を立案する

それぞれについて詳しく解説します。

1.現在の人員配置を可視化する

適正な人員配置を行うには、まず現状認識が欠かせません。
現在の人員配置を認識するには部署、チームの連携、関係性からそれぞれの業務内容、配置している従業員の人数やそれぞれの雇用形態、勤怠などの可視化が必要です。

ただし、目に見える部分だけの可視化ではなく、これまでの業績や評価、入社してから得たスキルなども併せて可視化させることが重要です。

2.人材スキルや適性を一元管理する

人材配置の可視化で行ったスキルや評価、従業員各自の適性を一覧でまとめて管理します。
経営者や人事担当者がすぐに参照できるようにしておけば、現状把握に役立つだけではなく、人材配置をスムーズに進めていけるでしょう。

ポイントは、経験や能力、スキルなど明確な項目を作成し、一覧性を高めることです。
そして定期的にアップデートする必要があります。
古い情報のままでは適正な人員配置ができなくなるため、定期的なアップデートを必ず行ってください。

3.従業員の希望を把握する

適正な人員配置は、さまざまなデータを基に経営者や人事担当者が行うのが基本です。
しかし、データには表れない従業員本人の意思や志向も加味しないと従業員の適性と業務内容にミスマッチが生まれる可能性が高まります。

従業員の希望をすべて受け入れるべきということではありませんが、企業、従業員双方にとって最適な配置を行うには、本人の希望も重要です。

現状の満足度やキャリアプランなどをヒアリングしたうえで配置の検討をすることでエンゲージメント向上が期待できます。

4.人員配置計画を立案する

現状の可視化、能力やスキルの一覧作成、従業員へのヒアリングまでを終えたら、実際に人員配置計画の立案を行います。

ポイントは目的の明確化です。
組織再編のために行う、新規採用のために行うなど人員配置を行う目的を明確にし、目的に合わせた方法で人員配置計画を立案しましょう。

ポイントは、常に全体像を意識し、柔軟な計画を立てることです。
例えば、現状の従業員だけで計画を立てられなければ中途採用や支社、関連会社からの異動も視野に入れて検討することが重要です。

 

適正な人員配置に活用できるツール


人員配置の実施は従業員の情報収集や把握など多くの手間を要するため、すべてを手作業で行うのは容易ではありません。
そこで、適正な人員配置を迅速かつ効率的に行えるツールを紹介します。

エクセルで人員配置表を作成

人材配置をもっとも簡単かつ効率的に管理するにはエクセルの活用がおすすめです。
多くの企業で業務に使われているツールのため、改めて使い方を覚える必要もなく、スムーズに人材配置表の作成が行えるでしょう。

インターネット上で検索すれば多くの人材配置表テンプレートが無料でダウンロードできるため、必要に応じて活用するのがおすすめです。
例えば、以下のサイトでは、人事異動計画として人員配置表のテンプレートを無料で公開していますので、参考にしてください。

※参考:smartsheet「人事異動計画書」

タレントマネジメントシステムの導入

エクセルよりもさらに効率的に人員配置を行いたい場合におすすめなのがタレントマネジメントシステムの活用です。

一般的に有料ですが、従業員情報の一元管理やデータ分析、組織シミュレーションなど多くの機能を有しているため、適正な人員配置が迅速かつ効率的に行えます。

タレントマネジメントシステムは無料試用期間があるものを選び、使い勝手を確認したうえで選択されるのがおすすめです。

 

人員配置の最適化で人材スキルを有効活用しよう

適切な人員配置を行うことで、従業員のエンゲージメント向上、生産性向上、人件費の最適化、社内の活性化などさまざまなメリットを得られます。
しかし、適正に行わないとかえって業務の非効率化を生んでしまうケースもあります。

人員配置で成果を上げるには、現状の把握や従業員それぞれの能力、スキルの見極めが欠かせません。
常日頃からコミュニケーションを重ねていくことが、適正な人員配置の成功につながるでしょう。

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